わが購読紙の投書欄でも度々見かけるのだが、だれしも思うことは同じらしい。私も常々、病院での、この「……さま」という呼び方が耳障りで、少々不快感を持っていた。先日掲載された、76歳女性の投書文をご紹介する。
『―前略―。いつのころからか、大病院が「さま」で患者さんを呼ぶようになり、ほんとうに嫌でした。病院はお互い体を悪くして治してもらうところ。心を優しくいたわってもらえるように「さん」呼びが、何より最高に優しく親しみがある呼び方だと思います。
医師会か看護師会の方々が決められたことかもしれませんが「さま」の呼び方はやめて「さん」にぜひ変えていただきたいものです。町内の診療所などでは「さん」付けでよんでくださり、ホッとした安らぎを感じます。丁寧な言葉も大事ですが、その場にそぐわない使い方は、ピントがずれておかしいだけだと思ってしまいます』という内容であった。
まったくその通りである。「……さま」と呼ばれても、呼んだ方はただ機械的に呼んでいるだけであって、患者に対してありがたくもなんとも思っていないのである。むしろ呼ばれた方が、なんだか小馬鹿にされたような気になってくるから、おかしなものである。
そもそも昔から、医者は「治してやる」、患者は「治してもらう」で、患者の方がお金を払ってお礼を言うという、立場が逆の関係を当然のように受入れてきた。それがいつの頃からか、医者も偉そうにふんぞり返っていては患者が来なくなり、患者をお客さま扱いするようになり、その上、バカ丁寧に呼び方までを変えたのだろう。
しかし、言葉こそ丁寧であっても、患者の扱い方の態度は以前とあまり変わらぬものだから、余計にイヤに感じるのだと思う。丁寧も度を過ぎると嫌味にもなることを忘れないでもらいたいものである。「……さま」と呼ばれるほど立派でもなし、お尻がこそばゆくなるだけだ。
私の掛かりつけの医院では「さん」付けで呼んでいる。それでいて別に無愛想であるとも思わないし、こちらもごく自然に受入れることができる。「さま」付けでよばれると、なぜか余計にへりくだった気持ちになり、医者と患者の立場を再認識させられるような気がしてくる。
一方、ホテルなどのサービス業では「さん」付けで呼ぶのは横柄に思われるからか、どこのホテルでも「お客さま」か「……さま」と呼んでいる。が、その言い方は決して心を込めたものではなく、時には慇懃無礼に思えることもある。特に一流ホテルでは、お客の服装などを値踏みしてどういう客か見極めることもあるようだ。今はわりとどこのホテルでもカジュアルな服装で出入りできるが、昔は服装で入店を断られるということもしばしばあったと聞いている。一流ホテルでは、お客よりホテルの従業員の方がはるかに堂々としているということもある。
要するに、どんな商売であれ、どんな呼び方であれ、気持ちがこもっているかどうかで大きな違いがある。病院などの医者と患者の立場が逆で、商売上のお客とはちょっと違う者に「さま」呼びはやめてほしいものである。
『―前略―。いつのころからか、大病院が「さま」で患者さんを呼ぶようになり、ほんとうに嫌でした。病院はお互い体を悪くして治してもらうところ。心を優しくいたわってもらえるように「さん」呼びが、何より最高に優しく親しみがある呼び方だと思います。
医師会か看護師会の方々が決められたことかもしれませんが「さま」の呼び方はやめて「さん」にぜひ変えていただきたいものです。町内の診療所などでは「さん」付けでよんでくださり、ホッとした安らぎを感じます。丁寧な言葉も大事ですが、その場にそぐわない使い方は、ピントがずれておかしいだけだと思ってしまいます』という内容であった。
まったくその通りである。「……さま」と呼ばれても、呼んだ方はただ機械的に呼んでいるだけであって、患者に対してありがたくもなんとも思っていないのである。むしろ呼ばれた方が、なんだか小馬鹿にされたような気になってくるから、おかしなものである。
そもそも昔から、医者は「治してやる」、患者は「治してもらう」で、患者の方がお金を払ってお礼を言うという、立場が逆の関係を当然のように受入れてきた。それがいつの頃からか、医者も偉そうにふんぞり返っていては患者が来なくなり、患者をお客さま扱いするようになり、その上、バカ丁寧に呼び方までを変えたのだろう。
しかし、言葉こそ丁寧であっても、患者の扱い方の態度は以前とあまり変わらぬものだから、余計にイヤに感じるのだと思う。丁寧も度を過ぎると嫌味にもなることを忘れないでもらいたいものである。「……さま」と呼ばれるほど立派でもなし、お尻がこそばゆくなるだけだ。
