♪ もういくつねると お正月 お正月には凧あげて こまをまわして 遊びましょう・・・{お正月・ 東くめ作詞、滝廉太郎作曲=明治34年『幼稚園唱歌』} 凧揚げは冬の子供の遊びだった。「電線のあるところではたこあげはやめましょう」と注意を促すポスターが銭湯の脱衣場に貼られていたものだ。ここ数十年凧揚げをする子供を見ない。大勢、はっぴを着た大人が威勢よく、その地域、伝統の大凧揚げする風景をテレビで見る程度だ。凧を買おうとしても駄菓子屋がなくなって凧を売っている店がない。奴凧は揚げるのが簡単で高く揚がった。今は大人がハングライダーなるものに乗って『凧』になって山から飛び降りて遊んでいる。これに飽き足らない輩がモーターパラグライダーで飛んで遊ぶ。プロペラ付きエンジンを背負って飛ぶ仕組みだ。山など高所に登らなくても近くの田んぼなど空き地から飛び立てるから楽で結構な遊び道具だ。自由自在大空を飛べるから凧より鳥になった気分だろう。これがアッチコッチで高圧線に引っ掛り、宙釣りになって消防、警察、電力会社などに大迷惑を掛けている。10日滋賀県で還暦近い59歳の男が高圧線の上に張り渡されている『架空地線』(避雷線、高さ約25m)に宙吊りになった。この線の4m下には27万5000ボルトの高圧送電線がある。救出するには先ず高圧送電線の電気を止めなければならないが、ただ止めれば大規模な停電騒ぎを起こす。これを防ぐ方策をして送電をストップ。消防がはしご車を使って、3時間半後に男を救助した。このモーターパラグライダーは操縦免許など要らないそうだ。まだこれで遊んでいる手合いが少ないから事故が少ないが、多くなると当然事故も多くなる。エンジンを担いで空を自由に飛べる道具が自転車並みに免許不要とはノンキ過ぎないか。宙吊り男はグライダー暦8年、離陸後20分で送電線に引っ掛ったそうだ。神社の木に気をとられていたら、目前に高圧線があったので避け切れなかったと男は述べている。高度を上げれば済む話だろう。関係機関に大迷惑を掛ける。子供の凧揚げより余程性質(たち)が悪い。写真は諺で入浴時間の短いことを例えて言う『カラスの行水』