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TDグリセリン

2007-06-03 01:52:56 | 時事問題
5月31日、中国政府は、パナマで練り歯磨きなどから有毒物質が発見されたことに対して、中国側の責任を否定する調査結果を発表した。
「昨年秋にパナマで販売されたせき止め薬を服用した百人以上が死亡した問題では、中国の輸出業者が有毒のジエチレングリコールに無害のソルビットを混ぜたものを「TDグリセリン」の名称でスペインの業者に輸出。その際「中国の医薬品規定に合わない」と説明したにもかかわらず、商品が第三者であるパナマの業者に渡り「グリセリン」として医薬品の原料に使われたとしている。
 一方、練り歯磨きからジエチレングリコールが検出された問題については「毒性は低く、大量に摂取しなければ人体に影響はない。(問題となった)練り歯磨きで中毒が発生した例もない」とパナマや米国当局に冷静な対応を呼びかけた。」
(「開き直り?『中国に責任ない』 パナマ有毒物質問題」http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007060102020660.html)

パナマのせき止め薬に「TDグリセリン」が使用された事件では、パナマの業者に責任があるということ。練り歯磨きからジエチレングリコールが検出された問題は大したことではないということだ。

ところで「TDグリセリン」のTDって何のことか?それに対しては産経新聞の5月14日付記事「中国、食品・薬の安全確保へ本腰 5カ年計画に盛り込む」が答えてくれる。
「昨秋、パナマ市で推計360人以上の子供が犠牲となったせき止めシロップ中毒は、中国外務省の公式発表によると、シロップの原料に江蘇省泰興市グリセリン工場製造の「TDグリセリン」が使われていたためだった。
 TDとは中国語の「替代」つまり代用のこと。同工場のホームページでは「純度95%の代用グリセリン」として、歯磨き粉、化粧品、エッセンシャルオイルに利用可と宣伝されていた。TDグリセリンの値段は、正規のグリセリンの半額。成分については非公開だったが、実際は不凍液などに使われるジエチレン・グリコールだった。」
(http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070514/chn070514002.htm)

TDとは代用の意味だったのだ。そして代用グリセリンとして、ジエチレン・グリコールが生産、販売されていたのであった。問題は「現在、中国ではジエチレングリコールを規制する法律がなく、企業の自主判断に任されているという。」ことである。(「有毒物質を入れても合法?中国産練り歯磨きに致死量の毒物」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000008-rcdc-cn)

中国が「開き直り」と批判されているのは、中国国内でジエチレングリコールの規制を充分行っていないことの反省がないことである。せめて、中国政府は広義の責任はあるが、狭義の責任はないと言った方がましだったのではないか。
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