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ハイサイ!! うちなぁぐち vol.6 比嘉光龍

2009年05月04日 | 月曜(2009年4~6月):比嘉光龍さん



「はいさい」という言葉を聞いたことはありますか? これは「シーサー」という言葉と並び他府県の方でもかなり知っている方は多いのではないでしょうか。
それでは、どういう意味なのかと問われれば、挨拶で使うのだろうということぐらいしか知らないのでは? これは、当のうちなぁんちゅでもほとんど意味を知らないで使っている方が多いのです。実は「はいさい」とは「どうも」ぐらいの軽い挨拶で、きちんとした場所で丁寧に挨拶する時には向いていないということを知って頂きたいと思います。

詳細は過去に琉球新報紙に連載した時に「はいさい」と言う言葉がどうやって使われているのかをhttp://ryukyushimpo.jp/news/storyid-132354-storytopic-129.htmlに書きましたのでそちらもお読みください。

ここでは、うちなぁぐちは、日本語と違い明確な男性言葉と女性言葉が存在することについて書いてみようと思います。それは、言葉の後ろ、つまり語尾に、男性は「さい」、女性は「たい」とつける敬語が存在するのです。
この男性言葉と女性言葉の明確な違いは、敬語のみに存在し、それ以外は日本語と同じく男性が良く用いそうな言葉、女性が良く使う言い回しなどと、明確な表現、言葉使いというものはないと言えます。
明確な男女の言葉の違い「さい」と「たい」ですが、それを使った言葉で一番有名なのが「はいさい」と「はいたい」だといえるでしょう。
しかし、これは軽い挨拶なので、親しくなった人などに使うように心掛けたいものです。
その他には、人の家に訪ねて行った時に「ごめん下さい」と同じ意味の「ちゃーびらさい」、「ちゃーびらたい」と言う言葉もあります。
他には、「今日ですか?」と、軽い敬語の問いにも「『今日(ちゅー)』なーさい?」、「『今日(ちゅー)』なーたい?」と使います。
また、呼びかけの時には、バイロン「先生(しんしー)」と名前を上に付けて呼びかけるほうが丁寧なのですが、ただ単に「しんしー」とだけ呼びかけたい時に、語尾に「しんしーさい」、「しんしーたい」とつけた方が少し丁寧になります。
ここまで書いて「さい」と「たい」の使い方を少しは分って頂いたと思いますが、敬語ではありますが軽い敬語であり士族でも上の階級に行けばこの軽い敬語は用いなかったようです。
例えば上にあげた「今日ですか?」は「ちゅーなーさい?」と書きましたが、これよりは「ちゅーやいびーみ?(今日ですか?)」のほうが丁寧な言い回しになります。
まだまだ、ありますが、うちなぁぐちでは「さい」と「たい」は軽い敬語に使うもので、言葉の語尾にこれをくっつけて会話のなかで連発すると、かえってぞんざいな感じがするとお年寄りに言われたことがあります。




※写真について
毎年旧暦の4月1日に南城市大里の「古堅(ふるげん)」にて、ミーミンメーという行事が行われます。首里の赤田にある行事「弥勒御迎(みるくうんけー)」が古堅にも伝わったと言われているようです。そこで最後は皆で「乱舞(アッチャメー)」を踊る場面で私も参加しました。


text:比嘉光龍






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