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人はどのように死を受容するのか   №285

2023-07-28 10:25:18 | 公認心理師
 アメリカの女性精神科医エリザベス・キューブラー=ロスは、「死ぬ瞬間」という著書のなかで、人が死に直面した時に陥る心理には5つのプロセスがある、と以下のように分析しています。
1 否認・隔離:自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階。
2 怒 り:なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階。
3 取 引:なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。何かにすがろうという心理状態。
4 抑うつ:なにもできなくなる段階。
5 受 容:最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階。
 しかし、人はそのように冷静に死を受容できるものなのでしょうか。彼女は自分自身が脳梗塞で半身不随になった時、自分の仕事は間違っていたと自覚したのです。「死んでいく自分を受容することは、実に難しい。」と彼女は言いました。
 「死の名言」伊藤氏貴著(ダイヤモンド社刊)という本は、紀貫之や西行法師のように一部歴史上の人物も混じっていますが、ほとんどが日本の近代から現在に至る著名人99人が死に対して発した言葉、あるいは考え方を紹介した本です。その中のいくつかを紹介します。それは、自分がどのように生きたかったかという叫びにも聞こえます。あなたにはどの言葉が響きますか。
①吉田松陰(29歳没)生きるか死ぬかより、何を残すかが大事である。
② 手塚治虫(60歳没)素晴らしい、もう満足し、きった人生を送れば、死ぬときにそんなに苦しまなくたっていいんだろうなあ。
③岡 潔(76歳没)まだしたいことがいっぱいあるから、死にたくない。だけど、もうあかん。明日あたり死んでるだろうなあ。(死の前日の言葉)
④日野原重明(105歳没)命を使うと書いて「使命」といいます。使命のある限り、生きる意味がある。
⑤太田蜀山人(74歳没)今までは人のことだと思うたに俺が死ぬとはこいつはたまらん
⑥正岡子規(34歳歿)悟りということは如何なる場合にも平気で死ぬることかと思って居たのは間違ひで、悟りという事は、如何なる場合にも平気で生きていることであった。
⑦樹木希林(75歳歿)だって、死ぬ時はね、「お世話様でした。とても面白かったです、納得いきました、うふふふふ…」って言いたい欲はあるの。
⑧中島敦(33歳歿)人生は、何事も為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い。
⑨ 小林秀雄(80歳歳歿)自分も若い日に死のうと思ったことがある。だが、自分は死ねないということを学んだ。僕の生命は僕の所有ではないからである。
⑩ 中原中也(30歳) 汚れちまった悲しみは 倦怠のうちに死を夢む。 
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