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群馬大手術死、告訴を検討 

2015-03-12 21:55:28 | 医療と介護
腹腔鏡「悪質な医療過誤」 患者遺族の弁護団会見

共同通信社 2015年3月9日(月) 配信

 群馬大病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題で、うち2遺族の依頼を受けた被害対策弁護団が6日、前橋市内で記者会見し「医師の刑事、行政処分も考慮すべき重大かつ悪質な医療過誤で、病院の最終報告は不十分」と不満を表明した。遺族と弁護団は医師の告訴や告発を今後検討するとしている。時期などは現時点では未定という。
 弁護団によると、依頼したのは80代の男性患者と70代の女性患者の遺族。執刀医は手術前、女性患者と家族に「すごく簡単な手術だから大丈夫」と説明、同意書には「腹腔鏡手術」という記載はなかった。女性は術後約1カ月で死亡。女性の遺族は弁護団を通じ「先生を信頼して命を預けた。同じような犠牲者が出ないようにしてほしい」とコメントした。
 8人の手術は第2外科の同一医師が執刀。弁護団は、執刀医が術前に必要な検査をしなかったのは「違法性が極めて高い行為」とした。カルテへの診療記録の記入もほとんどなく「医師法違反や業務上過失致死罪も考えられる」と指摘した。
 開腹手術後に死亡した患者1人の病気が当初の診断の胆管細胞がんではなく、良性のできものと判明したのに、執刀医が生命保険の診断書にがんと記載したのは「虚偽有印公文書作成罪に該当しうる」と述べた。
 弁護団は開示されたカルテなどから独自の調査を進めており、手術を録画した映像を外部の専門医に見せたところ、止血やはく離の操作に問題があり「(執刀医の)手技はかなり稚拙」との評価だったという。
 弁護団長の安東宏三弁護士は3日に病院が公表した最終報告について「なぜ2例目以降も死亡が続くのを止められなかったのか、執刀医の判断過程が明らかにされていない」と述べ、医師や診療科長へのさらなる聞き取り調査を求めた。
 病院は「会見内容を精査していないのでコメントできない」とした。


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