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仙洞草

2009年05月14日 | その他植物



4月下旬写真。

セントウソウ(仙洞草)。
別名・オウレンダマシ(黄蓮騙し)、クサニンジン(草人参)。

山野の木陰に自生する、セリ科の多年草で、1属1種。
ニンジンのような葉を根生させ、春に極めて小さな白花を咲かせる。

「仙洞草」の由来は不明。
「黄蓮騙し」は、薬草として有名な、キンポウゲ科のオウレン(黄蓮)に草姿が似ていることから。
オウレンの実物は未見だが、写真を見た限りでは葉は確かによく似ているが、花はあまり似ておらず。


 セリ科 チャマエレ(セントウソウ)属
属名のChamaeleは、ギリシア語のchamai(小さい)から。

三葉空木

2009年05月14日 | その他植物





2008年&2009年5月前半写真。

ミツバウツギ(三葉空木)。

山野に普通に見られる、ミツバウツギ科の落葉低木。
5月頃、芳香を放つ白花を咲かせる。
個人的に、花の香りの中では珍しく、嫌みのない落ち着いた匂いと感じる。

名前通り、対生する葉は三つ葉で、ウツギ同様に枝が中空であるらしい。




2007年&2008年夏の写真。
Vサインのようなユニークな実を結び、左右の翼にひとつずつ種が入っている。

若芽はゆでて食用とするらしい。


 ミツバウツギ科 Staphylea(ミツバウツギ)属
ありふれた木のわりに、なにげに情報少なし。

三葉土栗

2009年05月13日 | その他植物





5月前半写真。

ミツバツチグリ(三葉土栗)。

山野の日当たりから日陰の草むらなどに生える、バラ科の多年草。
同属のキジムシロから遅れて咲き始める。
キジムシロとは自生地も開花時期もある程度重なり、花で見分けるのも無理だが、ミツバツチグリは名前通り小葉が三つ葉。
ヘビイチゴの仲間との区別は、ヘビイチゴのような葉形の副蕚片がなく、花後もイチゴ形の実はつけない。

「三葉土栗」は、同じ仲間で肥大した根が食用になるツチグリ(土栗)に似るが、ミツバツチグリの根は食べられず、三つ葉であることから。
そのツチグリについてはよく分からず。
西日本にのみ分布し、全体が白毛に覆われ、キジムシロのように羽状複葉になるらしい。
キノコのツチグリとは別。


 バラ科 ポテンティラ(キジムシロ)属

雉筵

2009年05月12日 | その他植物



4月中旬写真。

キジムシロ(雉筵)。

日当たりのいい草むらや土手に見られる、バラ科の多年草。
春の早いうちから黄色い花を咲かせる。
キンロバイと同属。

ヘビイチゴの類と区別が難しいが、ヘビイチゴやヤブヘビイチゴの花は、葉を小さくしたような形の副蕚片が目立つ。
またヘビイチゴタイプの草は、イチゴのような三つ葉が多いが、キジムシロは5~9枚の羽状複葉となる。
寒地の日本海側に自生するエチゴキジムシロは、小葉が5枚で固定らしい。
(追記。同じポテンティラ属のオヘビイチゴも5小葉となるらしい)

「雉筵」は、根生葉を地面に広げるさまを、雉が座る筵に見立てて。


 バラ科 ポテンティラ(キジムシロ)属
属名のPotentillaは、potens(強力な)が由来で、この仲間に強力な薬効を持つ種があることからという。

紫花菜

2009年05月11日 | その他植物



4月後半写真。

ムラサキハナナ(紫花菜)。
別名・ハナダイコン(花大根)、ショカツサイ(諸葛菜)、オオアラセイトウ。

中国原産の、アブラナ科の一年草。
春にダイコンのような紫の花を咲かせることから、「紫花菜」「花大根」。
また中国三国時代の諸葛孔明が、この植物を食料とするよう栽培を励行したことから、「諸葛菜」。
実際、若芽や花はサラダにして食べられるらしい。

同じアブラナ科のルナリアの花に極めてよく似ているが、ムラサキハナナの葉は無毛でより菜っぱらしい。
またムラサキハナナは茎も紫がかることが多い。


 アブラナ科 Orychophragmus(オオアラセイトウ)属
花言葉は「優秀」「知恵の泉」

花韮

2009年05月11日 | その他植物



4月後半写真。

ハナニラ(花韮)。
別名・セイヨウアマナ(西洋甘菜)、アイフェイオン、スプリングスターフラワー。

メキシコ~アルゼンチン原産で、日本には明治に渡来したユリ科の球根植物。
春に、白から青や紫がかった星形の花を咲かせる。
きれいな花だが、草全体に名前通りニラ臭があるという。(人の多い公園の植え込みで確認できず)

