ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

手を握り見つめ合い

2019-03-16 | 経済・政治・社会
NZ史上最悪のテロが起きた暗黒の日から一夜が明けました。


買い物に行ったら、ボランティア先のチャリティーショップに
よく来るお客さんにばったり遭遇しました。


彼はアフリカ系の黒人で、身長が190センチ以上あります。
細身なのに、その身長だと服はXLかXXLになってしまい、
いつも「NZにはピッタリな服がない」とこぼしています。


さらに手足が非常に長いので、長袖が短かかったり、
ズボンがつんつるてんだったり、苦労しています。


そんな事情を知ってからよく声を掛け合うようになり、
「今日も何も見つからなかったよ~
「今日はラッキーで靴があった
(※サイズ30センチの靴の方が見つけるのが簡単かも)
と、必ず何かしら話していました。


黒人で背が高い彼は目立ち、駆け寄ると私に気づいて、
「よう
と、いつものうように明るく笑顔で言いました。


「ねぇ、あなたムスリム(イスラム教徒)でしょう?」
私の一言に顔がサッと曇り、驚きながらも、
「Yes, I am.」
(そうだよ)


「チャーチの事件・・・」
と言った瞬間、お互い涙目になり、気持ちが通じました。


「こんなこと絶対に許されないわ。
あんな風にこの世を去るなんて・・・」


野球のグローブのように大きな彼の手を握り、
涙を浮かべた大きな大きな目を見つめて、
「You're us.We're with you.」
(あなたたちも私たちも何ら変わらないのよ。
気持ちは一緒だから)
というのが精いっぱいでした。


ムスリムによっては女性の手を取ることも禁止されており、
そうでなければ肩でも抱き合って泣きたい気持ちでした。


彼は下唇をぐっと噛みしめて、
「人は死ぬときは死ぬ。生きたいと思っても死ぬんだ。
家に帰ろうとしても、帰る前に死んでしまうかもしれない。
どんなに安全運転をしていても、事故で死ぬかもしれない。
だからといって神を責めることはない。それが運命だから。
ムスリムはそういう風に考えるんだ。」


「私はムスリムじゃないけれど、考え方は同じだわ。
明日生きてるかどうかだってわからないから、
今日を精いっぱい生きようと思ってるわ。」


「まさにそうだよな
「まずは買い物を楽しまなきゃね
といって最後は笑顔で別れました。



昨晩のスーパーラグビーはケーンズvsチーフスの
ガチンコのローカルダービー
でも試合前は両チームで円陣を組んで黙祷。


オールブラックスのFBの写真のキャプションが、
ワンネーション、一致団結

(※写真はABsFBより)


全力で、本当に決勝戦のような緊張感で82分闘って
結果がコレってできすぎな一致団結度



チャーチも、NZもがんばろう







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