丘のうえの いっぽんの木に/今森光彦/童心社/2019年
里山の復元をテーマに活動をつづけられているという作者の愛情が感じられる絵本。
丘に春がやってきて、オオムラサキの幼虫が、落ち葉の下からエノキをのぼりはじめます。
エノキの やわらかそうな葉っぱを食べ、天敵から身を隠し、やがて脱皮。メスにもであい、卵をうみおえると、ちからつきて エノキの根元に ゆっくりとおちていきます。
一方、新しい幼虫は北風が吹くころ、木をおりて冬を越す準備です。
黒紙の切り絵ですが、オオムラサキはもちろん、フクロウや木の葉の細かさ。オオムラサキは国蝶で、色の鮮やかさが特徴ですが、黒の表現が想像力をかきたてる不思議さがありました。
フクロウ、カエル、テントウムシ、フクロウ、カメムシ、タマムシ、アトリなどもでてきます。