医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

サウナに入る回数が多い人ほど死亡率が低い

2015-03-12 22:28:06 | 医療と介護
心血管死だけでなく総死亡も、フィンランドの前向きコホート研究が示
日経メディカル 2015年3月12日  大西淳子=医学ジャーナリスト
■JAMA Intern Med誌から
 サウナ入浴は血行力学的な機能を高めることが知られているが、心血管死亡や総死亡にもプラスの作用があるのだろうか──。
こんな疑問への答えとなる研究結果が、サウナ入浴が盛んなフィンランドからもたらされた。サウナ利用回数が週に1回の人と比べ、より頻繁にサウナを利用する人では、心臓突然死、致死的冠疾患、心血管死亡、総死亡のリスクが全て有意に低いことが、前向きコホート研究から明らかになったという。フィンランドEastern Finland大学のTanjaniina Laukkanen氏らが、JAMA Internal Medicine誌電子版へ2015年2月23日に報告した。

 著者らは、フィンランドの住民コホートを用いて、サウナ入浴の頻度や入浴時間と、心血管死亡や総死亡との関連を検討した。解析に用いたコホート研究「Finnish Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study」は、アテローム性心血管疾患リスクの予測因子の同定を目的に実施されたもの。このコホートから、フィンランドKuopio在住の42~60歳の男性で、定期的にサウナを利用していた2315人(平均年齢は53歳、BMIの平均は26.9、サウナ利用回数の平均は2.1回/週、1回あたりの利用時間の平均は14.2分)を抽出し、分析対象にした。

 フィンランドのサウナは乾式で、湿度は10~20%、浴室の温度は80~100度に設定される。湿度は、焼けた石の上に水をかけた時に一時的に上昇する。コホート登録時(ベースライン、1984年3月1日から1989年12月31日)の聞き取り調査で、対象者のうち601人が週に1回、1513人が週2~3回、201人が週4~7回サウナに入浴すると回答していた。

 2011年末までの追跡期間中(中央値20.7年)に、929人が死去。うち407人は致死的心血管疾患により死亡していた。190人は心臓突然死、281人は致死的冠疾患による死亡だった。

 週1回サウナ入浴していた群を基準に、喫煙歴や血圧、身体活動量、体格指数(BMI)など心血管疾患の危険因子で多変量調整して心臓突然死のハザード比を推定したところ、週2~3回群では0.78(95%信頼区間0.57-1.07)、週4~7回群は0.37(0.18-0.75)と、いずれも有意に低いことが判明(傾向性のP=0.005)。致死的冠疾患も同様で、ハザード比はそれぞれ0.77(0.60-0.99)、0.52(0.31-0.88)と、有意に低かった(傾向性のP=0.005)。

 他の心血管疾患も含めた心血管死亡のハザード比は、順に0.73(0.59-0.89)と0.50(0.33-0.77)となり、やはり有意に低いことが分かった(傾向性のP<0.001)。総死亡も0.76(0.66-0.88)と0.60(0.46-0.80)であり、リスクは有意に低下していた(傾向性のP<0.001)。

 次に著者らは、サウナ入浴時間についての解析を行った。サウナ入浴時間が11分以下の群を基準にすると、心臓突然死のハザード比は、入浴時間が11~19分の群で0.93(0.67-1.28)、19分超の群で0.48(0.31-0.75)となった(傾向性のP=0.002)。致死的冠疾患や、他の心血管疾患も含めた心血管死亡についても、入浴時間が長い群で死亡リスクの有意な低下が認められた。一方、総死亡については有意なリスク低下はみられなかった。

 著者らは、「頻繁なサウナ入浴は、心臓突然死、致死的冠疾患、心血管死亡、総死亡のリスク低下と関係していた」と総括。その上で「他の人種においてもサウナ入浴が心血管系の健康を向上させるかどうかについては、今後研究が必要だろう」と述べている。

※原題は「Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events」、概要は、JAMA Intern Med誌のWebサイトで閲覧できる。

