観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

研究室に入って体験したこと

2014-12-30 11:06:27 | 14
3年 宮岡利佐子
 日々は驚くほどにあっという間に過ぎていくもので、私が野生動物学研究室に入室が決まってから早一年が経とうとしています。卒業論文のテーマは2月に決まり、本格的に調査などを始めたのは4月でした。私の研究はテンの食性で、調査地が高尾と近いため定期的に通って糞の採集に努めました。調査地である多摩森林科学園には、サクラの木やアジサイ、モミジなどが植えられており、1年を通して四季を楽しめる所でもあるので、以前から季節の雰囲気を体で感じることが好きな私にとって、お気に入りの場所です。


森林科学園での森林調査(右端が筆者)

 もともと自然が好きで、景色などはよく見ていましたが、この研究室に入室してから本格的に山に足を踏み入れる機会が増え、より一層自然を感じることが出来ました。先輩方や同級生との交流も増え、色々なところへ調査のお手伝いに行きました。今までに、浅間山、金華山、乙女高原に行きましたが、その土地それぞれの景色や雰囲気があり、また山は季節によって変化するので、今年は色々な自然を体験することが出来ました。
 浅間山ではシカの糞塊調査をしました。草をかき分けながら糞を探す作業はなかなか大変でしたが、下草があまりなく見つけやすいところと、ササなどが密生していて見つけにくいところがあり、森林の構造を意識することができたと思います。
 金華山ではシカの追跡調査をしました。自分の対象のシカを見失わないように集中していると、他のシカがすぐ後ろまで近づいてきていて、調査に支障が出てしまうと思ったのでさりげなくその場を後にしました。この人馴れしているシカの行動は金華山のシカに特徴的なことだ思いました。


金華山のシカ

 乙女高原では訪花昆虫の調査をしました。どの花にどの昆虫が来るかを記録しているうちに、花の名前を覚えることができました。さらに、虫は得意ではない私ですが、一生懸命に蜜を吸う虫を見て可愛らしいと思うことができました。また、柵内と柵外の植物は大きく異なり、柵外はシカによる食害が強く、虫媒花植物はかなり少なくなっていました。植物を通してシカの影響を知ることができたことはとても勉強になりました。


乙女高原のススキ群落

 また、インターンシップでは野生動物の調査会社に行き、カメラの解析やシカの個体数調査を手伝わせていただきました。調査では最初は調査員の方に一緒に歩いていただき、山の歩き方やシカの見つけ方などを教えていただきました。急な斜面や崩れやすいところでの判断力が必要になる場面があり、私は滑落したときのことを考えシミュレーションをしながら歩くようにしました。この調査を通してたくさんの方とお話ができ、いろいろなことを学び、とても良い経験となりました。
このように今年は色々なところへ行き、様々な自然を感じてきました。これらの調査で感じたこと、学んだことを忘れずに、また次の機会に活用できるようにしたいです。これからも積極的に調査について行き経験を積んでいきたいと思います。

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