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ミツが観るクリエイター達とその生活 vol.10 吉見綾子

2009年06月02日 | 火曜(2009年4~6月):吉見綾子さん

もう、10年くらい前、
ひょんなことからなぜか?那覇の、誰かの選挙の集会前に歌う喜納昌吉さんの前座で、彼女は友達と、私達の太鼓といっしょに歌っていた。



彼女の名前は亀谷明日香(かめがいあすか)さん。
「虹亀工房」を立ち上げている紅型作家だ。
今、沖縄本島南部に「虹亀商店」とうお店を開き、隣接する工房で作品を作り続けている。今年、3人目の子供(有くん)をもうけ、作家としても、お母さんとしても忙しい日々を送っている。





彼女は、Tシャツやコースター、最近では照明などの「日用品」に、紅型をほどこす。いわゆる反物としての高級な工芸品とは違うアプローチ。
今でこそ、こんな作家さんは多いけれど、彼女はもう10年近くこれを続けている。彼女の型のデザインは、日常彼女がきれいだと感じるものを、楽しくとらえている。差し込む色はていねいで美しい。紅型って、よく見ると作家さんによって出来上がりの具合が全然違うんだなあというのを、彼女を見ていて教えられた。



彼女は、沖縄の芸大在学中から、パートナーの「亀ちゃん」と作ったものを路上やリゾートホテルで売っていた。
昔から「自分達の作った物」を「売る」ことが好きだという態度がはっきりとあった。
作品と商売をフラットに結びつける。自称作家や芸術家にみられる悪い意味での「理解されなくてもいいから作る」とか、「誰かがいつか認めてくれるだろう」という甘えがなかった。



ああっ、アップにしすぎたけど、これは、彼らが作りだした大ヒット商品「キジムナーストラップ」。
色んなバージョンで、県内のお土産品店で必ず見つけることができる。れっきとした虹亀工房の「手作り」の商品だ。キジムナーは路上で生まれた。

 



そんな明日香さんがお店=「虹亀商店」をもったのは、自然の流れなのかもしれない。
お店は、本島南部、八重瀬町役場のすぐ近くにある。庭付きの、風がここちよく流れる空間を「パラダイス・カフェ」さんとシェアして立っている。
小さな店内には、作品はもちろん、彼女が大好きなネパールから直接買い付けてくる雑貨が所狭しと並ぶ。なんでもありのアジア雑貨屋とは、ひと味もふた味もちがう品揃えだ。
明日香ワールドが店内に広がっている。お客さんも観光客から地元の人までと幅広い。



明日香さんは、年に1度、仕入れも兼ねてたったひとりで2週間ほどネパールを旅する。その間、子供達はお父さんと留守番。やるなあ。
次回は、彼女の「旅」について、そして彼女の「ワークショップ」のお話です。お楽しみに。


text:吉見綾子



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