私の掛かりつけの医院では「さん」付けで呼んでいる。それでいて別に無愛想であるとも思わないし、こちらもごく自然に受入れることができる。「さま」付けでよばれると、なぜか余計にへりくだった気持ちになり、医者と患者の立場を再認識させられるような気がしてくる。
一方、ホテルなどのサービス業では「さん」付けで呼ぶのは横柄に思われるからか、どこのホテルでも「お客さま」か「……さま」と呼んでいる。が、その言い方は決して心を込めたものではなく、時には慇懃無礼に思えることもある。特に一流ホテルでは、お客の服装などを値踏みしてどういう客か見極めることもあるようだ。今はわりとどこのホテルでもカジュアルな服装で出入りできるが、昔は服装で入店を断られるということもしばしばあったと聞いている。一流ホテルでは、お客よりホテルの従業員の方がはるかに堂々としているということもある。

要するに、どんな商売であれ、どんな呼び方であれ、気持ちがこもっているかどうかで大きな違いがある。病院などの医者と患者の立場が逆で、商売上のお客とはちょっと違う者に「さま」呼びはやめてほしいものである。
平素呼ばれたことのない患者達は、おちょくられているような感じがするかもしれません。矢張り「慣れ」でしょう。
ところで、私は今日、嫌な検査を済ませてきました。結果はすぐには分からないそうです。
非人間的な感じがしました。
私のむかしのブログhttp://blog.goo.ne.jp/musshu-yuu/e/4f8b1d9bacff2fe51c5ddf29741e7777紹介します。この病院では院長を含めすべて「さん」で読んでたようです。
わたしの場合、社員時代は上も下も含めてなるべく「さん」付けで呼ぶようにしてました。さもなければ役名です。絶対に「君」付けはしませんでした。
病院の場合は「さん」付けが私の経験では普通のようです。それが普通だと思ってました。今は接客後もマニュアルで訓練することが多いようです(特に流通業界)。正しい日本語の使い方を教えられる人がいなくなったようです。
なりたくて病気になって病院に来たわけではなし、聞き分けがないこと言うかもしれないが人生経験がはるかに及ばない先輩方です。物事の本質を見つめればそんなことわかるでしょうに。
いや、わからないからマニュアル化してしまうのか?
相手の呼び方によって、こちらの感じ方は違いますよね。
自分も掛かり付けの病院では「さん」です。
業者関係では、「さま」と呼ばれる事がたまにありますが、余り気にしていませんね。
病院で、「さま」と呼ぶのはやめた方がいいと思います。
この度はブックマークをして頂きまして、どうもありがとうございました
紹介文、とてもいいですね。
なんか照れますよ~(笑)
これからもよろしくお願い致します!
検査が済まれたようで先ずはホッとされたでしょう。あとは結果待ちですね。大丈夫ですよ、きっと。
「様」呼びに慣れていないせいでしょうね。だって、「様」で呼ばれるような富裕階級とは縁のない生活でしたものね。
番号を呼ぶのも少し変ですね。まるで刑務所みたいです。
ふつうに「さん」付けで呼べばいいのに、なぜ「様」にしたのか、理由を聞いてみたいです。
「様」付けで呼ばれて、お金を払って「有難うございました」とペコペコしてるなんて変ですよん。
ブログ見ました。その院長先生のような方が、本当の医師でしょうね。私の近くの病院の院長先生は回診のとき「おはよう」と大きな声をかけて部屋に入ってくるので、みんなから「おはよう先生」と呼ばれていたそうです。若くして交通事故で亡くなられましたが…。
「医は仁術なり」という言葉は今もあるのでしょうか?
お年寄りを「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ぶと親しそうに聞こえますが、年長者に対して失礼です。やはり、「……さん」と名字で呼ぶのがいいと思います。
中には「わしはあんたのような孫を持った覚えはない」と怒られたとか、「親しき仲にも礼儀あり」ですね。
「さま」と呼ばれて平気でいられるほど自分に自信がありませんので、卑屈に感じるだけです。
川柳か何か知りませんが「先生と呼ばれるほどの馬鹿じゃなし」と言うのがありますが、同じようなもので、「馬鹿にしないで」と言いたくなります。