ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

平和への祈り

2019-03-25 | 経済・政治・社会
クライストチャーチのテロから1週間経った22日、
スカーフを被って出かけた話をしましたが、その感想。


目立つ
暑い
運転しづらい

慣れないせいか、不便ばかりでした。


目立つのは、クラクションを鳴らされたほどで、
まったく想像以上でした。自分でも無意識に
ヒジャブを被っている人を見ていたのかも


暑さは、首に巻くより頭から被る方がずっと暑く、
今年は3月下旬といえどもいつまでも暑いせいか、
「これが真夏だったら頭がボーっとしそう
と思いました。


さらに視界の左右が遮られるような気がして、
運転早々にスカーフを後ろにずらしました。


イラン人の友だちがヒジャブを取りたくても
なかなか取れなかった最大の理由は「自分」でした。


「もう20年以上必ず被って生きて来たのよ。
そう簡単には取れないものなのよ。」
「多分、私たちがスカートやジーンズを脱いで
出かけるようなものなんじゃない
と言って2人で大笑い。


「でも家の中や、女だけの場所では被らないから、
ヒジャブは本当によその男のためだけにあるのよ。
それって、おかしいと思わない?
彼女の口から予想外の発言が出ました。


「男はどんなカッコをしてもいいのよ。
短パンで脚を出してもいいし、水着で泳げるし。
女だけがどんなに暑くてもヒジャブを被って、
汗だくになったり暑さでボーっとなったり。
おかしいと思わない?どっちもムスリムなのよ。」


よっしゃ
私はうんうん話を聞きながら心の中でガッツポーズ


彼女がそこまで考えての決心なら、
もう2度と後戻りはないでしょう。


ヒジャブを被っていることが危険であってはいけなくても、
イスラム圏以外でこれほど目立つとなると、自衛も大事
しかし、そこは宗教なので誰も立ち入ることができず、
決めることができるのは本人のみ。


友人はムスリムとしての信心と誇りを変えないまま、
男性ができて女性ができないのはおかしい
というヒジャブのもうひとつの点からも取ることを選択し、
テロを境に完全に変わりました。
その勇気を称えたいと思います。


NZはテロの衝撃と哀しみからたくさんの事を学び、
Solidarity
(連帯)
Compassion
(同情)
Unity
(結束)

という言葉を耳にしない日はないほどでした。



そしてもちろん、
Love & Care



どんない辛い想いもいつかは時とともに薄らぐもの。
それとともに、一度はみんなで共有した
連帯や同情や結束や愛や気遣いを忘れないよう
勇気を持ってヒジャブを取った彼女を見るたびに、
「今の想い」を思い出そうと思います。


3月15日の暗黒の日から、犠牲者の冥福と平和への祈りをこめて
毎日事件の件を綴ってきましたが、いよいよここで完とします。
長い間、お付き合いありがとうございました






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