この映画は１９９９年製作、ハーレムの子供たちにヴァイオリンを教えた教師の実話を映画化したものである。【夫と別居し実家のニュージャージーに戻ってきたロベルタは、友人のアドバイスでヴァイオリンの腕を活かしてハーレム地区の小学校でヴァイオリン・クラスの臨時教員となる。初めは誰も真剣でなかった子供たちだが、彼女の熱心な指導でみるみる上達していった。１０年後、人気授業となっていた彼女のクラスは市の予算削減のため打ち切られることになる。彼女はクラス存続の資金集めのためコンサートを企画する……。】 詳しくは公式サイトをどうぞ。
主演女優のメリル・ストリープは役作りのためにヴァイオリンの猛特訓を行い、本番も自分で演奏したという。感動的な最後の演奏シーンはカーネギーホールで収録され、著名な演奏家が本人として登場している。
この似顔絵は２０１１年に描いたものである。“凛とした芯の強い女性”、役柄からそうイメージするのかも知れないが、彼女の魅力に惹かれる。これまでに観た映画は『クレイマー・クレイマー』『愛と哀しみの果て』『マディソン郡の橋』『プラダを着た悪魔』『大いなる陰謀』『ダウト～あるカトリック学校で』などなど。最近作では元英国首相のマーガレット・サッチャーを演じた『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』が話題になっており、第８４回米アカデミー賞の主演女優賞を受賞している。テレビで観られるのは当分先のことだろうが、楽しみである。
この映画を再生した翌日、奇しくもこの『ミュージック・オブ・ハート』同様に、市の財政の問題で廃止を迫られている大阪市音楽団の記事を目にした。
橋下徹市長が主導する市政改革プロジェクトチーム（ＰＴ）は、人件費など４億円を削減できるとして、９０年近くの歴史を持ち、全国で唯一の公立吹奏楽団である大阪市音楽団の廃止を迫っているという。音楽士３８人は音楽専従の市職員で人件費が年３億６５００万円（２０１２年度予算）、一方、演奏収入は約１０００万円。あきらかに採算の取れない事業ではあるが、廃止となれば音楽士は失業せざるを得なくなるという。
大阪市音楽団は大正１２年に誕生。陸軍第四師団軍楽隊を前身とし日本で最も古い楽団と言われており、現在は各地でコンサートを開いているほか、毎年１万以上の団体が参加する全日本吹奏楽コンクールで課題曲の模範演奏を担当している。また、春のセンバツ高校野球の入場行進曲を始め数々の式典で演奏するなど、名実ともに日本中の吹奏楽団が目標とするトップ集団だといわれている。
この事態を憂慮した作曲家の宮川彬良氏は、大阪市音楽団の価値を知ってもらおうと「貴重な音を失ってはいけない」と訴えて、５月５日、無料コンサート「ＧＯ！ＧＯ！市音！大阪市音をほめる会」を開くという。
しかし、日本ではまだまだ文化・芸術的な事業への市民の理解度は浅く、慈善事業や寄付行為が当たり前となっているアメリカとは違って、支援の輪が大きな波となって存続されるに至ったというケースはほとんど聞いたことがない。１回限りの支援で助けることができるのなら市民の協力も可能だろうが、毎年のこととなるとなかなか難しい。
先ごろ、石原都知事は「尖閣諸島を購入する」と宣言し、全国民から寄付金を募るという。都のＨＰには手続きのついての案内サイトが設けられており、すでに何十万円という寄付をした人もあるという。これは、一都市の大阪市音楽団問題とは次元の違う話で、おそらく多くの寄付金が寄せられるものと思われる。
ロベルタの場合、１９９１年、彼女は非営利財団「オーパス118音楽センター」を組織し、クラス再建の資金を募った。この活動が「タイムズ」誌のイブリン・ニーブズ記者によって一面記事になる。
１９９２年のクリスマス、ブダペスト四重奏団の第二ヴァイオリン務めていたアレクザンダー・シュナイダーより最初の寄付金を受け取る。翌９３年３月シュナイダー氏は亡くなったが、彼の寄付は「オーパス118音楽センター」の設立資金となった。
その２年後の１９９３年１０月２５日、彼女はカーネギーホールでのコンサートで自分の教え子たちを１４人の世界的なヴァイオリニストと共演させた。６歳から１２歳まで、１４００人以上の生徒を教えた結果、ロベルタのクラスはリヴァー・イーストで最も人気のある授業の１つとなっていた。現在も、ロベルタはニューヨーク市で、新しい教師たちを育て、多くの子供達に音楽を教え続けているという。
ゴールデンウィークの間ですが、如何お過ごしでしょうか？
興味深い映画ですね。
似顔絵、“凛とした芯の強い女性”と言う感じがしますよ。
予算削減で、大事なものまで廃止してしまう。
もっと廃止するべきものがありますよね。
橋下市長は思い切ったことをやりますね。
赤字の事業の廃止も必要ですが、こういったものは何だか惜しいような気もしますね。
無駄といっても色々ありますからね。