入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

遠い昔の記憶

2013年07月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 天気:晴れ、気温:24度C(正午)

 その話を読んだのは、確か小学校の教科書だったと思う。
 主人公の少年が夜半に目覚めたときのことだったのか、父親の書斎から漏れてくる光に誘われて、そっと隙間から中をのぞく。すると、父親が一心に本を読んでいる姿が目に入る。
  時折傍らに置いてあるグラスを口にしながら、父親は器用にナットクラッカーでナッツを割る。そして、それを口に入れながらも、殆ど本から目を離さない。
 後日少年は、父親の留守にそっと父の書斎に入る。初めて手にするナットクラッカーに胸をワクワクさせながら、少年も机の上に残されたナッツ類の一つを割ってみようとする。しかし、少年の力では父のようにそれができない。
 
 あらまし、それだけの内容だったように思う。にも拘らず、この話は時々印象深く甦る。
 現在の若い父親も、この主人公の父親がしたように、息子に何かを無言で語ることがあるのだろうか。
 また、その後主人公の少年は、人生で遭遇した幾多の困難や難題を冷静に、適切に処理して、いい人生を送っているのだろうか。
 
 ・・・他人ごとのように語っているが、こちらも取り返すことのできない人生の大方が過ぎつつある。1日に500CCのビール2本と、1合当たり2分30秒で燗した日本酒2本が定量である。が、まだウイスキーでなければ味わうことのできない酔いも覚えている。


 週末、千葉から来た二人組に、牧場内にある小入笠経由で頂上に至るコースを紹介する。その後、偶々富士見に下る検問所で係りの人と話していると、彼ら二人が下りてくるではないか。頂上で「仏平」へ下るべき道を誤ったらしい。二人を乗せて大阿原から、さらに釜無山登山道入り口まで入る。その後、大阿原、テイ沢、高座岩のコースを来て、大いに感動してくれた。「あそこで会えなかったら、イイ所はみんな見逃すところだった」と。
 ただし、牧場内のこのコース、通行には許可が要る。今日のように大型の囲い罠で鹿を捕獲した場合、銃による殺処分が行われるから不用意に入ると大変に危険。

            
           キャンプ場Aの草刈終える
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長閑なまき場にも、いろいろあります

2013年07月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 天気:晴れ、気温:22度C(正午)

 例年だと下から草刈隊が上がってくるのだが、今年は8月に入ってからになるということで、キャンプ場の草刈を一人で始める。
 小屋の布団干しや大清掃もそのとき、女性軍によって行われる。今年はそれで間に合いそうだが、さもなくんばそれもやらねばと考えていたら、問題牛が出る。
   

     
              

 鹿の捕獲については、故意に触れないようにしてきたが、現在も有害動物駆除は続けている。昨日のような大型の雄鹿だと、そのあとが大変。そもそもトラックに乗せるのも一人では容易ではない。偶々お師匠がキノコ採りに来ていたので手を借りる。
 遠くからでは気が付かなかったが、県の囲い罠にもようやく1頭小鹿が入っているのを、今日罠の点検と調整に行き確認する。6月7日の設置だから、1か月と半を要したことになる。移動可能の囲い罠は、かねてから試してみたかったが、改良の余地多いにあり。

               

 中野さんから牛と塩についての質問がある。牧舎にいるときは、いつでも自由に塩を舐めることができる牛も、ここではそうはいきません。大体、中1日から2日ぐらいで与えています。量は、これまでの経験です。牛は塩が欲しくなると、それをちゃんと態度で示します。
 塩を利用して、牧区の移動など牛の群れを動かします。ために、入牧して1か月ぐらいで呼べば来るように、塩を使い仕込みます。

