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チョコレートコスモス

2011年10月31日 | その他植物











10月下旬写真。

 チョコレートコスモス。
英名・Chocolate Cosmos


メキシコ原産のキク科の半耐寒性多年草。
日本には大正時代に渡来した。

自生地ではすでに絶滅しており、栽培されているのは唯一個体からの栄養繁殖によるクローンか、園芸交配種という。
同一の遺伝子を持ち、自家結実性はないことから種をつけることはない。
繁殖は株分けや挿し木による。
耐寒性は低めで、原種タイプの寒冷地での戸外越冬は無理なもよう。

草丈は50センチ前後でダリア状の塊根を持ち、対生する葉は羽状に裂け、茎葉には微毛が生える。
春から秋、または秋に赤~暗赤色の頭花を咲かせる。(花色、開花時期は品種による)
花の形状はコスモスよりキバナコスモスに近く、キバナコスモスとの交配種も作出されている。

花芯に鼻を近づけるとほのかにチョコレートの香りがするというが、普通に顔を寄せただけでは全く分からない程度。
「チョコレートコスモス」の名は、チョコレートを思わせる花色と香りから。


 キク科 コスモス属
属名のCosmosは、ギリシア語のkosmos(飾り、美しい)が由来で花の美麗さから。



カマシア

2011年10月27日 | その他植物







5月下旬写真。

 カマシア。
別名・ヒナユリ(雛百合)
英名・Camas、Quamash、Indian hyacinth、Wild hyacinth


北アメリカ大陸西部原産のユリ科の耐寒性球根植物。
聞きなれない名前の花だが、今の時期なら秋植え球根としてホームセンターなどの店頭に普通に並んでいる。

草丈(花茎)は50~100センチほど、細長い根出葉を伸ばす。(上写真で先が丸い葉はおそらくスイセンで別)

4~5月ごろに花茎を伸ばし、総状に白~青色の星型の6弁花を咲かせる。
ひとつひとつの花はアガパンサスに似ており、散形花序に咲くアガパンサスの花序が縦に伸びたような印象。
夏には葉を枯らし休眠する。
あまり分球しないようだが、種でよく繁殖するとのこと。(自家結実性の有無は不明)

球根はネイティブアメリカンにとって重要な食料とされていたらしい。
でんぷん質で甘みがあるとのことで、ちょうど百合根のような感じなのかもしれない。
生では有毒なので注意。
また市販の球根は、食用を前提としていない農薬を使用している可能性があるので、食べないように。


 ユリ科 カマシア属
属名のCamassiaは、ネイティブアメリカンによる呼び名Kamasが由来。
英名の「Camas」も同様。



プレクトランサス’モナラベンダー’

2011年10月26日 | その他植物





10月中旬写真。

 プレクトランサス(プラクトランサス)’モナラベンダー’。
英名・Mona Lavender


南アフリカ原産のシソ科プレクトランサス属の園芸品種。
日本ではヤマハッカなどが仲間となる。

草丈は50センチ前後、光沢のある葉が対生し、茎・葉柄・葉裏は濃紫。
ラベンダーの地に濃色の斑を配する花は、環境さえ整えば周年開花する。

1990年代後半に作出された新しい品種で、花草姿ともに観賞価値は高い。
非耐寒性の常緑多年草だが、暖地では戸外越冬も可能な場合があるとのこと。
一年草として扱うにはまだ苗が高いようなので、挿し木で小苗をいくつか作って室内に取り込むといいかもしれない。


 シソ科 プレクトランサス(ヤマハッカ)属
属名のPlectranthusは、ギリシア語のplectron(距)とanthos(花)が由来で、花の形から。



風知草

2011年10月13日 | その他植物





10月上旬写真。

 フウチソウ(風知草)。
別名・ウラハグサ(裏葉草)


本州中部の太平洋側にのみ産する、イネ科の多年草。
一属一種の日本特産種。
「風知草」の名どおり風にそよぐさまは風情があり、古くから観賞用に栽培されてきた。
強健で耐寒性もあり、日なたから日陰、庭植え・鉢植えと広く適応する。

草丈は30~50センチほど、ススキのような細長い葉が互生し、秋には赤紫色の花序を出す。
原種は緑の葉だが、一般に流通しているのは黄色の斑入り種。
他に白斑、赤みがかった葉が入り混じる品種などが流通する。


葉をよく観察すると、表を向けているのはすべて、本来は葉裏にあたる側。
このことから標準和名は「裏葉草」。
「風知草」は通称で、カゼクサの異名でもある。


 イネ科 ウラハグサ属
属名のHakonechloaは、Hakone(箱根)とギリシア語のchloe(草)が由来で、箱根で多く見られることから。牧野富太郎による命名。



金木犀

2011年10月10日 | その他植物











10月上旬写真。

 キンモクセイ(金木犀)。


中国原産のモクセイ科の常緑樹。
日本には江戸時代に渡来し、古くから観賞用に栽培されてきたが、耐寒性が若干低いらしく寒冷地での植栽は非常にまれ。

根元近くからよく分枝して株立ち状になり、基本的に対生する葉は、光沢のある革質。
秋に葉腋から濃橙色の小花を多数咲かせ、あたりに強烈な香りを放つ。
雌雄異株だが日本に導入されたのは雄株のみで、結実はしない。

芳香で有名な花だが、実際に間近でかぐと悪臭と感じる人のほうが多いかもしれない。
白い花を咲かせる「ギンモクセイ(銀木犀)」のほうが香りが弱いぶん、上品な匂いであるらしい。
学名上、キンモクセイはギンモクセイの変種となる。