ネット掲示板:「サイバー補導」

2015-03-12 22:24:21 | 社会問題・生活
439人 女子が96%

毎日新聞 2015年03月12日 

◇手法は「捜査員らが身分を隠してやり取り」
 警察庁は12日、2014年にインターネットの掲示板などで児童買春などの性犯罪被害につながる書き込みをしたとして、18歳未満の子供439人(前年比281人増)を補導したと発表した。ネットで書き込みを発見した捜査員らが身分を隠してやり取りする「サイバー補導」と呼ばれる手法で、書き込みがされていた大半は、不特定多数が交流できるコミュニティーサイトだった。同庁は「補導歴がない子供も多く、軽い気持ちで書き込んでいる可能性がある。取り組みを強化したい」としている。
 サイバー補導された子供のうち、女子が422人で全体の96%。439人の書き込みの内訳は、「性行為を誘ったりしていた」284人▽「下着売買を持ちかけていた」150人▽「その両方」5人。高校生が309人、中学生が45人、無職が72人−−などで、平均年齢は16.1歳だった。
 書き込みはコミュニティーサイトが97%で、内訳は掲示板321件▽ツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)107件−−などだった。補導された全体の6割に過去に補導された経験がなく、特に下着売買では7割近くが補導歴のない子供だった。
 サイバー補導がきっかけで、児童福祉法や条例違反などによる容疑者摘発に結び付いたのは127件(前年比92件増)。ただ、警察側からメールで接触を試みて返信があったものの、やり取りが中断されたり待ち合わせ場所に姿を見せなかったりして最終的に会えなかった件数は1万1051件に上った。
 サイバー補導は静岡県警が09年から始めたことをきっかけに導入された。全国の警察では13年4月からの試行を経て同年10月から実施されている。【長谷川豊】
 ◇少女たちの書き込み、夜間とは限らず…
 警察庁によると、サイバー補導の「出発点」となるネット上の書き込みを探す作業は、全国の警察本部などの少年捜査部門が担当している。
 「えんできる人待っています。3から」
 「えん」は児童買春につながる援助交際を指す言葉で、「3」は3万円を意味するという。恋愛感情抜きの割り切った気持ちで会うとして、「わりきりで会いたいです」といった書き込みや「お金ほしいな。待っています」という直接的な内容もある。こうした書き込みを見つけ次第、捜査員らが関心を装ったメールを送り、返信を待つ。

線虫:尿でがん識別…

2015-03-12 22:22:26 | 医療と介護
患者のにおい好み近寄る

毎日新聞 2015年03月12日 

 体長約1ミリの透明な動物「線虫」が、がん患者とそうでない人の尿のにおいを精度よく識別できたと、九州大などのチームが11日付の米科学誌プロスワンに発表した。検診法として実用化するには課題も多いが、識別には尿1滴で十分といい、安くて簡便な方法になりうるとして注目されそうだ。【大場あい】
◇九大など研究チーム発表
 治療の現場では「がん患者に特有のにおいがある」との声があり、呼気のにおいを調べる「がん探知犬」育成の試みもある。
 チームは、におい分子と結合するたんぱく質が犬とほぼ同数あり、飼育の簡単な線虫に着目。実験してみると、がん患者の尿のにおいを好んで近寄り、逆にがんではない人の尿は嫌って遠ざかることが分かった。健診で採取した242人の尿を使って調べると、がんと診断された24人のうち、線虫は23人の尿を選ぶことができた。
 まだ、サンプル数が少なく、がんの種類や進行度による線虫の反応の違いも分かっていないという課題はあるが、既に日立製作所などと実用化に向けた共同研究を開始した。広津崇亮(たかあき)九州大助教は「がんの種類も見分けられる仕組みを目指したい」としている。


臓器移植ネットに立ち入り検査 

2015-03-12 22:14:37 | 厚生労働省
 患者選定ミスで厚労省

日経新聞電子版 2015年3月10日 配信

 愛知県で今月実施された脳死に伴う腎臓移植の際に患者の選定ミスがあった問題で、厚生労働省は10日、臓器移植法に基づき、日本臓器移植ネットワーク(東京・港)へ立ち入り検査を実施した。同法に基づく移植ネットへの立ち入り検査は初めて。
 愛知県内の病院で実施された腎臓移植に際し、移植ネットの職員がコンピューターの操作を誤り、優先順位の低かった登録患者を選んだ。昨年11月に実施された脳死移植でも腎臓移植の患者選定でミスがあった。
 事態を重くみた厚労省は同ネットの臓器あっせん業務の手続きや患者選定のシステム、再発防止策などを検査する。
 塩崎恭久厚労相は同日午前の閣議後の記者会見で「短期間で2度起きることは憂慮すべきこと。(検査の)結果を踏まえて必要な措置を検討したい」と述べた。

