2009年6月下旬写真。
マタタビ(木天蓼)。
山野に自生する、マタタビ科の蔓性落葉樹。
葉は先のとがった卵型で、縁には鋸歯があり、互生。
ネコが好むことで有名な木で、同属のキウイにも同じ反応を示すらしい。
初夏の開花期になると、枝先の若葉の表面が白くなり、遠くからでもよく目立つ。
花は下向きに咲き、白の5弁花。
雄花のみが咲く雄株と、雌花と両性花が咲く株があり、写真のものは雄株。
この近辺のものは全て雄株らしく、結実は確認できず。
実は細長いロケット型で、黄色に熟す。
未熟な実は塩漬けや果実酒にし、滋養強壮の効能がある。
ちなみに自分が飲んだことのあるマタタビ酒は、薬と思わなければ飲む気になれないようなお味。
また虫が寄生した実は虫こぶ状になり、これを蒸して中の虫を殺したあと乾燥させたものを、生薬の「木天蓼(もくてんしょう)」と呼ぶ。
やはり果実酒にしたり、煎じて利用し、冷え性や神経痛などに効能がある。
乾燥させた茎葉も同様の効能があるらしく、入浴剤としても利用される。
「マタタビ」の由来は、疲れた旅人がマタタビの実を口にすると、元気になってまた旅を続けられることから、というのが一説。
アイヌ語からの転訛という説も。
漢字は漢名だろう。
マタタビ科 アクティニディア(マタタビ)属
属名のActinidiaは、ギリシア語のaktis(放射線)が由来で、柱頭が放射状に並ぶことから。