★桃源深更深★~paradise into deep~

路は桃源に入りて深くして更に深し♪

蜉蝣峠を観劇する。

2009-05-02 00:59:43 | お芝居
堤さんのあの着流し姿はもう一体何だ!色っぺすぎだ!!(*′∀`*)

『蜉蝣峠』2009.5.1.@梅田芸術劇場

観て参りますたよー。PUNKするいのうえ歌舞伎。
くっだらない笑いがそれはもうふんだんに散りばめられてるのに、
終わってみれば、何とも言えないもの哀しさの残る物語ですた。

最初シャモの着ぐるみが出てきた時は一体こりゃ何事かと、
さらにそのシャモが堤さんやと気づいた時はいよいよどうした事かと、
ヘラヘラ笑いながらも、一抹の不安を覚えたんですがー。(・∀・)
物語が進むにつれ、何か得体の知れない「闇」がヒタヒタジワジワと迫ってきて。
あのギリッギリまで笑いを提示しておいて、突然シリアスに突き落とす!みたいな落差の激しさ?
緩急の付け方が、いかにもくんくらしいなぁと思いますた。

まぁはっきり言うて、後味の悪いお話ですけど。
カゲロウのようにはかなく、ゆらゆらと実体のつかめない人生を長らく送ってきた闇太郎が、
ようやくお泪の記憶の中に「自分」とおぼしきものを見出すことができて。
その見つけた「自分」を何とか奪われまいと必死に(それが恐らく本当の「自分」ではないと
分かった後もなお)闘い続ける健気な姿に、かなり心打たれるものがありますた…★

過去の自分の所業を忘れて幸せになろうなんて、都合のいい考えやったのかもしれませんが。
そこに至るまでに、闇太郎自身もたいがいひどい目に遭ってますからね。
本人のヒトトナリとは関係ないところで、罪を犯さざるをえないところにまで追い込まれてね。
なんかそのへんうまいことチャラにならへんかったんかなーってね。・・・ならへんか。あーぁ。
因果な生き物ですよね人間って。

人が自分と言う人間を認識する上で、記憶って重要なんやなって言うのも考えますた。
ただそこに在るだけじゃあ、自分がナニモノなのか把握できないんですよねぇ。
他人や自分の中に残された自分に関する記憶でもって、今自分はどうあるべきかを判断してるとこがあるなぁと。
でも人って一貫性があるようでないような生き物なので、優しい時もあれば意地悪な時もあるし、
ずるいこともすれば勇敢なこともするじゃあないですか。
長い人生の中、切り取る時間によって色んな顔を持ってる訳で。
闇太郎の場合、断片的に残った自分に関する記憶があまりに正反対の性質を持つものやった為に、
どうにも自我を保つことができなくって、あんな不幸な終わりを迎えるしかなかったんかなぁと。
普通に生きてたって自分の人間性なんかよう説明しきらんのに、あんな僅かな手がかりでもって
生きてかなあかんかった闇太郎の不安たるや、いかばかりかしら。。。(´-ω-`)

とそんな人間のアイデンティティーの在りかを巡るお話をメインにしつつ、親子・兄弟・夫婦といった
のっぴきならない人間関係のもつれなんかが描きこまれてて、面白かったんですが。
(お寸さんとサルキジの関係とか、色々複雑な心理も働いてる感じで興味深かった☆)

観ててちょっと弱いなと思ったのが、銀ちゃん=お菓子とサルキジの関係かなぁ。
最後、なんでお菓子がサルキジを殺さなあかんかったのかが、掴みきれへんだ。
二人の間にあそこまで追い詰められるほどの深淵があったようには思えへんくてさ。
原因が闇太郎の存在にあったのか性の問題にあったのかはたまた全然別の問題やったのか、
いずれにせよもうちょい突っ込んで描いてほすぃかった気がします。
だってあんなかわゆいかぽぅがあんな哀しい終わりを迎えるなんてさぁ。。。
やっぱそれなりに抜き差しならない理由でもないと!ねぇ?(´・ω・`)

あ、あとも一つ突っ込んで描いてほしかったなぁと思うのが、天晴とお泪の関係かしら。
どうも天晴はお泪ちゃんをほんまに好いてるっぽいってニュアンスはあったように思ったんやけど、
どうせならもうちょっとその辺を具体的に示してもろて、軽く闇太郎と三角関係的な感じに
してもろたら、色っぽくて良かったのになぁ☆なんて。(・∀・)
まぁ堤さんが女の人口説いてるとこ観たかったって、単なる個人的希望なんですけどに。
・・・いやでも天晴が本気出してたら、闇太郎危うかった??(´`lll)

