世界三大夜景の街として有名なナポリ、そのナポリが今やごみに埋もれた街になってしまったという。ナポリでは、2007年以降、ごみ処理場不足などで大量のごみが路上に放置される問題がたびたび起きているそうだが、今では、ごみビジネスの利権に目をつけたマフィアグループが隅々まで組織網を張り巡らせ、ナポリおよびカンパニア州のごみ回収作業会社やごみ処理施設でマフィアが関与していないものはない。中には直接、マフィア組織が運営しているものもあるという。
昔から「ナポリを見てから死ね」といわれるほど風光明媚な土地として知られているが、現在では「ナポリが死なないうちに見ておけ」といわれるとか。それほどひどい状態になっているということだろう。
2年前に一度は収束したかに見えたそうだが、市や州の政治家たちはごみ処理ビジネスを牛耳る地元マフィア組織が怖くて手も口も出せない状態で、この問題の解決には先が見えないという。まるでイタリア映画そのものある。
7日、動画サイト『らばQ』を見ていたら、「地獄のような光景…ゴミに埋もれてしまった世界遺産ナポリ」という記事が目に付いた。11枚の写真が掲載されているが、この惨状は想像をはるかに超えている。
私は、2007年8月に「イタリア8日間の旅」でナポリへも行ったが、すでにその頃からこのごみ騒動は起きていたらしい。とはいってもナポリはカプリ島への船の時間待ちの間に、ナポリ歴史地区を車窓から観光しただけである。その時のブログに「この町はなんだかほこりっぽく、雑然としている。洗濯物の棹を万国旗のように窓の外に突き出している家が多く、「パンツ通り」といわれているとか。これは上海と同じ風景である。また、信号で車が止まると、車の窓拭きをする男たちがモップを持って走り回る。客が要望すれば信号が変わらぬ間に手早く拭いてくれるのだが、あっという間にフロントガラスがピカピカになっている。料金は分からぬが、コインを渡していたようだ。このナポリも交通規制などあってなしがごとく、早いもの勝ちである。イタリアのこういう大ざっぱな人間性を見ていると、日本人が管理社会でいかに従順に飼いならされているかがうかがえる」と書いている。
また、上海と同じ風景と書いたが、上海の中心街は高いビルが建ち並び、街並みも整然として美しいが、一つ道をそれると、山積みされたごみが悪臭を放ち、洗濯物の万国旗が頭の上をなびいている。それに、トイレの水事情が悪く、流せない使用済みペーパーがトイレ内に一杯散らかっていて気持ち悪かった。こうした外国事情を知ると、日本はいかに公衆道徳が徹底されているかがわかる
それから2年後の2009年9月に『イタリア南部カプリ島の観光名所「青の洞窟」の公開が25日から中止されている。洞窟は、透明度の高い海水を通して届く太陽光が内部を青く照らす幻想的な光景で知られるが、その海水に白い泡が浮かび、気分が悪くなるほどの悪臭を発したためだ。不法にたれ流された汚水のためとみられ、警察が現場検証する騒ぎになっている』という記事があった。
まさかナポリからジェットフィルで45分のカプリ島まで、ナポリのごみ問題が影響したとは思えなかったが、海へ不法投棄でもすればそういうことがあっても不思議ではなかろう。しかし、その後、採取した海水からは、有害物質は発見されなかったことですぐに観光は再開したそうだが、白い泡及び刺激臭の原因は判明していないという。
今回の東日本大震災でもたくさんの船が流されたそうだが、中には遠く太平洋上を漂流していたという話も聞いたが、海はひとつ、どこまでも繋がっているのである。ごみといえば、東北3県の瓦礫の量は平年のごみの106倍だという。撤去した瓦礫の置き場所がなく、リサイクルで再利用する分別作業もままならない状況だとか。最終処分されるまでにはまだまだ時間がかかるらしいが、ナポリのようにマフィアの利権だのという恐ろしい話がないだけマシかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます