昔話で三人兄弟、三人姉妹がでてくると、たいていは末っ子が活躍します。
三人目となると子育てもそれほど細かなことに目がいかず、ほっとかれるか逆に過保護になりそうですが、昔話の中ではじつに巧みな存在。ぼーっとしているようにみえても力も知恵もあります。
それにしても兄弟がどのように育ってきたかがでてくる話にはであったことがありません。リアルな視点が徹底的にないのが昔話の特徴でしょうか。
また、おおぜいの兄と妹がでてくると、妹が兄たちを助けますが、その逆はあまりみられません。
もうひとつのパターンは、おじいさんおばあさんのところに、子どもができる話。
それも桃や豆から子どもが生まれ、あっというまに大きくなるので子育ての心配はありません。
そして、いずれも親孝行で?最後はみんなハッピーになります。
親が働き、おじいさんがおばあさんが子育てというのはそれほどさかのぼらなくても見られた光景。保育園がなくても大家族の中で、役割分担をしてきた歴史があります。
親は、子どものため?として、何かと押しつけがましくなりますが、その点おじいさんおばあさんは客観的に子育てができるので、つい前までのありかたは合理的であったのかもしれません。大家族制度の功罪は別として大家族だと子育ての継承も自然です。
貧しいのが当たり前のおじいさんおばさんのところに、子どもが授かるのは象徴で、そこに希望を託していたのでしょう。そして希望がかなえられるのもお話の世界です。