大倉草紙

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【京都】 琳派ⅩⅠ 花の協奏曲 (細見美術館)

2008年12月25日 20時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月27日(木)
当日の行程:(JR・京都駅…タクシー) → 【東福寺】【龍吟庵】【即宗院】 → (タクシー) → 【開館25周年記念 館蔵名品展(野村美術館)】 → (タクシー) → 【琳派ⅩⅠ 花の協奏曲(細見美術館)】【ふたつで一つ(京都市美術館)】 


細見美術館の琳派展は、11回を数えるそうだ。
今回は、花鳥図に焦点をあてた展覧会。
魅力的な作品が揃っていた。


「伊年」印「四季草花図屏風」(部分)
60種類もの草花が描かれている。
屏風の解説として草花の名前が示されているので、それと照らし合わせながらひとつひとつの草花を調べるように観る。
素朴に佇む草花も、金地の背景に照らされて、ゴージャスに見える。


尾形光琳「柳図香包」
これは、もともとはお香の包みだったそうだ。
なんとも贅沢な!
お香を包んでいたときの跡が残っている。


渡辺始興「簾に秋月図」
作品の前から離れがたく思うほど、美しかった。
秋の草花と月といった、よくある風景なのに、簾が一枚掛かっているだけでこんなにも印象が変わるのかと驚く。


鈴木其一「白椿に楽茶碗花鋏図」
シンプルなのだけれど、椿の白と茶碗や鋏の黒のコントラストが美しい。
同じ黒を基調とした濃淡なのに、葉のみずみずしさ、花鋏の鋼の手触り、それから茶碗の質感など、様ざまな感じが伝わってくる。


酒井抱一「紅梅図」
吉原の遊女・小鸞をやっとのことで身請けした幸せに満ちた頃に描かれたものだそうだ。
漢詩は、「雪を踏み分けて行くことも、二人ならば労を厭わない。春は遠いが、梅の良い香りは漂ってくる」という内容だとのこと。
繊細な枝の先の、まだ咲き初めの赤い梅が可愛らしい。

展示では、「梅くらべ」「菊くらべ」「朝顔くらべ」など、別の作者によって描かれた同じ花を比べる試みもあり、これもまた、楽しめた。