日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(365)「無不知愛其親者」の「述語論理」。

2019-10-08 07:39:44 | 漢文・述語論理

―「昨日(令和元年10月07日)の記事」を書き直します。―
(01)
① 孩提之童不知愛其親者=
① 孩提之童無其親
① 孩提之童無{不[知〔愛(其親)〕]者}⇒
① 孩提之童{[〔(其親)愛〕知]不者}無=
① 孩提の童も{[〔(其の親を)愛するを〕知ら]不る者}無し=
① 二、三歳の幼児でも自分の親を愛することを知らない者はゐない(孟子、盡心章句上、十五)。
然るに、
(02)
A不一レB [読み]AトシテBセざルハなシ :Aは体言、Bは用言の未然形
(天野 成之、漢文子本語辞典、1999年、324頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
孩提之童不知愛其親者=
② 無孩提之童不其親
② 無{孩提之童不[知〔愛(其親)〕]者}⇒
② {孩提之童[〔(其親)愛〕知]不者}無=
② {孩提の童として[〔(其の親を)愛するを〕知ら]不り者}無し=
② 二、三歳の幼児でも自分の親を愛することを知らない者はゐない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 孩提之童{不[知〔愛(其親)〕]者}= 孩提の童も、  其の親を愛するを知ら不る者無し
{孩提之童不[知〔愛(其親)〕]者}= 孩提の童として、其の親を愛するを知ら不る者無し
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{Fx→~∃y(Gyx&~Hxy)} A
1 (2)    Fa→~∃y(Gya&~Hay)  1UE
 3(3)    Fa& ∃y(Gya&~Hay)  A
13(4)    Fa                3&E
13(5)       ~∃y(Gya&~Hay)  24MPP
 3(6)        ∃y(Gya&~Hay)  3&E
13(7)       ~∃y(Gya&~Hay)&
             ∃y(Gya&~Hay)  56&I
1 (8)  ~{Fa& ∃y(Gya&~Hay)} 37RAA
1 (9)∀x~{Fx& ∃y(Gyx&~Hxy)} 8UI
1 (ア)~∃x{Fx& ∃y(Gyx&~Hxy)} 9量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{Fx& ∃y(Gyx&~Hxy)} A
1 (2)∀x~{Fx& ∃y(Gyx&~Hxy)} 1量化子の関係
1 (3)  ~{Fa& ∃y(Gya&~Hay)} 2UE
1 (4)   ~Fa∨~∃y(Gya&~Hay)  3ド・モルガンの法則
1 (5)    Fa→~∃y(Gya&~Hay)  4含意の定義
1 (6) ∀x{Fx→~∃y(Gyx&~Hxy)} 5UI
従って、
(05)により、
(06)
①   ∀x{Fx→~∃y(Gyx&~Hxy)}
② ~∃x{Fx& ∃y(Gyx&~Hxy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①   ∀x{Fx→~∃y(Gyx&~Hxy)}
② ~∃x{Fx& ∃y(Gyx&~Hxy)}
に於いて、
F=孩提之童
G=親
H=知愛
とすると、
①  ∀x{孩提之童x→~∃y(親yx&~知愛xy)}
~∃x{孩提之童x& ∃y(親yx&~知愛xy)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが二歳や三歳の幼児であるならば、あるyがxの親であって、xがyを愛することを知らない、といふことは無い
② xが二歳や三歳の幼児であって、あるyがxの親であって、xがyをyを愛することを知らないといふ、そのやうなxは存在しない(無い)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
① 孩提之童{不[知〔愛(其親)〕]者}
{孩提之童不[知〔愛(其親)〕]者}
といふ「語順」の「漢文」は、
①  ∀x{孩提之童x→~∃y(親yx&~知愛xy)}
~∃x{孩提之童x& ∃y(親yx&~知愛xy)}
といふ「語順」の「述語論理式」に相当する。