どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

11ぴきのねこ ふくろのなか

2024年04月05日 | 絵本(日本)

    11ぴきのねこ ふくろのなか/馬場のぼる/こぐま社/1982年

 

 とらねこ大将を先頭に遠足に行った11ぴきのねこ。

 花畑に「はなをとるな」の看板。ひとつだけひとつだけといいながら、あたまにさしました。吊り橋の入り口には、「きけん はしをわたるな」の看板。「みんなでわたればこわくない」と、つり橋を渡り、「きにのぼるな」の看板を無視して、11ぴきのねこは、木の上でお弁当。

 変な袋があって、「ふくろにはいるな」と書いてある紙が、石でとめられていました。ここまでくると、袋に入るのかと期待しているとそのとおり通りになりました。ところがこの袋はおおきなばけもの「ウヘアハ」が労働力調達?のためにおいていたものでした。ダメと言われるとやってみたくなる心理をうまく利用したウヘアハ。

 11ぴきのねこは、広場に運動場をつくるため重いローラーをひかされることに。仕事の後は 檻りの中がねどころ。毎日毎日ローラーをひかされ、ある作戦をおもいつきました。なんと歌をうたい楽しそうにローラーをひきはじめたのです。あれっとウヒアハもやってみると、これが楽しい。そのあいだに逃げ出した11ぴきのねこの逆襲が はじまりました。

 ウヒアハの目の前に「たるにはいるな」の看板。ウヒアハは、樽の中に入る、入らない?

 ウヒアハから逃げたねこたちの目の前の道路に 「わたるな」の看板。11ぴきのねこは、わたる、わたらない?

 

 初版が40年以上前ですが、2022年120刷とありますから息が長い絵本。馬場さんの絵が可愛い。
 看板を大人におきかえると、大人っていうのはいかにも おせっかいで心配性。こどもは軽々と乗り越えていくのかも。