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あなたは視覚優位の人?聴覚優位の人? №181

2013-04-03 15:57:05 | インポート
 私たちの認知の仕方には、「視覚優位」と「聴覚優位」というのがあるのではないか、というのが「天才と発達障害」(講談社刊)の著者、室内建築設計家の岡南さんの考えです。
 視覚が優れている人達は、言葉を覚える以前に、視覚で直接ものみて考えることができるというのです。自身の頭の中の映像を使って思考する人達は、ものの名前を覚えることなく、脳裏に映像を描いて考えているということです。
 著者の岡さんも「映像思考の人」で、脳裏にビデオモニターのようなものがあり、過去の記憶が映画のように色彩豊かで動きもともなう当時見たままの映像が映り、これから設計する空間などがそこにそのまま映ってくるそうです。たたし、文章を詠むときにはその内容が映像に変換されるので、読む速度が遅くなり、また、映像に変換されにくい言葉は、映像にならないために記憶として残りにくいのだそうです。
 一般に私たちは、机や椅子などの概念を「ツクエ」や「イス」という「言葉」と結びつけていく作業を通して認知機能を発達させていきますが、著者はこれを「聴覚優位」といいます。言葉や文字によって理解し、記憶し、情報を処理していくタイプということです。「聴覚優位」の人は、空間認知が苦手ですが、時間を追い、順番に段階を追って理解することが得意で、言語的な手がかりを用い、部分から全体に理解を勧める「継次処理」を得意とする論理的な思考の人です。語学関係、音楽関係、俳優、小説家などに向く能力です。
  「視覚優位」の人は、視覚的に絵や図を使った方が、記憶や処理、理解をしやすいタイプで、視覚的に全体を見渡すようにイメージができるので、一度に多くの情報を取り入れ、同時処理をすることを得意とします。視覚優位の能力は、視覚記憶を生かすことのできる土木、建築、デザイン、服飾、映像、生物学、パイロット、外科医、スポーツなど、必要とする思考が観察や空間をよりどころとする職業で生かされます。
  「視覚優位」の人の中でも奥行きのある三次元に、人の動きや太陽の動きなどといった「動き」を意識できる人を、著者は「映像思考」の人と呼び、その典型的な人がスペインの天才建築家アントニ・ガウディということです。ガウディが設計したバルセロナのサグラダ・ファミリア(聖家族教会)は1882年3月に着工され、130年以上経った今なお建築途上にあるという壮大な建物です。しかし、その建物に詳細な設計図はなく、大型模型や、紐と錘を用いた実験道具だけを使って構造を検討したといわれていますから、まさに、「映像思考の人」なのでしょう。