不適切発言: 福井市議を厳重注意

2015-03-12 22:11:12 | 社会問題・生活
女子競輪「裸で走れば」集客効果 

毎日新聞 2015年03月11日 東京朝刊

 福井市営競輪場で8月に初めて開催予定の女子競輪「ガールズケイリン」について、9日の市議会経済企業委員会で委員長の堀江廣海(ひろみ)市議(72)が「集客効果はない。(選手が)裸で走れば別だけど」と発言。今村辰和(しんかず)市議会議長から10日、不適切な発言だとして口頭で厳重注意を受けた。
 市議会事務局などによると、堀江市議は午後の質疑再開の冒頭「おわびして発言を取り消させていただく」と謝罪した。僧侶でもある堀江市議は取材に「いち競輪ファンの立場から口が滑ってしまった」と話した。【村山豪】

臓器移植ネットに立ち入り検査

2015-03-12 22:07:34 | 医療と介護
 患者選定ミスで厚労省
日経新聞電子版 2015年3月10日 配信

 愛知県で今月実施された脳死に伴う腎臓移植の際に患者の選定ミスがあった問題で、厚生労働省は10日、臓器移植法に基づき、日本臓器移植ネットワーク(東京・港)へ立ち入り検査を実施した。同法に基づく移植ネットへの立ち入り検査は初めて。
 愛知県内の病院で実施された腎臓移植に際し、移植ネットの職員がコンピューターの操作を誤り、優先順位の低かった登録患者を選んだ。昨年11月に実施された脳死移植でも腎臓移植の患者選定でミスがあった。
 事態を重くみた厚労省は同ネットの臓器あっせん業務の手続きや患者選定のシステム、再発防止策などを検査する。
 塩崎恭久厚労相は同日午前の閣議後の記者会見で「短期間で2度起きることは憂慮すべきこと。(検査の)結果を踏まえて必要な措置を検討したい」と述べた。

昭和写真館「昭和毎日」 “東京大空襲 1945”

