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テツの部屋B

アメリカ留学中の見聞録→日本国内の山登り記録+日常の覚え書

ナッシュビルの夜景

2010-04-30 | ナッシュビル
ナッシュビルシンフォニーの演奏会の後、例によって、橋の上のView Pointに行った。






ナッシュビルの夜景。11時1分撮影。

上の写真は、オートホワイトバランス(AWB)で撮影し、その後、ホワイトバランス(WB)を全く変えずにRAW現像した写真。ここで、かねてからの懸案事項であった、WBの“正しい”補正を行ってみた。やり方は、まず上記写真を撮影した直後に、同じ風景をグレーカードと一緒に撮影する。次に、このグレーカードの画素をリファレンスとして、WBの補正を行う(今回はCapture NX2を用いたが、Photoshopでも可能)。最後に、得られた補正値を、実際の写真に適用して現像する。得られたのが下の画像。






ナッシュビルの夜景。11時1分撮影。


AWBのまま現像した写真は、全体的に緑がかっていて、温かい印象を与える。これに対して、“正しい”補正を行った絵の方は、全体的に薄紫色で、冷たい印象を与える。どちらの写真をよしとするかは個人の好みだが、AWBの温かい印象のほうが一般受けするのではないだろうか?それは、こちらの方が、より“期待色”に近いからだとも言える。ここで、AWBの絵を“手を加えていない写真”と考えることが誤りであることを指摘しておく。AWB設定では、メーカーが作成した演算式によって、センサーイメージをJPEGに変換している。つまり、撮影者は何も手を加えていないつもりでも、メーカーの言うなりに、センサーイメージに手を加えているのである。真に、“手を加えていない“写真を得るためには、適切なリファレンスを用いて、写真に”手を加え“なければならない。

AWBでどのような色が出てくるかは、メーカーによって異なり、今回得られたような、温かい印象の仕上がりは、Nikonの発色の特徴の一つと言える。一般的にコンパクトカメラには、RAW撮影機能が備わっておらず、WBを調節することが難しい。したがって、AWB撮影で出てくる絵の色合いが自分の好みに合っているかどうかを見ることは、コンパクトデジカメ選びにおいて重要な判断要素である。画素数の比較などより、こちらの方がよほど重要だ。

ナッシュビルシンフォニー

2010-04-30 | 音楽
Mほ子姉さん、K子隊員と一緒にナッシュビルシンフォニーを聴きに行った。

今回のプログラムは、
ショパン ピアノ協奏曲第2番 
マーラー 交響曲第5番


まず、ショパンのピアノ協奏曲(=コンチェルト)第2番について。
そもそもショパンはどんな人だったのか?ポーランド人で、1810生まれ、1849死亡。19世紀初めの人だ。38歳で若くして死亡。結核持ちだったらしい。職業はピアニストで、ピアノ曲ばっかり作曲した。ピアノ習ってた人(Aりささんとか)はこの人の曲を良く知ってるようだが、そうでないと、意外となじみがない。テツは長い間オーケストラの団員だったが、ショパンの曲は1曲も演奏したことがない。

ショパンは、有名な曲をたくさん書いている。例えば、

子犬のワルツ





ノクターンop9-2





別れの曲




テツは見てないので定かではないが、別れの曲は”101回目のプロポーズ”のBGMだったらしい。確かに恋愛ものに合いそうな曲だ。しかし、実際には郷愁の曲。そう思って聴いていると、日本に帰りたくなってくる。


ショパンは、祖国のポーランドをこよなく愛していたらしい。また、ポーランドの人たちにとって、ショパンは国民的作曲家らしい。2002年に、”戦場のピアニスト”という映画が公開された。第2次大戦時にナチスから逃げ回っていたポーランド系ユダヤ人ピアニストの話だが、ポーランド人にとってショパンの存在がいかに大きいかが良く分かる。この映画、ものすごく残虐なシーンが多数出てくるが、すばらしい作品である。お勧め。






