おはなしのろうそく30/東京子ども図書館編/2014年
イギリスの作家による話を、児童館職員が長年の語りを通して、子どもの反応をみながら再話したとあります。
魔法使いが屋台におきわすれたかさ。それがひとりのおかみさんの手に。
かさをさしたまま、三までかぞえると、どこにいっても次の瞬間家に帰り、五まで数えると、その時、一番行きたいと思っているところにいってしまい、七まで数えるとたちまち空中に舞い上がって、一番近くの教会の塔のまわりをグルグルまわってしまうというかさでした。
はじめにどんなふうになるか状況がわかるので、こどもの気持ちをひきつけて、聞き入るさまが想像できる展開です。
三までかぞえるのは市場でたまごをうっているとき。
五まで数えるのは、表の道をいききする大好きな自動車をかぞえるとき。
七つまで数えるのは、”なんたらかんたらびょう”になって、薬を飲むとき。
「だれのものかわからないかさがあったら、魔法のかさかもしれないので、気をつけなさい」と結びにも余韻があります。こうした手法で日本を舞台にしても面白そうです。
絵本もでています。
まほうのかさ/原作:R.ファイルマン 再話:E.コルウェル 訳:松岡 享子 絵:浅木 尚実/福音館書店/1999年