2015-03-12 22:03:34 | 社会問題・生活

毎日新聞社 2015年 3月 10日

東京大空襲 1945年3月10日
 1945年3月10日午前0時8分(米軍記録では同7分)、東京の下町上空に侵入した米軍B29爆撃機が、大量の焼夷弾による爆撃を開始。マリアナ諸島を発進したB29は300機を超え、それまでの「昼間高高度精密爆撃」から、「夜間低高度無差別爆撃」に作戦を変更し、高度約2000メートルから日本の家屋用に開発したM69焼夷弾でじゅうたん爆撃した。
 現在の墨田、江東、台東区などにあたる当時の本所、深川、城東、浅草の各区などで大火が発生した。2時間余りの爆撃で、死者は約10万人、負傷者約4万人、被災家屋約27万戸。米軍調査によると、焼失面積は41平方キロに上り、米軍機の損失は14機に過ぎなかった。
コメント
 民間人への無差別殺戮ですね。
 国際法に違反している、明らかな戦争犯罪ですね。
 未だに裁かれていない事に憤りを感じます。
投稿:wakon
2008年8月12日 (火) 15:05
第二次世界大戦、結果論いくら並べてもダメ
その時代では、皆必死だったのでは?? 世界大戦
になると、分かっていたら誰も戦争等しなかった!
世相と、その時代のモロモロのタイミングが悪かった!!
投稿:清水 渉
2008年8月12日 (火) 15:38
東條英機の手記を読み、改めて狂った判断だったことを感じた。国民の無気魂の表現と犠牲者を思い死んでも死にきれないの手記、誰がそうしたのかを、見つめないで、自分自身を神とでも思っていたのだろうか、この時代でもいまだに戦争が、行われている、そして死んで行くのは弱い国民で、指導者は名を残し、死んでも名誉を得る。地球が温暖化がすすみ人類がどう見つめ進むべきか考えるときに、未だに繰り返している現実、地球上で人間は一番愚かな動物なのかもしれない
投稿:おのかずき
2008年8月12日 (火) 15:44
私は6人兄弟の下から2番目です。1945年3月10日の東京大空襲で、長男と、四男だった私は母に背負われ、本所深川を逃げまわり、その時に3人の兄弟がばらばらになって行方不明となり、未だに不明です。ですから私の家のお墓には3人の遺骨がありません。20年位前にお墓を空けてそれぞれの骨壷を開けてみました。水が入っていましたが欠けた茶碗とスプーンが入っているだけでした。その3人の命日は8月15日と決め毎年お祈りをしています。戦後母が毎日新聞の尋ね人という欄を食い入るように見ていたのが印象に残っています。戦争はいやです。
投稿:井野 記男
2009年6月 3日 (水) 11:54
私は、1945年3月10日の東京大空襲で両親を奪われました。一人っ子の私は、8歳で戦争孤児となり親戚を転々としました。テレビが普及した頃の私は、東京大空襲の関連番組をしっかりと観ました。76歳になった今は、大空襲にかかわる番組をみていると情緒不安定になり、直視出来なくなりました。戦争の傷痕は生涯癒えぬものです。戦争は、絶対にやめて欲しいのです。しかし、安倍首相は、国際協力という名のもとに、憲法9条を変えて戦争への道を再び進もうとしています。憲法9条は、私の体験から、世界に誇る崇高なものです。憲法9条をまもるために力を尽くしたいと思っています。
投稿:田中武夫
2013年3月10日 (日) 10:46
>国際法に違反している、明らかな戦争犯罪ですね
この事を知っている日本人は少ないような気がします。戦時の軍国主義を支持するつもりはないけれど、アメリカって結構卑怯なこともする国だと頭の片隅にでも入れておく必要があると思います。戦争をしてまで守りたいものは何だったのか、日本人とは何なのか。東京大空襲から立ち直った日本、3.11からも立ち直ると信じています。
投稿:今日はオレンジ
2013年3月10日 (日) 12:24
 この記事に関心を持ったならドレスデンでの空襲についても調べてみるといいでしょう。
 連合軍による似たタイプの無差別爆撃です。
投稿:匿名
2015年3月 7日 (土) 10:32
命を落としたひとたち傷ついた人たちの冥福を
お祈り申し上げます
投稿:杉野
2015年3月 7日 (土) 11:57
民間人への無差別殺戮で、明確な国際法違反。
このような戦争犯罪が裁かれず、放置されている。
腹立たしいかぎりである。
東京裁判は、敗戦国の罪だけを裁き、罪状も疑問の多いアンフェアなものである。
アメリカの占領政策により、日本だけが罪を犯したとの歴史観が定着していることを残念に思う。
投稿:伊藤政和
2015年3月 7日 (土) 12:27
無差別爆撃は当然国際法違反です。日本とて、中国への渡洋爆撃で重慶などに無差別攻撃をしてます。戦争ともなれば国際法などあっても厳守されないと言えるのではないでしょうか? 現代の戦争でも、国際法で保護されなければならない戦時捕虜を人質としたり、あるいは、虐待したり、ピンポイント爆撃でも、誤爆による民間人が犠牲になっており、その責任者の指揮官は軽い処分で事なきを得てます。これが戦争なのだと思います。米国とて、先の大戦での日本無差別爆撃では、日本人は総ての国民、小学生から婦人に至るまで、竹やりを持ち、毎日、軍事教練を行っている戦闘員である。日本の工場は家内工場も多く、民間の家屋で戦闘機の部品の内職が行われていた。軍需工場とみなし、爆撃したとの大義がある。双方に言い分があり、勝者が敗者を裁く、それが戦争であると思います。戦争はあってはならない、しかし、知識をもった、人類が、戦争を繰り返す。永遠になくならない。人類が滅ぶまで、なくならない。終わりのないテーマなのでしょう
投稿:閑職親父
2015年3月 7日 (土) 13:20

東京大空襲から70年

2015-03-12 22:01:25 | 医療と介護
(天声人語)

朝日新 2015年3月10日

 厚みが4センチを超す一冊は、ずっしり重い。空から焼き尽くされた首都。その惨状をつぶさに収めた『決定版 東京空襲写真集』(勉誠出版)は、ページを繰るごとに胸が痛む。母親と赤ん坊が、炭化した塊となって重なり合うむごい写真もある。

