新世界へ/あべ 弘士/偕成社/2012年
「新世界」と、なにかワクワク感がひろがるタイトル。
北極で育ったカオジロガンのヒナたちは、9月にはこの地をはなれ、親たちと一緒に飛んで、南の越冬地へ旅立ちます。3000キロ以上も遠く、一か月も飛び続けます。
高く低く、昼は太陽、夜は星にみちびかれ
風をうけ、波をこえ
来る日も来る日も、
岬をまわって・・。
星にうかぶカオジロガンのシルエットは幻想的で、カオジロガンをおいこしていった無数のウミガラスも迫力満点です。
渡り鳥の羅針盤はなんでしょう。旅の目印は?
ひろひろい海、切り立つ山をこえる、長い長い旅です。
高い崖の上でヒナがかえると、親鳥は二度と崖の上にはもどらないので、ヒナは自力で飛び立つしかないといいます。旅の前にも試練があります。