今日は「ポストくん」のお話をしたいと思います。
この郵便ポストは、もともと宮城県南三陸町歌津(うたつ)地区のコンビニエンスストアに設置してありました。
しかし、2011年3月、東日本大震災の大津波で沖合へと流されてしまいます。
その後、ポストは1年9カ月も太平洋を漂い続け・・・
2012年12月28日、歌津からは直線距離で2400㎞も離れた沖縄県の西表島(いりおもてじま)にあるユチン川の河口付近に流れ着き、地元の方に発見されました。
これにはいくつもの偶然が重なりました。
まず、このポストの素材はFRPと呼ばれる繊維強化プラスチック製で、水に浮かぶのだそうです。この素材はもう使われておらず、現在のステンレス製なら確実に沈んでいたとのこと。
そして、もうひとつはその漂流ルート。
ポストがどんな経路をたどって西表島まで漂流したのかは不明です。
でも、太平洋全体を環流する潮の流れから、どうやら、ハワイ諸島の東側へいったん回り込み、それから再び日本の方角へ向かったのだろうと考えられています。
1年9か月という時間と、2400キロという距離だけでも驚きですが、なんと、ハワイを経由していたとは!
まさに奇跡のポストですね。
ポストくんは2013年8月に歌津に戻ってきました。
今日のタイトル「おけーり(お帰り)ポストくん」はその時の歌津のイベントで使われていたものです。
現在は、復興のシンボルとして、そして南三陸と西表、ハワイを結びつけた友情の証としてそのままの姿で、南三陸町の交流施設に展示されています。
と、この原稿を書いていたところへ熊本の地震のニュース。
被災者の方々のご無事を祈りつつ・・・
甲西・守山・野洲教室より鼎でした。