▼思い出すのは、かつて小欄に引いた詩の一節だ。〈骨と肉とはコークスとなり、かたくくっついて引離(ひきはな)せない。ああ、やさしい母の心は、永久に灰にはできないのだ〉。しかしこれは東京ではない。

▼日本にもなじみ深い中国の文人、郭沫若(かくまつじゃく)が重慶の惨事を言葉にとどめた(上原淳道訳)。日本軍が空爆を繰り返した都市である。だから日本の空襲被害は仕方ないと言うのでは、無論ない。無差別爆撃という蛮行が、第2次大戦で大手を振った。

▼来日中のメルケル首相の国、ドイツも米英軍の爆撃を浴びた。手もとの本によれば、全土の死者は計60万人ともいわれ、うち約7万人は子どもだったとの数字もある。

▼日本と同様に、降伏が濃厚だった国への執拗(しつよう)な空爆だった。中でもドレスデンの被害は甚大で、重なる遺体の写真は痛ましい。ドイツもまた無差別爆撃を行っている。そうした非人道の行きつく先に、広島と長崎の原爆があった。

▼一夜にして約10万の命が奪われた東京大空襲から、きょうで70年。非業の死をとげた犠牲者を追悼したい。そして東京だけでなく、全国、世界で起きた空襲の惨禍を呼び覚まし、将来へつなぐ日として3月10日をとらえたい。炎の記憶を絶やさないために。

自死予防の団体を設立

2015-03-12 21:59:14 | 医療と介護
 宮城県の僧侶や医師ら

河北新報  2015年3月9日(月) 配信
 自ら死を選ぶ人を減らそうと、宮城県のカウンセラーや僧侶、牧師、中小企業診断士らが共同で、自死予防の有志団体「みやぎの萩ネットワーク」を設ける。相談者の悩みにさまざまな観点から同時に取り組み、早期解決を目指すのが特徴。民間主導での幅広い連携組織は全国的に珍しい。14日に仙台市内で設立総会を開く。
 メンバーは約30人で、医師や社会福祉士、税理士らも加わる。総会後、ホームページやパンフレットで連絡先を公表する。
 悩みを持つ人から電話やメールで相談を受けたメンバーは、心理や宗教、経済、法律などそれぞれ専門分野を持つメンバー全員と電子メールなどを通じて情報を共有。課題解決に向けて最も適任のメンバーが相談者に助言するなどして支援する。遺族支援も行う予定だ。
 呼び掛け人代表を務める全国自死遺族連絡会代表の田中幸子さん(65)は「自死の要因は複合的で、一つが解決しても悩みはなくならない。多くの分野の専門家の協力を得て、相談者の環境を早く具体的に改善するようにしたい」と話す。
 設立総会は14日午後2時から、仙台市青葉区一番町の仙台弁護士会館で開かれる。ネットワークを活用した解決モデルを寸劇で分かりやすく伝える。参加無料。連絡先は土井法律事務所022(212)3773。

