どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

スプーンおばさん ちいさくなる

2019年04月09日 | 絵本(外国)


   スプーンおばさんちいさくなる/アルフ・プリョイセン・作 ビョーン・ベルイ・絵 大塚 勇三・訳/偕成社/1979年


 昔テレビアニメに「スプーンおばさん」があったというので、調べてみたら1983年4月から1984年3月まで、NHKで放映されていました。

 あるばん、ふつうのおばさんが ベッドにはいってねむり、つぎの朝ふつうのおばさんのとおり目をさますと、なんとふつうではなくなっていました。ティースプーンくらいにちいさくなっていたのです。

 おばさん「なるほど!小さくなっちゃったんなら、それでうまくいくようにやらなきゃならないわね」とひとりごと。

 その日、掃除、洗濯、ひるごはんのパンケーキづくりとやることがどっさり。

 まずはベッドから、ふとんにくるまってすとんと床に。
 ネコに食器をなめさせ、犬には掃除。

 洗濯は、雨、風、太陽に、文句をたらたら、ぶつぶつで洗濯もしてしまいます。
 ポットやフライパンは、上手におだててパンケーキもつくりあげてしまいます。

 百戦錬磨のおばさん、文句を言ったり、おだてたり、うまい心理作戦で、ティースプーンくらいにちいさくなったのをモノともしません。

 ご亭主がかえってくると、もとの大きさにもどり、ふつうなおばさんに。おしゃべりもなく何事もなかったようにふるまうおばさん、こんな味は、おばさんでなければできません。

 猫に皿をなめさせるのはいいアイデアですが、この皿つかったの?。

 アニメでは、ご亭主はペンキ屋。この日は畑仕事でした。

 作者、アルフ・プリョイセンは、ノルウェーの作家(1914年-1970年)。貧しい農夫の子として生まれ、早くから人にやとわれて農場で働き、学校には行けなかったとありました。