大倉草紙

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【奈良】 秋の美・冬の美 (大和文華館)

2008年12月22日 20時04分31秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月30日(日)
当日の行程:(近鉄・学園前駅…奈良交通バス・学園前~大渕橋) → 【革新者たちの挑戦~よき人よき友 松篁の見つめた人々~(松伯美術館)】【秋の美・冬の美(大和文華館)】 




大和文華館で「秋の美・冬の美」を観る。


李迪「雪中帰牧図」(国宝)

のんびりとした感じがなんとも言えずによい。
獲物は雉だろうか。
描かれている牛も人物も、なんだか嬉しそうだ。
左右の大木も印象深い。


伝本阿弥光悦「沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒」(重要文化財)

蒔絵、青貝、金貝で鹿が描かれている。
その数は23頭!
ケースに入って展示されていたが、正面からのみ観ることができ、残りの3面に布が掛けられていて見えなかったのが残念。

そのほか、好みであったもの、気になったものをいくつか。
「青花栗鼠山査子文鉢」は、栗鼠が山査子の枝に登っている姿を見込み一面に描いた鉢。
山査子のくるくるした弦と栗鼠が可愛らしい。
側面には、驚くべき細工が施されている。
見込みに描かれた栗鼠を裏側から見た図を立体的に表しているのだ。
ちょうど、山査子の木の下から覗いた具合になる。
いっぺんに気に入ってしまった。

英一蝶の「僧正遍照落馬図」もおもしろい。
タイトル通り、女郎花に見惚れて落馬した僧正遍照が描かれている。
きょとんとした馬の表情もいい。
僧正遍照の歌「名にめでて折れるばかりぞ女郎花われ落ちにきと人に語るな」(古今集)をもとに描かれた作品とのこと。