ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

親友と語った夜

2008-11-01 23:11:14 | Weblog
 大学時代にボランティア活動から福祉の世界にはいり、その当時一緒に活動した20年来の親友が島根県にいます。

 自分が主宰する肢体不自由児の活動に参加した彼は、理系の学生だったにもかかわらず卒業後福祉の学校に行きなおしました。そこで才能を覚醒させ、とりつかれたように全国の現場を見歩き、北欧の思想に啓発され、日本の貧しい状況を変えていくことを志しました。

 深夜まで互いの意見を語り合った当時から、そのセンスの高さは抜きん出ていました。そんな彼にあるとき、「有名になって世の中を変えろよ」と言いましたが、「ひとりの天才ががんばったって何も変わらない。組織を変えていくことで地域や国が変わっていく。自分ひとりが有名になろうとは思わない」と言いました。その後帰郷して社協につとめ、会うたびに、新しいプロジェクトに取り組む話を熱く語ってくれました。

 一方、目の前で困っている人を自分の手で助けたいと思った自分は、結局看護学校まで行き、遠回りの末にねがいのいえを始めました。激動の障害福祉の世界では遅いデビューでしたが、困っているケースにすぐに対応する、行政がやってくれないことは自主契約でなんでもするというサービスを続けてきました。

 この5年間、逆にねがいのいえの活動に刺激を受けてきたという彼は、今、社協職員としてできることは何でもやっていきたい、社協は何でもできるんだから、と語り、今まで以上の意欲を見せていました。そのため現場ではついてこれない職員の抵抗も感じながら、がんばっているそうです。20年前「ひとりの力では何も変わらない」と言っていた彼が、その力でまわりを引っ張りながら、さらに進んで行こうとしています。

 それは、嬉しいことです。

 われわれは生涯若者のように、世の矛盾を問いながら、理想に向かって走り続けるのだと思います。
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