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黄砂

2006-04-09 00:07:18 | 時事問題
黄砂の季節が到来しました。ご存じの通り、中国大陸から西の風に乗ってやって来る砂塵です。黄砂は春がすみの原因のひとつで、風物詩的なものであると理解されていました。しかしそんな悠長なことは言ってられなくなりました。

黄砂の害が激しくなり、飛行機の運航の乱れなどを引き起こしています。黄砂の増加は、発生源の環境悪化が最大の原因と考えられています。家畜の放牧数などの増加により、草地が減り土壌が悪化したらしいのです。

このことに関して読売新聞は次のような社説を書いていました。

「黄砂は、東アジア地域の広域的な環境問題と考えるべきだろう。環境省の報告書によると、韓国では、「気象災害」とみなされている。健康への影響解明を含めて、日本と中国、韓国などが協力して対策に取り組む必要がある。」
(2006年4月6日読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060405ig90.htm


日本は、中国の環境への取り組みを援助するべきであると、私も思います。ここで、ややこしい問題が発生しています。昨年、日本政府は、中国政府に対して供与してきた円借款を北京五輪前にやめることを決めてしまったのです。

円借款(えんしゃっかん)とは、日本政府が発展途上国に対して、安い金利でお金を貸すことです。ODA(政府開発援助)のひとつの手段です。中国は発展途上国を卒業したから、円借款を停止すると言われています。しかし本当のことを言えば、円借款停止は、日中関係の悪化の現れです。

対中関係の改善のために、環境目的だけにかぎって円借款を復活させるという経済カードを切ることはできないものでしょうか。対中関係では、日本の持っているカードは、経済力だけなんですから。もちろん環境問題は、発生源たる中国が取り組むべき問題です。しかし害は日本にも及び、他人事ではないのですから。

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