スプーンおばさんちいさくなる/アルフ・プリョイセン・作 ビョーン・ベルイ・絵 大塚 勇三・訳/偕成社/1979年
昔テレビアニメに「スプーンおばさん」があったというので、調べてみたら1983年4月から1984年3月まで、NHKで放映されていました。
あるばん、ふつうのおばさんが ベッドにはいってねむり、つぎの朝ふつうのおばさんのとおり目をさますと、なんとふつうではなくなっていました。ティースプーンくらいにちいさくなっていたのです。
おばさん「なるほど!小さくなっちゃったんなら、それでうまくいくようにやらなきゃならないわね」とひとりごと。
その日、掃除、洗濯、ひるごはんのパンケーキづくりとやることがどっさり。
まずはベッドから、ふとんにくるまってすとんと床に。
ネコに食器をなめさせ、犬には掃除。
洗濯は、雨、風、太陽に、文句をたらたら、ぶつぶつで洗濯もしてしまいます。
ポットやフライパンは、上手におだててパンケーキもつくりあげてしまいます。
百戦錬磨のおばさん、文句を言ったり、おだてたり、うまい心理作戦で、ティースプーンくらいにちいさくなったのをモノともしません。
ご亭主がかえってくると、もとの大きさにもどり、ふつうなおばさんに。おしゃべりもなく何事もなかったようにふるまうおばさん、こんな味は、おばさんでなければできません。
猫に皿をなめさせるのはいいアイデアですが、この皿つかったの?。
アニメでは、ご亭主はペンキ屋。この日は畑仕事でした。
作者、アルフ・プリョイセンは、ノルウェーの作家(1914年-1970年)。貧しい農夫の子として生まれ、早くから人にやとわれて農場で働き、学校には行けなかったとありました。