 村田H子さん、山荘に来たときは、ここまで足を延ばしてください。規制の通り方ご存知でしょう?
 「海山」のお二人も良い夏を送っていますね。暑気払いやります。
 
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天の川や夏の大三角形を見においで

2013年07月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 天気:晴れ、気温:20度C

 本家「御所平峠」への行き方を問合せる内容の便りを受けたのを機会に、今回は高座岩までのコース案内を記して、ご質問へのお答えとします。

 牧場の南口(このすぐそばにキャンプ場や山小屋「農協ハウス」がある)、戸台方面
に下る小黒川林道を200メートルも行けば、右手に法華道の案内板があり、ここから
細い山道を10分も歩かないうちに御所平峠に着きます。
 さらに左に比較的平坦な気持ちの良い道を20分も行けば、高座岩が見えてきます。
ここから左手に急な坂道「北原新道」を10分も下れば、再び小黒川林道に出て、ここからテイ沢までは約5分位か。
 同じ道でも登りと下りでは印象が大分違いますから、この美しい快適な沢だけは是非体験してください。

 高座岩から北原新道に下りず、さらに10キロも行けば、甲斐駒ケ岳の眺めが素晴らしい鹿嶺高原です。

 ヤナギランが咲く


 昨夜の雨に洗われて、今夜も美しい星空が期待できそう。さて?サテ?
 星空撮影会の話もいくつか来ている。愉しみ。

 Nさん、テイ沢の良い写真撮れましたか。Oさんご一行、お出でくださりありがとうございました。

                 

  
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本日和牛3頭さまご入牧

2013年07月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 天気:晴れたり曇ったり、気温:18度C

 ようやく待ちに待った和牛が来る。たった3頭でも、貴重な牛。どうやら、1頭は、以前に来たことがあるよう。
 比較的扱いやすい牛のようで、トラックで第2牧区の途中まで運び、あとは1人で1頭づつ第1牧区まで引いて連れていく。
 しばらく3頭でいるも、午後また様子を見にゆくと、1頭だけ第1牧区の入口にいる。声をかけてやるとついてきて、ようやく仲間と合流する。いま1頭は遠く御所平の方で、乳牛の群れの中にいるのを確認する。

 先日は牛を見たいという子供連れの家族を二組、案内する。牛にも牧場の風景にも、大いに感動してくれた。良い思い出になってくれるといいのだが。
 普通、牧場へ行けばいつでも牛を見ることができると期待して無理ないし、おかしくない。だから、たまに「一体牛はどこにいるの」と聞かれる。一般の人に牧区のことや、放牧のやり方など知るわけがない。
 以前なら、一般道からも見ることができたし、時には牛が堂々と道路に出ていることもあったが、現在は残念ながらそれだけの頭数が来ない。
 チャンスがあれば、ということで勘弁してもらっているのが現状。

 これも昨日のことだが、テイ沢を通ってきたらしいカップルに声をかける。案内板を出した手前、感想も聞いておかねばという気持ちがある。静岡からの感じの良いご夫婦で、沢入から登り、入笠山頂、大阿原、テイ沢、高座岩のコースを来たと言う。喜んでくれた。今のところ、テイ沢の評判はすこぶる良い。
 このお二人のような登山者がもっともっと増えてほしい。そして、何度でも来てほしい。
 
 アレ、ところであなたはいつ来るのですか?
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御所平とその峠のことに触れて

2013年07月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
            御所平峠への登り口

 天気:曇り時々雨、気温:19度C

 牧場の西側の一部と、法華道の通る森の平坦な地域が昔から「御所平」と呼ばれ、現在も時々話題の端に上る。
 口碑によれば、遠く鎌倉幕府から室町幕府へと移り変わる14世紀、後醍醐天皇の皇子宗良親王が一時この場所に隠れ住んでいたことから、このような地名が付いたという。
 
 しかし、大鹿村に拠点を持っていた親王が、なぜこのような辺鄙な地に留まらねばならなかったか、その理由がはっきりしない。

 その一方、北条高時の遺児時行(幼名亀寿丸)が幕府滅亡後に、ここに逼塞していたという言い伝えもある。こちらの方が、もっともらしく聞こえはしまいか。いくら山の中とはいえ、かなりの家臣や身の回りを世話する者もいたろうから、どうしても人の目に付こう。そこで、宗良親王の名を騙ったのでは、という推理だが。

 高時の遺児が生きていると知れば、足利が赦すはずがない。事実、長男万寿丸はすでに亡き者にされている。宗良であれば、まだこのころなら尊氏は大目に見ると、時行の側は考えたのではなかろうか。その後中先代の乱へと続き、時行は短くも激動の生涯を生きることになる。

 本家「御所平峠」
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