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ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

[親子レッスン]と「不器用だって 楽しく工作したい!」

2007-09-14 12:32:48 | 発達障害児に教える基本
先日 ブログで知りあったお母様と息子さんのS君に
親子レッスンに来ていただきました。
ゲームをしたり
勉強したり
おしゃべりしたりの2時間
とてもステキな時間が過ごせました。

あとから S君が、帰る道みち「また 早くきたいな~」と
言っていたのを知り とてもうれしくなりました。

「漢字が全然できない」という本人の言葉とは裏腹に
「3秒間、漢字を暗記して書くゲーム」は
毎回 好成績
虹色教室の「発達障害のない成績優秀な同学年のA君」と
「漢字を覚える力」自体は 
なんら変わりがないことが 判明しました。

が ふたりの間には
はっきりした違いもありました。

A君は 何度もミスをしても
(それが よくミスをするんです。)
自分への信頼感と自信を失わず
「A君は漢字が得意だね。算数が得意だね。」
と言うと
にっこり笑ってうなずきます。

が S君は
ほとんど1回で正解していたにもかかわらず
「ぼくは 漢字ができない」
と繰り返していました。

おそらく集団の場での 失敗体験が
S君の「自信のなさ」へと
つながっているのでしょう。

S君は確かに 学校や塾のような
長時間の集中力を求める場では
その本来の能力を伸ばしにくい子です。

「今 何に集中すべきか」気づいたり
「注意がそれた時に また元の場所に注意をもどすこと」が
難しい様子でした。

でも 数学的なパズルを意欲的に解いたり
国語の文章を理解する力は
同学年の子の平均よりは
高めでした。

幼児や低学年の間
ADHDの症状で 成績が振るわない子の中に
「知能が高い子」はたくさんいます。

しかし 高学年になって
多動が落ち着いてきても…

今度はそれまでの失敗経験からくる
「自信のなさ」のせいで
本来の能力が発揮できない子が多いのです。

まさに2次障害ですね。

ですから 子どもにとって
できない時も
自分に自信を持てるように
フォローしてあげることが
とても大切なんです!!

少し話が変わりますが
不器用で 工作の時間に
かんしゃくを起こしてばかりの子…
にも
「工作がちゃんとできた」
「自分で作ったものを褒められた。遊べた」
という経験が とっても大事です。

そこで 超簡単に作れて
遊べる工作を紹介します。

写真は「たまご」と「アイスクリーム」
作り方は 
ティッシュを丸めて卵パックに入れて
テープで止めるだけ。
ふたつきのアイスの容器に
ティシュを詰めて
マジックで色を付け
ふたをしめたらできあがり。
ふたなしで もっとティシュをのせて 
マジックでぬりぬり…「カキ氷」も作ってみてくださいね
こんなお気楽工作でも
見た目は まずまずですし
(外のパックのおかげで…)
スーパーゴッコをして遊ぶこともできるんですよ。

不器用だって ちゃんと楽しく工作したいですよね
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発達障害児のための はじめての算数(1)

2007-09-05 09:24:19 | 発達障害児に教える基本
お菓子が5個あれば
「1,2,3,4,5」と数えられる!(数えられない子には 前の記事へどうぞ)
でも その次は?
1年生の算数でつまずかないために
どんなことをすればいいの?

という方に
どの子も算数好きにする」方法を紹介します。

できれば幼児のうちに始めて
「さんすうは楽しい!得意!」という気持ちを
育ててあげてくださいね。

まず100円ショップを回ったり
手作りしたり
お家にある おもちゃを集めたりして
自家製 「さんすうセット」を作ります。
最初から すべてそろえなくて
いいですよ。

入れたいものに合わせて空き箱を 用意します。

中に数を数えたら楽しそうなもの
形を作って遊べそうなものを
入れていきます。

ミニカー 10~20台
おもちゃの指輪 10個
じしゃく10個ほど(100円ショップにあるセットでOK)
アイスのスティック10本
ゴムの指人形10~20個
ゲーム用のチップ(オセロの駒でもいい)たくさん
カラー軍手(小さくなった指のある てぶくろ)
同じ形の積み木20個
カラーの輪ゴム
ピクニック用のプラスチックの皿やコップ
無地のハンカチ
キャラクターのカード類 ごほうび用のシール


などなど…
それらしきガラクタなら 何でもOK!

