どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

100まんびきのねこ

2019年01月16日 | 絵本(外国)


    100まんびきのねこ/ワンダ・ガアグ:文・絵 石井 桃子・訳/福音館書店/1961年


 むかし、あるところにすんでいたおじいさんとおばあさんは、きれいな家に、花に囲まれていましたが、ふたりは幸せではありませんでした。ふたりはとてもさびしかったのです。
 「かわいい ちいさい ねこ」がほしいというおばあさん。

 そこで、おじいさんは、ねこを探しにでかけますが、たどりついたのは、どこも ここも、ねこでいっぱいになっている丘。
 いちばんきれいなねこをえらんでかえればいいんだと思ったおじいさん。ところが次々にかわいいねこが目について、あれもこれもひろいはじめます。

 その数、ひゃっぴき、せんびき、ひゃくまんびき、一おく、一ちょうひき。

 途中、池の水を飲み干し、野原じゅうの草は一本もなくなります。

 びっくりしたのはおばあさん。ご飯はやれないと、誰が、いちばんきれいなねこか、ねこたちにきめさせようとしますが、どのねこも自分が一番きれいだとおもっていましたから、喧嘩がはじまります。

 おじいさんおばあさんが家に逃げ込み、すこしたつと、外の騒ぎが聞こえなくなります。

 窓からのぞいてみると、ねこは一匹もいなくなっていました。

 ところがよくみると、草の間に骨と皮ばかりのやせこけたねこをみつけます。
 「わたしはただのみっともないねこでございます。だから誰が一番きれいかきかれたとき、わたしは何もいいませんでした。だから、だれもわたしには かまいませんでした」。

 おじいさんおばあさんは、このねこをかうことになりますが・・・・。

 題名に100まんびきとありますが、じつはもっと数がおおくて一ちょう。それが一匹を残してみんないなくなるのは共食いで、じつは恐ろしい話。

 この数にびっくりするのは、大人だけでしょう。保育園、幼稚園の子どもにとって数の概念はここまでいかないはず。大人の感覚で接すると、とんでもない錯覚におちいりそうです。

 本文の絵はモノクロで、カラーは表紙のみ。出版年の関係だけではなさそうです。


・紙芝居 ひゃくまんびきのねこ/脚色・高橋五山 画・川本哲夫/出版社:童心社/2000年

 絵本は1961年、紙芝居は2000年の発行です。

 紙芝居は、カラーで絵本よりはみやすいかもしれません。

 猫の数はやや抑えめで百万匹。

 猫は、喧嘩をしますが、一匹を残して、竜巻にまかれて舞い上がっていきます。このほうが個人的には納得です。


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