ホンマかいな？ 本間さん・・・

　政府税制調査会の本間正明会長が２１日、公務員官舎に不適切な形（と、塩崎官房長官は言うが、妙な言い方はよして、愛人と同居とはっきり言え！）で入居していたとされる問題の責任を取り辞任を決意した。安倍首相もこれを了承し、事実上の更迭となった。就任からわずか１カ月半での辞任に、野党側は、安倍首相の任命責任を追及するといきまいており、復党問題などで陰りの見える政権の求心力に影響を与えるのは必至であると…。
　事の発端は、今月１１日発売の週刊誌で、平成１５年１月から東京・渋谷区内にある３ＬＤＫの官舎（家賃７万７０００円）に、同居人の申請をしていない親しい女性と同居していると報じられたことに始まった。権威ある政府税調の会長がスキャンダルで辞任するのは前代未聞で、税政史に大きな汚点を残すことになりかねない。
　今回の問題は、先ず、公務員宿舎の使用資格についてである。国家公務員の常勤職員であっても入居困難といわれている都心の一等地にある広い宿舎に、経済財政諮問会議の民間議員で、当時、月に数回しか勤務のない非常勤公務員の本間氏に使用資格があるかどうかであるという。
　そして第二は、大阪に妻があるのに、公務員宿舎に別の女性と暮らしていたことだ。この女性は公務とは一切関係ないのだから、偽って国有財産を使用したことになるという。また、本間氏が諮問会議の議員を辞めてから政府税調の会長になるまでの、単なる大阪大学教授であった間も、無資格であるのに公務員宿舎に入居していたことも問題とされている。
　この宿舎は民間であれば賃貸料５０万円は下らないだろうという豪華なもので、そこで、愛人と暮らしていたことは関係者の間では公然の秘密だったそうである。ということは、いずれ公になることは予測できたであろうに、それを黙認して税調会長に任命したことは安倍首相の失態ではある。が、今さら任命責任を追及してもどうにもなるまい。国会というところはいつもこうである。与党であれ野党であれ、政局に大して影響ないことにも足の引っ張りあいで、責任追及に躍起になって無駄な時間を費やす。そんなことを繰り返しているヒマがあるなら、もっと他にやるべきことがあるだろうといつも思うのだが…。
　大阪大大学院教授である本間氏は、柔和な語り口と穏やかな表情を見せているが、一方で、なかなかの野心家とされ、その強権的手法から誤解を招く場面も少なくなかったという。昨今テレビのワイドショーでも、格安な国会議員宿舎や公務員宿舎に対して批判の声が上がっており、本間氏は女性問題のこともあり、マスコミの格好の餌食にされたということだろう。「英雄色を好む」といわれ、仕事のできる人間はその方面においても豪傑ぶりを発揮するが、昔から、へそ下三寸の話はタブーとされており、歴代の大臣の中にも浮いた噂は数々あった。だが、それらは公然の秘密とされていて、今ほど大騒ぎするほどのことではなかった。その点、気の毒といえば気の毒だが、人の上に立つ人間はとやかく言われないよう身辺をクリーンにすべきである。昔、テレビのＣＭに、小指を立てて「私はこれで会社を辞めました」というのがあったが、本間氏もそれと同じ、男としてみっともない結末となった。