真野教室から川合です。
私立のオープンキャンパスがあちこちで行われていますね。今回のテーマは、私立を専願で狙おうという、ある受験生のお話です。この生徒は、これまで、部活と漫画の話しかしないような日常を送ってきましたが、あるとき、世界の国々を擬人化した漫画に興味を持ったことから、突如として地理や歴史へのチャンネルが開き、猛然と社会の知識を吸収し始めました。ふた月ほど前まで、恐ろしいほど何も知らなかったのに、今や「世界恐慌が…」とか、「プロイセンが中心になってドイツを統一…」とか、えらそうな言葉を吐くようになりました。志望校も「国際~」とつくコースばかりを探しています。しかし、なにしろこれまでの蓄積が足りないので、一番必要なはずの英語などは大変です。それでも嬉しそうに「国際~」に行きたいと言います。他人よりかなり遅かったけれども、それでもエンジンがかかったのですから、何とか行かせてやりたい!教室としてもしっかり後押ししていこうと思います。
さて、そんな彼女が最近読み始めたのが、冒頭の写真にあります、沢木耕太郎さんの『深夜特急』です。『深夜特急』と言えば、80年代に学生生活を送った私たちにとって、時代を代表する本のうちの1冊でしたが、中3国語の教科書にも紹介されています。香港・マカオから始まってユーラシアを放浪し、ロンドンに向かう旅行記は、これまで漫画しか読んでこなかった中学生には手強いものに違いありません。「字が多い~」と悲鳴を上げながらも、読み進め、先日1巻を読み終えたようです。感想はふた言「字が多い。でも面白い!」こんなことも言ってました。「本に付いてるひもみたいなの、便利だね。」うんうん、便利だね。栞というものを知らなかったのですな。期末テストが迫ってきましたが、「テスト前1週間にして、課題が全部終わってる!快挙だ!」と、歯車が良い方へ回転し始めたことを感じさせます。2巻を読むのはちょっと我慢しているようです。志望校に向かって、これから乗り越えていかなければならないことは山積みですが、それでも1歩は踏み出せたのです。そんなタイミングで『深夜特急』と出会ってくれたことは、とても嬉しいです。2ヶ月前に比べて、受験生としての歩みが、少しだけたくましくなりました。たくさん勉強して、もっともっとたくましくなってくれよ!
冒頭の写真で、『深夜特急』のとなりにあるのは、なんと携帯用の『コーラン』です。以前に、お土産でもらったものですが、毎年、世界地理で宗教のテーマになると生徒たちに見せています。今回は期末テストの出題範囲に入っているので、出番がやってきました。生徒は不思議そうに眺めていましたね。
最後の写真は、サンバホイッスルです。と言ってもワールドカップの応援じゃないですよ。7月のオール・イングリッシュはブラジルがテーマですから、それに備えて、集団スタッフは全員がこれを吹くことにしました。各自、こそこそと練習中であります。こう、ご期待!!