おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

近現代 ギリシャの歴史

2012-04-15 22:23:14 | 国際(欧州・米国)
「物語 近現代 ギリシャの歴史」 村田奈々子箸 中公新書

 古代ギリシャの栄光から、現在のユーロ危機の原因なっているギリシャの財政破たん。この間の長いギリシャの歴史をほとんど知らなかった私にとって、とっても新鮮で楽しかった一冊。
 日本人にとって、日本人としての「民族」や日本という「国家」は、長い歴史の中で自然にかつ当然に確立しているが、都市国家が複数存在していた古代ギリシャ(多神教)、ビザンチン帝国時代(キリスト教)、オスマン帝国時代など、国家、領土、宗教などが変遷しているギリシャは、国家や民族という定義がなかなか固まらなかったことがよく理解できた。

 主な内容は以下のとおりかな。
・古代のギリシャに国家のアイデンティーを置き、古代ギリシャ(一般人はしゃべれない)の一種を公用語とする勢力と、多くギリシャ人がしゃべる口語の争い
・領土拡大を目指し、コンスタンティノープル獲得を夢見た「メガリ・イデア」の運動と挫折
・闘う政治家ヴェニゼロスの改革
・第二次大戦時、ドイツ軍とイギリス軍それぞれの思惑により、ギリシャ国民同士が殺しあう「兄弟殺し」に発展
・戦後の軍事独裁(君主制の廃止、女性のミニスカート禁止、学生の抗議行動への武力弾圧など)
・トルコ系住民とギリシャ系住民におるキプロスの分断
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