とかそんな感じで、久しぶりにくんく作品で小難しいこと色々考えちゃったりもしたんですがー。
基本的にはほぼずーっと笑ってますたね。(・∀・)
ののてぃ的にいっちゃんウケたのはやっぱ、リサイタルコーナーでせうか☆
新太兄やんがミラーボールのきらめく中唄う「かげろふ」、絶品ですた☆☆
よくもまぁあんなお下品な歌詞(もちろんくんく作詞)をあんな情緒たっぷりに歌い上げるもんだ!
あ、じゅんさん率いる任侠版ぱふゅーむによる「YAKUZA IN HEAVEN」もサイコーですたお☆(≧▽≦)

●闇太郎=新太兄やん。
くんくは兄やんのアホがほんま好きやねぇ☆(・∀・)
まぁでも始めこそそんな得意の「あほ」を丸出してはりますたけど、さすがは主役☆
気づけばオットコマエキャラに転じておられました♪実に「説得力」ありますた♪
クライマックスの堤さんとの殺陣シーンとか、惚れ惚れしますたぉ♪♪(*′艸`*)
なんか、兄やんが女の人をストレートに口説いてたりとかってあんま見慣れへんので、
観ていてちょっと、きゃふー☆(o′▽`o)ってなったりもして・・・♪♪
まぁ「子供らしからぬ接吻」を迫ってる時は、あぁいつもの兄やんやと思いますたけどー。
「早紀ちゃん!早紀ちゃん!!」って追っかけ回してた。ふふ。

それにしても闇太郎。切ないよ闇太郎。
もうさー、「思い出はアンタしかいないんだ」ってお泪にすがりつくシ-ンがほんま切なくってさー。
自分が一体ナニモノなのか分からないまま独り生きてきた彼のそれまでの不安やら寂しさを思うと、余計にさー。
できることなら闇ちゃんには幸せになってほしかったよ。うん。。。

●天晴=堤さん。
いやいや、美しかったですねぇ☆☆☆
なんかもービジュアルだけで白ご飯3杯いけそうな。えぇ。
チャンバラしてる時がまたこれさ~!!(*′∀`*)ク~
サラサラとなびく長い髪とチラチラのぞく太ももが綺麗でさ~♪♪
ほんま舞台映えするなーと思いますた☆

天晴は、ものすごぉーーーくタチが悪いですね。
他人はおろか、自分を破滅に追い込むことにもためらいを感じない総破滅志向の持ち主。
こういう人に見込まれたら最後、間違いなく不幸街道マッシグラ!ですよね。
でもこういう人って、不思議と人間的に魅力があるからまた厄介なんですよねぇ。。。
彼のもたらす破滅から唯一お泪だけが逃れられたのは、やはり彼が彼女にほんの少しでも
愛情を抱いてたからなんでせうか。

●お泪=早紀ちゃん。
早紀ちゃんかわいいよねぇ~。
少女のような可憐さと、大人の女性の色気みたいのが混在してて。
あと「キレイ」の時にも思ったけど、声が澄んでて綺麗☆

闇太郎とお泪を見てるとなんか、「聖母たちのララバイ」が頭の中に流れてくるのはののてぃだけでせうか。
彼女に愛されて初めて、闇太郎はほんのつかの間とは言え安息を得られた訳やからねー。
お泪ちゃんにも幸せになってほすぃかったなぁ。
劇中で唯一、100%幸せになる権利を持ってる人物なのにね!(>_<)

●立派&お寸=じゅんさん&聖子さん。
じゅんさんは言うことばっかデカくて器の小さい男演じさせたら天下一品やね☆
聖子さんは言動がガチャガチャしてても、なんかかわゆらしい♪

凡人にはおよそ理解しがたい絆で結ばれた夫婦。
あんな無体な仕打ちをした・された後でもなお復縁でけるなんてよっぽどですよ!
いやいや、過激ながらもコミカルでかわゆいご夫婦です☆
でもね、二人とも生れ落ちた瞬間からやくざとして生きなければならない運命を背負わされた
自分達を心の底で憂えているところがあって。
そこらへんが二人を切っても切れない仲にしてる一番の要因なのかなぁと思いますた。
あ、ちなみに立派の先端恐怖症、ののてぃもお揃いです!

●銀之介=勝地くん。
全体的にフニャフニャしててかわゆらしかった☆≧∇≦
勝地くんは「めぐる」の時にも思ったけど、くんくの書く台詞のテンポを自然に把握できてる感じで、
観てて安心感があります☆

●少路くん。
けっこう目立つ役どころ任されててビックリ☆
でも練習してたヘッドスピンは結局モノにできなかったんでせうか。
単なる三点倒立に終わってますたぉ。
まぁその辺、少路くんらすぃ感じしますけど。(・∀・)
モノマネコーナーは日替わりなのか気になるところ…☆

●教祖。
ヤグラで軽快に太鼓を打ち鳴らしながらの歌唱☆
あいかわらずオットコマエな唄声ですた♪
ちゃんと演技もしてますたねー。
まぁ台詞はほとんどなく、団体の中にいて動きで演技する程度ですたけど。
これからしばらくお世話になっちゃうんでしょうか@新感線?
冠さんとの使い分けはどうなるんでせうか・・・(  ̄ー ̄)