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線虫:尿でがん識別…

2015-03-12 22:22:26 | 医療と介護
患者のにおい好み近寄る

毎日新聞 2015年03月12日 

 体長約1ミリの透明な動物「線虫」が、がん患者とそうでない人の尿のにおいを精度よく識別できたと、九州大などのチームが11日付の米科学誌プロスワンに発表した。検診法として実用化するには課題も多いが、識別には尿1滴で十分といい、安くて簡便な方法になりうるとして注目されそうだ。【大場あい】
◇九大など研究チーム発表
 治療の現場では「がん患者に特有のにおいがある」との声があり、呼気のにおいを調べる「がん探知犬」育成の試みもある。
 チームは、におい分子と結合するたんぱく質が犬とほぼ同数あり、飼育の簡単な線虫に着目。実験してみると、がん患者の尿のにおいを好んで近寄り、逆にがんではない人の尿は嫌って遠ざかることが分かった。健診で採取した242人の尿を使って調べると、がんと診断された24人のうち、線虫は23人の尿を選ぶことができた。
 まだ、サンプル数が少なく、がんの種類や進行度による線虫の反応の違いも分かっていないという課題はあるが、既に日立製作所などと実用化に向けた共同研究を開始した。広津崇亮(たかあき)九州大助教は「がんの種類も見分けられる仕組みを目指したい」としている。



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