おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

2009-11-23 10:45:00 | 歴史(明治以降)
「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」 加藤陽子著 朝日出版社

 東大の教授である筆者が、高校生向けに書いた日清戦争から太平洋戦争までの日本の戦争をまとめた本。
 筆者の膨大な努力に裏打ちされた研究の成果を、分かりやすく記載してあり、すばらしい一冊。多くの方の読んでもらいたい。

 序説で戦争の根源的な作用を「戦争相手国の憲法を変えること」とするルソーの考えを紹介しているが、目から鱗。その後も知らなかった歴史的事実や考え方が多くあった。

 太平洋戦争の開戦に後ろ向きな天皇に対し、陸軍が大阪夏の陣を例えに開戦を延ばせば不利になると説明していたこと、真珠湾が無防備ば理由は水深12メートルの湾で魚雷による攻撃が不可能とアメリカが判断していたことなど、初めて知ったことが多い。

 太平洋戦争は、多くのアジア諸国に対する侵略戦争でありながら、日本人として被害者意識が強いことに対する筆者の意見は納得。多くの遺族がどこで兵士が死んだかを知ることができなかったこと、ソ連が中立条約に違反し満州に侵攻しシベリア抑留を行ったこと。そのとおり。
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