大倉草紙

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【東京】 フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち (東京都美術館)

2008年12月11日 20時17分58秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月26日(火)
当日の行程:(JR・上野駅) … 【フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち(東京都美術館)】【特別展「大琳派展-継承と変奏-」(東京国立博物館)】【特別展「スリランカ―輝く島の美に出会う」(東京国立博物館)】【ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情(国立西洋美術館)】 … (JR・上野駅~両国駅) … 【ボストン美術館 浮世絵名品展(江戸東京博物館)】


   

フェルメール展が始まったのは8月のはじめ。
平日の午前中だから、さすがに空いているだろうと思ったら大間違い。
大混雑とまではいかないが、結構な人出だったので驚いた。
売店で、きょうは朝一番の飛行機で長崎からやって来たという会話が耳に入ってくる。
他人のことは言えない。
私自身も、始発の飛行機に乗って来たのだから。

フェルメールの作品には、それぞれに解説が付いていて、とても分りやすい展示となっている。
また、フェルメールの全作品がパネルで展示されていて、それもなかなか楽しい。


       
     「マルタとマリアの家のキリスト」(1655年頃)
      [スコットランド・ナショナル・ギャラリー蔵]

衣服とテーブルクロスの色の対比が印象に残る。


     
     「ディアナとニンフたち」(1655-56年頃)
      [マウリッツハイス王立美術館蔵]

女性の足と、なぜだか、犬にばかり目がいってしまった。


        
        「小路」(1658-60年頃)
        [アムステルダム国立美術館]

見飽きることのない1枚。
煉瓦の質感といい、雲のかんじといい、素晴らしい。
描かれている場所は特定されそうなものだけれど。


       
      「ワイングラスを持つ娘」(1659-60年頃)
       [アントン・ウルリッヒ美術館蔵]

手前の男女の表情は豊かで、奥の男性は無表情。
想像力を掻き立てられる作品だ。
女性の衣服の色と、ステンドグラスが美しい。


       
       「リュートを調弦する女」(1663-65年頃)
        [メトロポリタン美術館蔵]

暗い室内。
窓からの光に女性の衣服や宝飾品が照らされている。
フェルメールの作品は、物語性に富んでいる。
これもまた、目にするたびにさまざまなシチュエーションが心に浮かんでくるような1点だ。


        
       「手紙を書く婦人と召使い」(1670年頃)
       [アイルランド・ナショナル・ギャラリー蔵]

「小路」とこの作品が、今回のフェルメール7点の中では好み。
ほかの作品と比べて、室内は明るい。
手紙を書く婦人の白い衣服が光に照らされ、輝いている。
婦人の背後の絵は、「モーセの発見」。
この作品は、追加出品されたもの。
出会えてよかった。


        
     「ヴァージナルの前に座る若い女」(1670年頃)
        [個人蔵]

04年にフェルメール作と判断された作品。
真作であるかを11年かけて科学的に調査したという話が、会場で配布されている「フェルメール展記念号外」(朝日新聞)に載っていた。


7点ものフェルメールを一度に観ることができ、大満足。
次は、いつ、どこで、どのフェルメールを観ることができるだろう。