どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

世界で一番強い者

2017年11月13日 | 昔話(外国)

       語ってあげてよ!子どもたちに/マーガレット・リード・マクドナルド・著 佐藤涼子・訳/編書房/2002年

 東シベリアのナナイの人びとのお話とあります。

 「ねずみの嫁入り」は、ねずみの夫婦がむすめに世界一のむこをさがすことになり、お日さまに頼みますが、お日さまは、雲のほうがえらいといい、雲は風がつよいといい、風は蔵の壁が世界一えらいという。蔵はねずみがえらいといい、結局ねずみ同士が結婚することになるというおなじみの話で、これと同じ内容ですが、途中に

 ”世界で一番強いお方 世界で一番強いお方”

 とはいる楽しいお話です。

 でだしはスケートをしていた男の子の一人が転び、もう一人は転ばなかったというところからはじまります。
 転ばなかった男の子が”ぼくは世界で一番強い者だから、みんなぼくに頭をさげなっくちゃ”というと、みんなは笑いながら”世界で一番強いお方 世界で一番強いお方”と頭をさげます。

 その子が、すべって転んで頭を氷にぶっつけると、はじめに転んだ子が笑って”きみよりもっと強いものがいる。きみの頭をひっぱたいた氷がそうだ”といい、みんなは氷にむかって”世界で一番強いお方 世界で一番強いお方”と頭をさげます。

 しかし、氷が太陽が照ると私は溶けてしまうというと、今度は太陽に向かって”世界で一番強いお方 世界で一番強いお方”と頭をさげます。

 このあと雲、風、山。

 山は木が根を張って、私の岩を砕いてしまうというと、木はそのとおり、そのとおりといいます。

 ところが、子どもたちの父ちゃんは、木こり。

 はじめて、そのとおりと答えた木を子どもたちは、小さな斧で切り倒します。

 「ギーギードア」もそうですが、リズム感があって楽しめます。子どもたちが頭を下げるところも余裕があって楽しんでいるように思えました。


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