古い閉鎖体制、命守れず 

2015-03-12 21:57:09 | 医療と介護
生きなかった10年前の教訓 「群馬大病院の患者死亡問題」

共同通信社 2015年3月9日(月) 配信

 治療チームが批判や意見を受けず、閉鎖的体制を続けたことが背景にあった―。群馬大病院で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者8人が死亡した問題で、病院の調査委員会がまとめた最終報告はこう言及した。同病院は約10年前の医療事故でも古い体制を変えるよう提言されたが、改善されないまま、相次ぐ死を防げなかった。厚生労働省は9日に病院長を聴取して体質をただす。
 ▽手柄優先?
 「死亡1例目で執刀医からの報告や改善がされていれば、その後の患者は死ななくて済んだ」。6日、患者2人の遺族の依頼を受けた弁護団が記者会見し、病院のずさんな管理体制を批判した。
 調査委の報告によると、第2外科では2010年12月に腹腔鏡による肝切除手術を導入後、1年未満に患者4人が死亡していた。しかし内部で歯止めがかからなかった。死亡例を振り返って検証や反省をせず、術前の必要な検査も行われないまま、新たな手術法は積極的に推進され続けた。
 「信じられないような症例をやっている」。報告を見た外科医の一人は驚く。高度な技術が必要で、開腹手術が妥当とされる「肝門部胆管がん」を腹腔鏡で手術し、患者は感染症を合併、約3カ月後に亡くなった。
 「外科医は『自分ならできる。症例数を増やしたい』と思うもの。しかし、患者が亡くなることが1例あれば、何とかしなければと考えるはずだ。手柄を優先してしまったのか」と推測する。
 ▽ナンバー制
 群馬大病院には第1、第2と分かれた外科があり、消化器や呼吸器など重複する臓器を両方で診ている。問題の手術をした第2外科の「肝胆膵(すい)外科チーム」の医師は2人きり。第1外科にも肝臓専門の医師はいるが、人材は分散され、ノウハウは共有されなかった。
 同病院のナンバー制診療科の問題が指摘されたのは初めてではない。05年11月、第1外科で生体肝移植手術の提供者となった女性が下半身不随になる事故が発生。第1と第2の別々のチームで移植をしている特異な体制が問題視され、検証委員会は「再構築を」と求めた。だが外科全体の体制見直しにはつながらなかった。
 かつて大学にはナンバー制外科が存在したが、専門が細かく分かれていく中で、科をまとめて臓器ごとのグループを置く再編が十数年前から全国で進んでいた。
 肝臓を専門とする門田守人(もんでん・もりと)・がん研究会有明病院長は「時代に合わない体制がそのままになっていた。生体肝移植の問題が起きたときに解消することもできたはずだ」と指摘する。
 ▽繰り返さないで
 群馬大病院は4月から第1、第2外科を「外科診療センター」に統合し、センター長が一元統括するなど改善策をようやく打ち出した。同病院は高度医療を提供する特定機能病院の承認を受けており、厚労省は承認を取り消すかどうか、社会保障審議会医療分科会で審議している。
 2月にあった非公開の会合では委員から、相次ぐ死亡例を把握できなかった組織体制などに厳しい意見が出たという。9日には野島美久(のじま・よしひさ)病院長を呼び、事情を聴く。
 弁護団も「悪質な過誤だ」として真相を独自に調査中だ。ある遺族は弁護団を通じてこうコメントした。「この家族の悲しみを繰り返したくない。同じような犠牲者が出ないようにしてほしい」

群馬大手術死、告訴を検討 

2015-03-12 21:55:28 | 医療と介護
腹腔鏡「悪質な医療過誤」 患者遺族の弁護団会見

共同通信社 2015年3月9日(月) 配信

 群馬大病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題で、うち2遺族の依頼を受けた被害対策弁護団が6日、前橋市内で記者会見し「医師の刑事、行政処分も考慮すべき重大かつ悪質な医療過誤で、病院の最終報告は不十分」と不満を表明した。遺族と弁護団は医師の告訴や告発を今後検討するとしている。時期などは現時点では未定という。
 弁護団によると、依頼したのは80代の男性患者と70代の女性患者の遺族。執刀医は手術前、女性患者と家族に「すごく簡単な手術だから大丈夫」と説明、同意書には「腹腔鏡手術」という記載はなかった。女性は術後約1カ月で死亡。女性の遺族は弁護団を通じ「先生を信頼して命を預けた。同じような犠牲者が出ないようにしてほしい」とコメントした。
 8人の手術は第2外科の同一医師が執刀。弁護団は、執刀医が術前に必要な検査をしなかったのは「違法性が極めて高い行為」とした。カルテへの診療記録の記入もほとんどなく「医師法違反や業務上過失致死罪も考えられる」と指摘した。
 開腹手術後に死亡した患者1人の病気が当初の診断の胆管細胞がんではなく、良性のできものと判明したのに、執刀医が生命保険の診断書にがんと記載したのは「虚偽有印公文書作成罪に該当しうる」と述べた。
 弁護団は開示されたカルテなどから独自の調査を進めており、手術を録画した映像を外部の専門医に見せたところ、止血やはく離の操作に問題があり「(執刀医の)手技はかなり稚拙」との評価だったという。
 弁護団長の安東宏三弁護士は3日に病院が公表した最終報告について「なぜ2例目以降も死亡が続くのを止められなかったのか、執刀医の判断過程が明らかにされていない」と述べ、医師や診療科長へのさらなる聞き取り調査を求めた。
 病院は「会見内容を精査していないのでコメントできない」とした。