「金木犀」は、銀木犀に対して黄色い花をつける木犀。
「木犀」は犀(サイ)のように硬い樹皮の木の意で、漢名でモクセイ類の総称。
キンモクセイ自体の漢名は、「丹桂」「桂花」。
(某三国志モチーフゲームの荀の名はこれから採られたのだろう。猛烈な毒舌キャラで近寄らなければ芳しいということで、意図的な選択であればセンスが感じられる)


 モクセイ科 モクセイ属
属名のOsmanthusは、ギリシア語のosme(におい)とanthos(花)が由来で、香りの強い花を咲かせることから。
花言葉は「初恋」



風草

2011年10月07日 | その他植物







2011.9。


2009.7。

 カゼクサ(風草)。
別名・ミチシバ(道芝)


日あたりのいい道端や空き地などにごく普通に見られる、イネ科の多年草。
草丈は30~80センチほど、根出葉は細長い線形で、葉鞘の上端には白毛が生える。

夏から秋に、小穂が紫がかった繊細な花序を伸ばす。
この花序がわずかな風にも敏感に揺れることから「風草」。

よく似たニワホコリは草丈30センチ以下と小型で、小穂の形状が少し異なり、葉鞘は無毛。


 イネ科 スズメガヤ属
属名のEragrostisは、ギリシア神話の愛の神Erosとギリシア語のagrostis(草)が由来。



オキザリス・トリアングラリス

2011年10月06日 | その他植物
2008.10。


2008.10。








2011.9。

 オキザリス・トリアングラリス。
別名・オキザリス・レグネリー、紫の舞。
英名・False Shamrock、Purple Shamrock


ブラジル原産のカタバミ科の耐寒性球根植物。
雑草でおなじみのカタバミの仲間。
オキザリス属は800種にも及ぶ大家族で、数多くの観賞用品種が導入されている。

本種は草丈10~30センチほど、3小葉でひとつひとつの小葉がきれいな三角形をなしているのが特徴。
「紫の舞」の名前で流通する、葉が紫褐色の品種をもっとも見かけるが、緑葉種もある。
小葉は夜になると閉じる。

初夏から秋にかけて、白からピンクの5弁花を咲かせるが、葉と同様に開いているのは日中だけ。

カタバミの仲間だけあり強健だが、海外では室内で涼しく管理する鉢花として認識されている模様。


 カタバミ科 オキザリス(カタバミ)属
属名のOxalisは、ギリシア語のoxys(酸っぱい)が由来で、植物にシュウ酸を含み口にすると酸っぱいことから。
英名にある「Shamrock」は、クローバーなど三つ葉の植物を指す語。



犬芥子

2011年10月05日 | その他植物
2011.9。


2011.9。


2009.10。


2011.9。


2009.10。


2009.7。

 イヌガラシ(犬芥子)。


日本中のやや湿り気のある草むらなどで見かける、アブラナ科の多年草。
草丈は10~50センチほど、根出葉は羽状に裂け、茎に互生する葉には鋸歯がある。
春から秋まで、菜の花を小さくしたような黄色い十字型花を咲かせる。

近似種のスカシタゴボウは、実が短くて太く、葉はより深く切れ込む場合が多い。
他に近縁種がいくつかあり他種アブラナ科との交雑もあるようで、厳密な区別は無意味か。
(手持ちの図鑑でも、明らかにスカシタゴボウの特徴を持つ写真がイヌガラシとして掲載)

「犬芥子」は、カラシナ(芥子菜)に似るが食用とならず役に立たないことから。
実際には、若い茎葉をサラダにしたりおひたしにして食べることもある。


 アブラナ科 イヌガラシ属
属名のRorippaは、この仲間の植物のサクソン古名をラテン語化したもの。



オレガノ

2011年09月23日 | その他植物







8月中旬写真。

 オレガノ。
別名・ハナハッカ(花薄荷)、ワイルドマジョラム
英名・Oregano


地中海沿岸地方原産の、シソ科の多年草。
日本人には「名前くらいは……」程度の知名度だが、トマト料理によく合い、ピザやパスタなどイタリア料理には欠かせないハーブ。

草丈は30~80センチほど、全体に微毛が生え、卵形の葉が対生する。
初夏ごろから、白~ピンクの小花を咲かせる。

ハーブとして用いるのは、生の葉や乾燥葉。
黄金葉や斑入り葉の観賞用品種もある。
発達した苞葉を観賞する花オレガノ類は、ほとんど同じ仲間には見えない。


 シソ科 ハナハッカ属
属名のOriganumは、ギリシア語のoros(山)とganos(喜び)から。
花言葉は「自然の恵み」



薬師草

2011年09月22日 | その他植物









2009~2011年9月写真。

 ヤクシソウ(薬師草)。


山野の比較的暗い場所でよく見られる、キク科の越年草。
草丈は30~100センチほど、全体に柔弱な印象で、葉は互生で基部は強く茎を抱き、茎葉を傷つけると白い乳液を出す。
日あたりに生える個体は茎が赤みがかり、葉に赤褐色の斑点が浮く。

秋に、葉腋や枝先からハナニガナに似た黄花を、いくつかまとめて咲かせる。


10月末の実。

「薬師草」の由来は、かつて薬草として利用されていた、花の下の葉を薬師如来の光背に見立てた、などの説があるようだがはっきりしない。
一応今でも薬用や食用とすることもないわけではないようだが、普通は利用しない。


 キク科 オニタビラコ属
属名のYoungiaは、アメリカの植物学者Robert Armstrong Youngの名より。