あと あると楽しいものの例に

100円ショップで
秋にはディスプレイ用に売っている
「プラスチックの
落ち葉やどんぐり」もGOODです。

どうやって使うかわかりますか?
落ち葉を 豪快にまいて
拾って数えます。

どんぐりも
お家の中で
どんぐり拾いを楽しみます。

数える時に
毎回 5ずつそろえて並べます。
「1,2,3…。」と数えてわかる子が
「5の塊が4つだから20」と
見てわかるようになるためです。

こうした お道具箱づくりを子どもに手伝ってもらうだけで
算数に対するワクワク感が
育ってきます。

好きなキャラクターがある子には
その子好みの
セットにしてあげてください。

算数セットは 子どもに自由に触らせず
親と子が乗り気な時に
楽しい気持ちで出してきます。

どれも どうってことないようで
選りすぐった教材です。
例えば 指輪。(色紙で手作りOK)

8個まで
指にはめさせて
あといくつはめれるかな?

とたずねると
8といくつで10になるでしょう?
が どうしても分からなかった子が
急に できるようになったりします。

子どもが この算数セットを出してもらいたがったら
「○ちゃんは算数が好きね~。」と
毎回 ひとことそえると
自分は算数が好きなんだ~と信じるようになりますよ。

次回は もう少しくわしく この「算数セット」の使い方について書きますね。

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視覚に問題のある子のトレーニング法

2007-08-30 19:35:11 | 発達障害児に教える基本
発達障害のある子は
さまざまな「視覚の問題」を抱えている場合が
多いようです。

「目の問題」があると

文字が覚えられない…
知能検査の点数が低い…
注意集中が困難で 手先が不器用…

といった
いろんなトラブルが続出します

目の問題といっても
視力が弱いわけでは ありません。

知的障害のあるLちゃんは
3ピースのパズルが
上手くできませんでしたが
遠くにある小さな物を 見分けることが出来ました。

つまり「視力」そのもは 悪くないんです。

「目から入った情報を
脳の中で処理する能力」
が弱いのです。

それが原因で パズルや知能テストのイラストを
きちんと とらえることができませんでした。

Lちゃんの「視覚運動系」の能力を伸ばすために
「2~5ピースまでのパズルに
たくさんチャレンジさせたい。」
と思いましたが 市販のものは 
値段が高い上に
ピースが少ないものは あまり出ていませんでした。

そこで「イラストが可愛いカレンダー」を
切って
2~5ピースのパズルをたくさん作ってみたら
これがけっこうヒットしました
あっという間に7ピースくらいまで
できるようになってきたのです。
このパズル 薄いのでファイルにしまえて
便利でした

このトレーニングだけのおかげではないのですが
Lちゃんは
「音読」がスムーズにできるようになり
普通学級で
発表もさせてもらったんですよ

↓いつも押してくださっている方 ありがとうございます
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ざわざわくんを 勉強モードに持っていくには?

2007-08-29 08:37:09 | 発達障害児に教える基本
先ほどトットちゃん家の喫茶店でお茶をしていたら
(アイスコーヒー飲みながら
「トットちゃん家の喫茶店」という 
チョッちゃんのブログを見てただけですが…)

ブログの中で

片付けをするよう指示しても
無視するトットくんに

チョッちゃんが 指示にメロディーつけていうと
ノリのいいトットくん。

歌で返事+お片づけ~♪となる 

の様子が書かれていました。
その会話がミュージカル見てるみたいで むちゃくちゃ面白かったです。

よかったら この楽しい喫茶店へ
飲み物持参で 行ってみて
くださいね。

それから今回の記事では
トットくんの元担任が
使っていたという
なかなかの「スゴ技」も
披露してもらいました。
「今から漢字プリントをします。
時間は何時から何時までです。
ハイ、どーぞ!!」
これで
一気に勉強モードへ
突入です
それにしても「はい、どーぞ!!」って
「早くしなさい!」とか「ここしてね!」より
「やる気モード」のスイッチが
入りやすい言葉ですよね。