さて、今回聴くピアノ協奏曲第2番だが、上の3曲と比較すると、メジャーな感じではないが、特に2楽章は、しみじみといい曲だ。

ショパン ピアノ協奏曲第2番 第2楽章 ピアノ=ルービンシュタイン






次は、マーラーの交響曲(シンフォニー)第5番(通称マラ5)について。

マーラーは、1860年生まれ、1911年死亡。19世紀後半から20世紀初めの人だ。オーストリアの人で、ユダヤ人。職業は、オーケストラの指揮者で、ほとんどオーケストラの曲ばかり書いた。彼の曲は、長くて、難解で、うるさかったり、音が小さすぎたり、クラシックを嫌いにさせる要素がてんこ盛りだ。逆に、クラシック大好きな人にとっては、奥が深く、飽きが来ず、挑戦のしがいのある、憧れの作曲家だったりする。実際、演奏するのがあまりにも難しくて、アマチュアには事実上不可能に近い。テツも、死ぬまでに一度弾いてみたいが、機会があるかどうか・・・。

さて、マーラーの曲で一般的に広く知られている曲は・・・ない!唯一、比較的良く知られているのが、今回聞く交響曲第5番の第4楽章だ。この楽章は、弦楽器だけで演奏され、管楽器は全く演奏しない。また、ハープが非常に印象的に使われている。この4楽章が世間に知れ渡ったのは、”ベニスに死す”という映画によるところが多いと言われている。ベネチアに旅行に出かけた中年のおっさんが、ビーチで美少年(!)に出会い、恋に落ち、恋焦がれながら死んでいくという、あきれてものが言えない映画だ。また、スマップの中井氏が主役のドラマ“白い影”でも、この曲が使われていた。ヒロインは竹内結子さんだった。

マーラー 交響曲第5番 第4楽章(アダージェット)





ほかの楽章については、簡単に説明。

1楽章:葬送行進曲。トランペットのソロから始まる。タタタターン・・・・・。
2楽章:ヴァイオリンソロがある。
3楽章:中盤の、ヴァイオリンのソリ(前のほうに座っている数人だけで演奏すること)のピッチカートのところが好き。
5楽章:明るくて、乗りが良くて、大好きな楽章。最後もトランペットで終わる。



さて、ようやく本題に戻って、コンサートの感想。今回は、奮発して、3階バルコニー中央の$57.50の席を取ったのだが、音響も見晴らしも最高だった。弦楽器の配置は、めずらしくステレオ配置だった。コンサートマスターがいつもの太っちょのおばちゃんではなく、若そうな男性に代わっていた。プログラムを見ると、Guest concert masterと書いてある。いつものコンミスのおばちゃんは、あまりソロが上手くないので、新しい人に代えられようとしているのだろうか。


ショパンPコン

ソリストは、Ingrid Fliter。アルゼンチン人女性。オーケストラは、出だしからして、自信なさそうな音だったので、今回も外れ演奏会かと思った。しかし、ソリストが上手かったため持ち直し、最終的には非常によい出来だった。テツの好きな2楽章も、気持ちよく聴けた。


マーラー5番
1楽章:トランペットのソロはかなり頑張っていた。最後のpのタタタターを失敗したが、他はOK。ビオラの音がよかった。
2楽章:バイオリンソロは、上手いと思った。この2楽章はとりとめもなく長いので、Mほ子さん、K子さんにはきついかな~と思っていたが、2人とも熱心に聴いていた。空調の冷気がテツの真上から降りてきて、寒かった。
3楽章:聴き所のピッチカートは、かなり大きな音量で弾いていた。もう少し控えめなほうが好みかな。
4楽章:最大の見せ場。このとろけるような、ねっとりした音楽をかなりいい感じで演奏していたと思う。難点は、音がいまひとつクリアーでないことと、最後に盛り上がるところで、音量が少し足りないこと。この辺は、オーケストラのレベルの問題になってくるのかもしれない。
5楽章:最後のコーダの部分が、速い速い。フルトヴェングラーの第9を髣髴とさせるような速さだった。オケはよくついていっていた。Good job!


今回は、当初Mほ子さん、K子さんと行くことを想定していなかった。クラシックに馴染みのない人にマーラーはきついかなと思っていたが、2人ともすごく熱心に聴いてくれていたので、逆に驚かされた。しかも、全く眠くならなかったらしい。マーラーの交響曲は、迫力がすごいので、かえってよかったのかもしれない。