薄色にどこまでも続く曇り空
この薄色を灰色と言ってしまっては
もったいないような
薄色にどこまでも続く曇り空、
ふとまどろんだ。
「まもなくシベリア、シベリアです。」
そんなはずはもちろんなくて
何をそんなふうに聞いたのだろうと
プレートに目をやると、
シベリア四文字でもなく
漢字三文字三音のところだった。
ああ、駅弁で有名だったところだな。
いつか降りたりすることがあるのだろうか、
ここで。
薄色はうすあおく
薄色はうすしろく
薄色はうすあかり
時に
電球色と蛍光色の街灯も点々と場所だけを示して
くわわったのに、
うすあおくうすしろくうすひかり。
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旅の人は
シベリアまでも いってしまったのだろうか。
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青くなった。
学校の第一学年の時の国語の教科書の第一単元の東山魁夷の絵のようになっていった。
それともあれは 第二学年の第一単元だっただろうか。
とにかくもうすぐ宵闇だ。
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「札幌」はなかった。
シャンシャン、シャンシャン、シャンシャン。
大きな貨物が行った。
シャンシャン、シャンシャン、シャンシャン。