それを見て
私が使ってる「はい、どーぞ!!」って
何だっけ…と考えていたら

えらく長い前置きつけて
毎回 しゃべってました。
(このカエル私にそっくりなんだとか…。)
「前すごーく上手だったよね。
やるとこここかー、うん しんどそー大変だね。
でも○くん いつもがんばっちゃうもんね~
じゃ ちょっとだけ!!してみよっか~」

そうやって しゃべりながら
「このくらい 簡単やで、すぐできるって!」
とノリで言わせます。

後 うちのぐずぐず息子さんには
勉強計画を 立てさせたあとで
(いつも 計画倒れなのは知っているのに)
「えー、それは大変すぎるわ~もうちょっと勉強時間減らしたら?」
と言います。
「でも 宿題やから…。」
「厳しいね…お母さんにはできないわ
「こんなん軽いよ。今日2時間って書いたけど
3時間するわ。」
「それは 多い!止めとき。1時間50分くらいにしとき!」
「いけるって 3時間してくるわ。」
という会話をくりかえし
長女にあきれられています
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イラストは11歳の時の息子です。

言葉を100倍増やす方法~知識のビッツ

2007-08-22 21:19:36 | 発達障害児に教える基本
言葉を100倍増やす…とは
なんてオーバーなタイトル
とお思いでしょうね。

でも 本当に増えてくるんです!100倍

上の写真は 健常の幼児のために
0歳から作っている絵本です。
(その子のお母さんの作品です)

子どもの身近にある物…場所…人
食べた物 見た動物 植物 季節
お金 お家にある電化製品 
お店の名前 お出かけした場所
動作の言葉 

など 子どもに言葉として覚えて欲しいものを
絵本にしたものです。

これはドーマン法の「知識のビッツ」
からヒントを得ていますが…

ドーマン法では 写真と言葉だけのカードを使ってるんです。
これはちょっと さみしい

そこで 私がオススメするのは
子どもがわかるように
知識を盛り込んだ 絵本の形にする方法です。

子どもの身のまわりの物を
その子にわかる本の形で 与え続けた結果
ダウン症の子が
劇的に進歩したという話を
聞いたことがあります。

虹色教室でも
これを取り入れてますが
幼児さんたち……
知らない言葉ないんじゃないかと思うほど
物知りです(これだけのおかげというわけではありませんし、
大人側が力を注ぎすぎるのは、よくありません)

モアイ像でも ダンボールを水につけてはがす方法でも
何でも知っています。

作り方は 簡単。
画用紙を半分に折って
折り目に色テープを貼って 本のできあがり。

表紙に 写真を貼り タイトルを書きます。
本の内容は子どもが描いた絵でもいいし
「はぶらし」は 歯をみがく道具です。

ぐらいでOK。
ちょっと懲りたい時は
中にも 関連する写真をいくつか貼って
名前を書きます。

大きな字で 短い説明文をいれると
「読むためのトレーニングブック」にもなります。

発達障害を持ったお子さんには
市販の本や
学校の教科書を手にする前に
ぜひ
こうした その子レベルでわかる本を
たくさんみせてあげて欲しいです。

成功するコツは ずばり「手抜き」です!!

テキトーに 紙を折っといて
気が向いた時 広告の切り抜きでも
いらない写真でも ぺたぺた…
名前を書いて…
中身は読んであげるついでにでも
書こう…
というお気楽スタンスが続けるコツです。


集中力がなくて 宿題が進まない子には?