拘束介護問題、虐待は計95人に

2015-03-12 21:53:15 | 医療と介護
 東京・北区が認定

朝日新聞  2015年3月9日(月 )配信

 東京都北区の高齢者用マンション3棟で入居者が「拘束介護」されていた問題で、北区は6日、新たに入居者75人に対する身体拘束が虐待にあたると認定したと発表した。区が昨年11月時点の入居者159人に対する拘束の状況を調べた結果で、虐待を受けたと認定された入居者はこれで計95人になった。
 北区は2月17日、20人に対する介護ヘルパーらの身体拘束が常態化していたとして、高齢者虐待防止法に基づき虐待と認定。その後もほかの入居者について調査を続けていた。95人のほかに、65歳以下の入居者1人への拘束も確認したが、同法の対象外になるため、障害者虐待防止法に基づく虐待にあたるかどうかを調べている。
 北区は、入居者に介護サービスを提供している事業所を運営する医療法人「岩江クリニック」に、改善策の提出を求めている。

社会保障の効率化の要望 

2015-03-12 21:50:55 | 医療と介護
衆院予算委の公聴会

共同通信社  2015年3月9日(月 )配信

 衆院予算委員会は9日午前、2015年度予算案に関する公聴会を開いた。有識者からは社会保障の効率化など財政再建や地方分権改革に関する要望が出た。
 鈴木準(すずき・ひとし)大和総研主席研究員は、15年度予算案で基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する見通しだが「財政の持続性が確保されたとは言いにくい状況だ」と強調した。高齢化で医療や介護といった社会保障費が膨らむため「社会保障全体をデザインし直す必要がある」と述べた。
 成長志向の経済政策に関しては「課題もあるが、正しい」と支持した上で「企業の設備投資の動きが経済の好循環の強化においてポイントになる」と述べた。
 原英史(はら・えいじ)政策工房社長は地方分権改革を「成長戦略の重要な柱の一つ」と訴えた。「地方自治体の行政機能を高めることが必須となる」と述べ、自治体側の取り組みに応じて国から権限や財源を移譲すべきだとの見解を示した。

規制改革会議、医薬分業の見直し

2015-03-12 21:49:51 | 医療と介護
「病院に薬局」検討…厚労省反発か

読売新聞  2015年3月9日(月) 配信

 政府の規制改革会議は、病院などの医療機関の敷地内に薬局を置くことを認めていない「医薬分業」の見直しを検討する。
 医療機関で受診後、薬局まで移動しなければならない不便さを解消しようというものだ。規制を緩和し、独立した経営の薬局を病院内に設置することを認める案などが浮上しているが、医薬分業を推し進めてきた厚生労働省は反発するとみられる。12日の会議で議論が始まる。
 厚労省は、薬の過剰投与などを防ぐため、医療機関の窓口で薬を受け取る「院内処方」より、医師の処方箋を受けて薬局の薬剤師が調剤する「院外処方」を推進してきた。1974年には院外処方に大幅に診療報酬がつくよう改定。省令で、薬局が「医療機関と一体的な構造や経営」となることも禁じている。経営的に従属してしまうと、薬剤師が医師の処方箋や過剰投与などに疑問を呈したりすることができなくなるためだ。構造的な規制として、病院と薬局間のフェンス設置なども定めている。

規制改革会議、医薬分業の見直し

2015-03-12 21:48:52 | 医療と介護
「病院に薬局」検討…厚労省反発か

読売新聞  2015年3月9日(月) 配信

 政府の規制改革会議は、病院などの医療機関の敷地内に薬局を置くことを認めていない「医薬分業」の見直しを検討する。
 医療機関で受診後、薬局まで移動しなければならない不便さを解消しようというものだ。規制を緩和し、独立した経営の薬局を病院内に設置することを認める案などが浮上しているが、医薬分業を推し進めてきた厚生労働省は反発するとみられる。12日の会議で議論が始まる。
 厚労省は、薬の過剰投与などを防ぐため、医療機関の窓口で薬を受け取る「院内処方」より、医師の処方箋を受けて薬局の薬剤師が調剤する「院外処方」を推進してきた。1974年には院外処方に大幅に診療報酬がつくよう改定。省令で、薬局が「医療機関と一体的な構造や経営」となることも禁じている。経営的に従属してしまうと、薬剤師が医師の処方箋や過剰投与などに疑問を呈したりすることができなくなるためだ。構造的な規制として、病院と薬局間のフェンス設置なども定めている。