今でこそイフェイオン属にだいたい落ち着いているようだが、これまで様々な属を渡り歩き、ヒガンバナ科に分類されることすらある。

 ユリ科 イフェイオン(Ipheion)属
花言葉は「悲しみ」「卑劣」「うらみ」など。



このブログをはじめてあまり間がないころ、オルニソガルムをハナニラとして紹介したことがあったが(削除済み)、今回の記事のが本物のハナニラ。

2009年05月10日 | その他植物







新着写真。青紫の花のみ2008年5月写真。

フジ(藤)。
別名・シトウ(紫藤)。

山野に自生する蔓性の落葉樹。
5月頃、いい香りを放つ房状の花をたわわにつり下げる。
ひとつひとつの花は、典型的なマメ科の形。
藤棚に盆栽にと、古くから日本人に親しまれてきた花木で、またさまざまなジャンルの作品に登場する。

日本のフジはノタフジ/ノダフジ(野田藤)とヤマフジ(山藤)の2種類で、野田藤の蔓は右巻き、山藤は左巻きらしい。
一般に植栽されているものの大半は、野田藤らしい。


2008年8月の実の様子。
熟した莢の中には、碁石のような大きな豆が入っている。
種子を煎じたものは下剤になるらしい。

強靱な蔓は、かつて縄の代わりとされ、また様々な工芸に利用する。

「フジ」は「吹き散る」の転とのこと。
「藤」の漢字は、中国の藤の「紫藤」より。



 マメ科 ウィステリア(フジ)属
属名のWisteriaは、アメリカのペンシルバニア大学の解剖学教授C.Wstarの名より。
花言葉は「陶酔する恋」「至福のとき」「あなたを歓迎します」など。

5/9

2009年05月09日 | その他植物



年に一度、謎の研究施設の門戸が開かれる日が、今年もやってまいりました。


ひたすら黄、黄、黄。
思考停止を誘う黄色の洪水です。


研究施設たるもの、禁断の遺伝子実験に手を染めているものと相場が決まっています。
洗脳電波を出すように改良された菜の花に誘い込まれ、施設の奥へと彷徨いこんだ見学者たちは、この建物内でアブラナ怪人ナタネダーに改造されるのです。


実験に失敗した被験者や裏切り者の職員のなれの果て。
近隣住民の肉で肥育されたあと、研究者たちの食卓を賑わすことになります。


草むらに散らばるちり紙の残骸。
ここではいかなる惨劇が行なわれたのでしょうか。

……係員の不審げな目から、これ以上の深入りは危険と判断し脱出。


瘡の王

2009年05月08日 | その他植物



新着写真。

クサノオウ(瘡の王、草の王、草の黄)。
別名・ヒゼンクサ(皮癬草)。

日当たりのいい草むらなどに普通に見られる、ケシ科の1~多年草。
春に、大仰な名前に似つかわしくない黄色い4弁花を咲かせる。
蕾はケシ科らしく2枚の萼片で包まれており、開花とともに萼片は落ちてしまう。
茎葉は白い毛で覆われて、茎は中空で折ると黄色い汁が出る。

「クサノオウ」の「クサ」とは「瘡(かさ)」のことで皮膚病の総称。皮膚病に効く薬草として用いられてきたことからの命名らしい。
全草を乾燥させたものは生薬の白屈菜(はっくつさい)で、煎じ汁で湿疹を洗うといいらしい。
また生の汁をイボなどに塗布する。
ただし基本的には猛毒植物。
絶対に内服はしない。


 ケシ科 ケリドニウム(クサノオウ)属
属名のChelidoniumは、ギリシア語のchelidon(ツバメ)が由来で、ツバメがこの草の汁で雛鳥の目を洗って視力を高めるといわれていたことから。

崑崙草

2009年05月08日 | その他植物





新着写真。

コンロンソウ(崑崙草)。

山地の渓流沿いや川岸の草むらなどの半日陰に自生する、アブラナ科の多年草。
ちょうど菜の花が咲き始める頃、やはり菜の花を白くしたような花を咲かせる。

「崑崙草」は、白い花を中国の崑崙山脈に積もった雪に見立てたというのが一説。


 アブラナ科 カルダミネ(タネツケバナ)属
属名のCardamineは、タガラシの一種の花のギリシア名kardamonに由来するとのこと。
タネツケバナと同属。