2007-08-12 07:35:55 | 発達障害児に教える基本
この夏休み
アスペルガーとLDを持った子の
学校の宿題のお手伝いを
しています。

「夏のワーク」という 薄っぺらい…
しかし 発達障害を持った子にとって
いつ終わるのか見当もつかない
苦行の一つに取り組ませています。

それにしても
勉強をスタートして30分…
「暑ーい」「いや クーラー効き過ぎてきた。」
「せみ よく鳴いてますね。」
「そうだ 今日って 何曜日だったかな…?」
「先生…。」
と30秒ごとに気が散るので
恐ろしく進んでいません。

見れば ふわふわ風にそよぐような文字…
汚いというより
筆圧が弱すぎて読めません。
それに
計算を 途中で止めて
次の問題に移っていたり
答えの欄が
間違っていたり…

あまりに注意しなくちゃならない所が多すぎて
教えているコチラまで
富士山を 逆立ちで登っているような
気分になってきます。

しかし集中力のない子に
「もう少しきちんとした字を
書きなさい。」などど
指摘したところで
今度は集中力のなさに
「やけっぱちな態度」が加わるだけです。

私は こういう時は ひとまず
「だいぶ がんばったね。これだけするのも 大変だよ。」
と声をかけます。

どんなにそれまでした量が少なくても
やり方がいいかげんでも
「そこまでしたことをほめる」
「ねぎらいの言葉をかける」
という態度に徹すると
わずかながら 集中する時間が増してきます。

「この字のななめの線が難しいね。でも へんは上手に書けているね。」
といった言い方をすると
しっかり書こうとする
態度が出てきます。

発達障害の子が
学習でつまずく理由に
「メタ認知力」が弱い…ということが
あります。

メタ認知とは 認知のための認知のようなもの
…???

つまり「少し離れた位置から
自分の行動を 客観的に眺めて
調整する力」のことです。

自分は 「これは知ってる!」とか 
「知らない。」とか

「ここは大切!!」
「ここは どっちでもいい…」とか

自分の意見と
周囲の意見のずれ…に気付くとか

メタ認知が弱いと
そのあたりがどうも わかっていません。
TPOがなくって
失礼なこと言っちゃったり
自分と周囲の関係が
イマイチ飲み込めていない子を見ると

「わがまま!」とか「今時の子は…!」
とかおじいちゃん世代は
怒りに震えますが
これらが弱いのは
「しつけ」と関係はございません。


そして このメタ認知力が弱いと
今何をすべきか…
自分の立場が飲み込めず

恐ろしく
集中力がない!!

という行動が生まれるんですね。


ここまで読んでいただきありがとうございます。メタ認知力上げるコツは また次の機会に書きますね。

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発達障害児に教える 基本の基本(2)

