「わらしべ長者」は、「観音祈願型」「三年味噌型」の二つがあり、「三年味噌型」では、若者が、「わら3本」をもって旅に出て、わらから蓮の葉、三年味噌、名刀と交換し、最後には千両を手に入れ、長者の娘と結婚することに。
・たる腹(インドネシア)(新装世界の民話22 インドネシア・ベトナム/小澤俊夫・編/ぎょうせい/1979年初版)
腹だけが突き出て頭や足とつりあっていなかった男の話。
「わらしべ長者」と同じように、魚からにわとり、杵、水牛、ドリアンと交換し、このドリアンを食べたお姫さまと結婚する物語。
交換するきっかけは、杵が水牛にふまれてこわれたかわりに、水牛を手にいれるというもの。一つ一つの交換の様子が詳しい。
「たる腹」では、姫さまと結婚する前に、大臣がたる腹を教育すると、大臣が教えたことをすぐにすべて理解し、体つき全体も機敏になり、醜い男のなごりがなくなってしまうという終わりかたをします。
だんだん価値の高い?ものに交換していくという話があるなかで、逆のパターンがあるのも面白い。
グリムの「しあわせハンス」は、7年間働いてもらった給金をもって家に帰る途中、馬、牛、豚、ガチョウ、砥石に交換し、最後に砥石が泉へころがりこんで、無一文に。
別の意味での問いかけがあるようです。