1週間ぶりに会ったイラン人の友だちは一回り小さく見えました。
私たちはテロがあった日、事件が起きる前に会っていました。
あの日は甲状腺と食べ物の関係の話で地味に盛り上がりました。
「誰かクライストチャーチに知っている人がいたの?」
「友だちが夫を亡くしたの。まだ小さい子がいるのよ。」
私たちは絶句したまま固く抱き合いました。
みな妻であり、母であり、立場は一緒。
宗教も人種も年齢も住む場所も超えて、
強く強く通じ合っていました。
彼女が一回り小さく見えたのは哀しみばかりでなく、
本当に一回り小さくなっていたからです![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_1.gif)
彼女は事件を機にヒジャブを取ることを決め、
私と会った日はまさにその最初の日でした。
取っただけで本当に小柄に見えたのです。
「取ったのね。」
「とうとうね。」
彼女は前々から取るかどうかで悩んでいました。
NZで育った娘たちからは取れ取れと言われ、
ご主人はどちらでもいいという容認派。
習慣を変えるかどうかは彼女次第でした。
事件が起きて、娘たちの取れ取れは本気になり、
なんとイラン本国の敬虔なイスラムの母上まで、
「お願いだから取って。」
と電話で懇願してきて、とうとう決めたそうです。
「ヒジャブのせいで、ママに何かあったら大変。」
「娘が狙われるかもと思ったら生きた気がしない。」
と娘と母親から口々に言われ、心が決まったそうです。
「どう?どう?まだ恥ずかしいのよ。」
「可愛いじゃない。ホントに可愛い。」
彼女のヒジャブなしの姿を見たことがなかったので、
本当にこんなに愛らしい人だったんだ、と思いました。
異教徒の私がとやかく言う立場にはありませんが、
「いつかは」という彼女の希望を知っていたので、
「おめでとう
」
と言って、私たちは再び固く抱き合いました。
「一度取ったら、もう被る気しないんじゃない?」
「そうね。いいヒジャブは人にあげちゃうわ。」
とまったく未練はなさそうでした。
彼女がヒジャブを取って見えたものは、
「自由」だったのでは?
自由の味は一時味わったら、
もう元には戻れないはず(笑)
「ヒジャブって暑いのね。私も被ってみて驚いたわ。」
「でしょう?夏はホントに大変なのよ~
」
神妙にはにかんでいた彼女にいつもの笑顔が戻り、
私たちの会話も徐々にいつものペースになりました。
(つづく)
息子に聞いて初めて知りましたが、先週の青空礼拝の時、
警護にあたった他の男性警察官も胸に赤いバラを![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/benibara.gif)
差していたんだとか。
でも彼女は女性でヒジャブを被っていたから
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/c9/eccc292a30506b7132af6a82209ba7d2.jpg)
(※写真はAP)
あの日のひとつのアイコンになったんでしょうね。
![](//overseas.blogmura.com/newzealand/img/newzealand80_15_lightblue_4.gif)
![](//lifestyle.blogmura.com/iju/img/iju80_15_purple_4.gif)
私たちはテロがあった日、事件が起きる前に会っていました。
あの日は甲状腺と食べ物の関係の話で地味に盛り上がりました。
「誰かクライストチャーチに知っている人がいたの?」
「友だちが夫を亡くしたの。まだ小さい子がいるのよ。」
私たちは絶句したまま固く抱き合いました。
みな妻であり、母であり、立場は一緒。
宗教も人種も年齢も住む場所も超えて、
強く強く通じ合っていました。
彼女が一回り小さく見えたのは哀しみばかりでなく、
本当に一回り小さくなっていたからです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_1.gif)
彼女は事件を機にヒジャブを取ることを決め、
私と会った日はまさにその最初の日でした。
取っただけで本当に小柄に見えたのです。
「取ったのね。」
「とうとうね。」
彼女は前々から取るかどうかで悩んでいました。
NZで育った娘たちからは取れ取れと言われ、
ご主人はどちらでもいいという容認派。
習慣を変えるかどうかは彼女次第でした。
事件が起きて、娘たちの取れ取れは本気になり、
なんとイラン本国の敬虔なイスラムの母上まで、
「お願いだから取って。」
と電話で懇願してきて、とうとう決めたそうです。
「ヒジャブのせいで、ママに何かあったら大変。」
「娘が狙われるかもと思ったら生きた気がしない。」
と娘と母親から口々に言われ、心が決まったそうです。
「どう?どう?まだ恥ずかしいのよ。」
「可愛いじゃない。ホントに可愛い。」
彼女のヒジャブなしの姿を見たことがなかったので、
本当にこんなに愛らしい人だったんだ、と思いました。
異教徒の私がとやかく言う立場にはありませんが、
「いつかは」という彼女の希望を知っていたので、
「おめでとう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_1.gif)
と言って、私たちは再び固く抱き合いました。
「一度取ったら、もう被る気しないんじゃない?」
「そうね。いいヒジャブは人にあげちゃうわ。」
とまったく未練はなさそうでした。
彼女がヒジャブを取って見えたものは、
「自由」だったのでは?
自由の味は一時味わったら、
もう元には戻れないはず(笑)
「ヒジャブって暑いのね。私も被ってみて驚いたわ。」
「でしょう?夏はホントに大変なのよ~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ase.gif)
神妙にはにかんでいた彼女にいつもの笑顔が戻り、
私たちの会話も徐々にいつものペースになりました。
(つづく)
息子に聞いて初めて知りましたが、先週の青空礼拝の時、
警護にあたった他の男性警察官も胸に赤いバラを
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/benibara.gif)
差していたんだとか。
でも彼女は女性でヒジャブを被っていたから
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/c9/eccc292a30506b7132af6a82209ba7d2.jpg)
(※写真はAP)
あの日のひとつのアイコンになったんでしょうね。
![](http://overseas.blogmura.com/newzealand/img/newzealand80_15_lightblue_4.gif)
![](http://lifestyle.blogmura.com/iju/img/iju80_15_purple_4.gif)