2007-08-08 19:28:50 | 発達障害児に教える基本
前回は「最近接領域」の話でした。

そこで もう少し具体的に…

私が 知的障害のあるLちゃんの
「最近接領域」を見極めながら
教えていった様子を 例にあげて
説明していきますね。

小学2年生のLちゃんは
「計算ができない。」という
トラブルを抱えて
虹色教室に 連れてこられました。

同じように「○○ができない」とひとくくりにされる子らも
実は その「できない具合」は

1位から100位までのランキングで表わせるような
違いがあります。


まず 何ができて 何ができないのかを
はっきりさせて
「できない」の どの位置に
いるのか調べました。

その結果 Lちゃんは

☆3より上の数が 数えられない。

☆手が不器用なために 指を折って
3や4の形を作ることができない。

☆2や3といった小さな数でも
初めから「1,2…」と数える。

☆目の焦点が合いにくいのか
いちいち指を目の数センチ前まで持ってきて
顔を動かして「1,2,3…」と数える。

☆「たす」という概念の意味が
少しも理解できていない。

☆(それまでの学校での療育のおかげか)
ぐにゃぐにゃした文字ながら
とりあえず1から10までの数字を
お手本を見ながら書くことができる。

☆集中力が続かず 1,2分で
別のことを始めてしまう。

という結果でした。

そこで 前回から説明している
「最近接領域」を見極めながら
Lちゃんの「手伝ってもらえばできる」
「がんばれば できるようになる」
課題を考えてみます。

3までしか 数えられないのなら
次は「10まで数えること」を課題にしては?
と思いますよね。

  ☆その通り!まず それが1つ目の課題です。

で Lちゃんに いっしょに数を数えさせてみると
指1本ごとに数をひとつ…
とせずに パーの手(5)で7や8まで
数えているのが気にかかりました。

  ☆そしてLちゃんの2つ目の課題
  「1つずつ数える」が決まりました。

取り組み
紙に丸をいくつか書いて
数えながらおもちゃを丸の上に
乗せていったり

いろんなゲームで
数を数える体験を増やしました。
おやつの時も
数えて分ける お手伝いをさせました。

  ☆「指で3や4が作れるようになる」
  も大事な課題

取り組み
変わりじゃんけん 手遊び ふうせん投げ
おりがみ お菓子作り(こねる中心)
などをして指先の訓練をしました。


  ☆「たす1を直感的に理解すること」も課題。

取り組み
手を添えて
指で1,2,3…という形を作らせながら
1+1=2 2+1=3 3+1=4と
繰り返し教えていきました。

おもちゃを1+1=2 2+1=3と言いながら
重ねていく遊びもしました。

  ☆「3を 1から数えなくても 3と言えるようになる」のも課題。

取り組み
お菓子3個を「3」と言いながら見せて
ハンカチをかぶせて隠し
次に めくって
「いくつかな?」とたずねる…遊びをしました。


…このように課題をはっきりさせて
いろんな形で
取り組んでいくと
課題の設定に無理がなければ
近いうちに 99パーセントの
課題をクリアーできるように
なっているはずです。
Lちゃんも 簡単なものなら
「百マス計算」に取り組めるほどに
成長しました。

成功するコツは
取り組みを できるだけ楽しく
簡単にできるものにすることです。

ここまで 読んでいただきありがとうございます。次回は「漢字が書けるようになる」ための取り組みを書きますね。

イラストは「数えきれない太陽」から。「夜の子どもたち」
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発達障害児に教える 基本の基本(1)

2007-08-07 18:39:13 | 発達障害児に教える基本
発達障害のある子に教える時
これは絶対 成果が出るという
オススメの方法を紹介します。

「最近接領域」って知っていますか?
私のもうひとつのブログ
虹色教室通信でも紹介したのですが
これを 正確に見極めることが
発達障害児に教える 基本中の基本!
と私は考えています。

最近接領域??…あんまり耳にしない
言葉ですよね。 

この領域…

「自分できる」 と

「手伝ってもらったら できる」の間
のことなんです。

そしてこの領域こそが
子どもが 教えればできる
学べば身につく 領域なんです…

だから
「自分できる」 より簡単なレベルばかりさせていると
やっても進歩がないし
「手伝ってもらっても できないところ」なんて
やっただけ自信を失って
無駄なんですよね。

でも
LDがあって
普通学級で 四苦八苦している子をみると
その子に与えられている
課題が
この「最近接領域」から
はるかに ズレてることが
よくあります。

教室の進みにあわせて
課題を与えていたら

発達にハンディーを抱えた子が
どんなに もがいても
がんばっても
ちんぷんかんぷん…な内容になっていた…
というのは 珍しくありません。


そこで 親御さんが 
かなり前の段階まで戻って
教えようとするのだけれど

やっぱり いっこうにできるようにならないので
「こんなんじゃ 一生
追いつけるはずがない!」
とお先真っ暗な気分に
なってしまうのも よく耳にする話です。


ただ ここで
できるだけ正確に
その子の
「最近接領域」を
見極めてあげると
その領域の範囲でなら
必ずといっていいくらい進歩します。

そうしたら その進歩した地点から
新たな「最近接領域」を
見つけていったらいいんですね。


砂の上に指をコンパスのように使って
指の届く範囲を自分の陣地にしていく…
そんな昔の子の遊びがあります。
指が届く範囲なんで
はじめは「猫の額のような陣地」です。
けれども
確実に自分の陣地を広げていったら
いつのまにか
空き地のほとんどが
自分の陣地になっていた…
そんな奇跡も起こります。
たとえ 発達障害があっても
毎日の努力に「はずれ」がないようにしてあげたら
必ず良い結果へと結びついていくのです。

ここまで読んでくださってありがとうございます。次回はこの「最近接領域」の見極め方を できるだけ具体的に書きますね。
イラストは「数えきれない太陽」から。「私が私にかえる日」
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発達障害のある子に 教えるコツ(2)

2007-07-24 14:30:23 | 発達障害児に教える基本
前回の記事の続きです。

☆1「わからないこと できないことを学ぶ」という作業と
☆2「根気のいる学習」という作業を 同時にさせない

ということでした。

では 具体的にどうやって教えるかというと

例えば 「8という数字」を間違った書き順で書く子がいるとします。
下から書き始め 反対方向にくるんとまわして書く…

何度注意しても改まらないので
学校から出た宿題の
「1から10までの数字を10回ずつ
ノートに練習してくること。」をやらせながら
横から「8の書き順」を正しく書くよう
注意したり 見本をしるしたりするとします。

これだと 発達障害のある子は
どんどん集中力を失って
せっかく書いたものまで
けしごむでむちゃくちゃに消してしまったり
かんしゃくを起こして泣いたりするのではないでしょうか?
おそらく 頭の中で「できない!できない!」とわめく声が響いているのでしょう。
これでは書き順を直すどころか 宿題を仕上げることすらできません。

発達障害のある子に 同時にふたつの事をさせようとすると 両方ともダメになってしまいます。

もしきちんとした書き順が教えたいのなら
その前に 「8という数字」を大きく紙に書いてあげて
「サーキットに似ているね。スタート地点はここだよ。」
と書き始めの場所を教えます。
それから 車を走らせる真似をして
きちんと決まった方向に行かねばならないことを教えます。
次に 
注意するポイント「はじまる場所」「方向」を確認させながら
子どもに真似させます。

計算や漢字を教える時も こんな風に 
情報量を減らし 興味を引く方法で教えると 
きちんと定着する場合が多いです。

ちゃんと理解さえ できていたら1分以内に解放してあげます。
ゲームがしたい時や何か楽しいと思えることの前にすると効果があがります。

宿題やワークに取り掛かるのに
たとえ全部わかっていても
根気よくやりとげることが しんどい子らです。

ですから やる前にいっぱいヒントを与えて
やってる最中は横で
「すごいねーもう覚えたの?よくできるねー。」

と繰り返すこと!!につきます。
 
イラストは幼稚園の頃の私の絵です。

発達障害のある子に 教えるコツ(1)

2007-07-24 12:17:56 | 発達障害児に教える基本
「数学の問題が 半分解けるようになったよ。
前は ぜんぜんだったから
先生がびっくりしていたよ。」
と 最近 入塾した中学生が
うれしい報告をしてくれました。

学校で何度教えられても できなかったのに
虹色教室で2回学んだだけで
できるようになったのには
理由があります。

学ぶのが困難な子に共通の
「教えるコツ」があるからです。


コツというのは簡単です。

☆1「わからないこと できないことを学ぶ」という作業と
☆2「根気のいる学習」という作業を
同時に させないことです。

???かも知れませんね。

たとえば宿題を例にとると
その子にとって どの問題も解き方を知っていて簡単なら 
それを仕上げるのに
「根気のいる学習」という作業は必要ですが
「わからないこと できないことを学ぶ」という作業は
いりません。

しかし 知らない漢字を書いて練習しながら覚える
といった宿題ですと
☆1も☆2も必要です。

すると 発達障害を持った子だと
「根気のいる作業をする」ことに 手一杯で

やっても やっても
頭に入っていない ということになるのです


イラストは娘が小4の時の絵です。