公園でZ6IIのテスト撮影を行った。
まずはD5200、iphone 11 pro maxと撮り比べてみた。
Z6II、D5200、iphoneで撮影した写真の比較。右下はZ6IIで撮影したHDR写真。Z6IIとD5200は三脚に固定し、VRをOFFにして撮影した。
左上のD5200と左下のZ6IIを比較すると、Z6IIの方がクリアでコントラストが高いように見える。いずれの写真も、木に合わせて露出が最適化されているため、空が白く抜けてしまっている。一方、右上のiphoneの写真は、空が青く写っており、木の緑も若干暗めではあるもののある程度写っている。この写真は、iphoneのスマートHDR機能により、自動的にHDR撮影されたと考えられる。撮影者が意図していないところでiphoneが勝手にHDRを選択して撮影するわけだが、ほとんどの場合、的確な判断がなされる。Iphoneカメラは、スペックはデジカメより低いが、状況に応じた撮影モードの判断が的確で、失敗が少ない。自分が撮影した写真ではなく、カメラが勝手に撮った写真だと思わされることも多い。右下の写真は、Z6IIで意図的に撮影したHDR写真で、木が明るく写ると同時に空の青も確認できる。
次にISOを変えて撮影した写真の一部を拡大し、解像度と高感度耐性を比較してみた。
Z6II、D5200、iphoneで撮影した写真の細部の比較。クリックで拡大可能。ISO6400の写真とiphoneは手持ち撮影(HH)。その他は三脚に固定しVRをOFFにして撮影した。
まず、ISO100のZ6II画像、D5200画像とiphone画像(ISO50?)を比較すると、Z6II > D5200 > iphoneの順に分解能が低下している。
各カメラの画素数を以下に示す。
Z6II = 2450万画素
D5200 = 2410万画素
iphone 11 pro max = 1200万画素
Z6IIとD5200の画素数はほとんど同じだが、Z6IIの方が明らかに高解像度である。iphoneの画素数は一眼カメラの半分程度だが、細部の描写性能は画素数の低下幅以上に低く感じる。
このような解像度の差は、画素数の差ではなく、センサーサイズの差に由来すると考えられる。
各カメラのセンサーサイズを以下に示す。
フルサイズ(Z6II)=36 mm x 24 mm = 864 mm^2
APS-C(D5200) = 23.6 mm x 15.8 mm = 372.88 mm^2
1/2.5型(iphone 11 pro max) = 5.7 mm x 4.3 mm = 24.51 mm^2
各センサーの面積比はフルサイズ:APS-C:1/2.5型=35.35:15.21:1となり、一眼カメラがスマホを凌駕する。一眼カメラで撮る場合は、この点を生かしたい。
次にZ6IIとD5200の高感度耐性を比較する。
Z6IIではISO3200程度までは概ね感度・分解能が維持されているように見える。ISO6400+HHでもそれほど悪くないが、緑の茂みの描写性能が下がっている。ISO12800では分解能低下に加えて画面がざらつき、ISO51200ではそれがより顕著となる。オートISOの上限は6400辺りが適当そうだ。
一方D5200の写真は、ISO100の写真ですら、Z6IIのISO6400-12800レベルの分解能しかないように見える。また、D5200ではISO1600で画面がざらつき、ISO6400HHでは石垣の石と石を区別することが困難になっている。
以上の比較から、Z6IIの描写性能がD5200を大きく上回ることが分かったが、これはセンサーサイズの問題だけでは無く、センサー・処理エンジンが8年分進化したためでもあるだろう(D5200 = 2012年12月発売→Z6II = 2020年11月発売)。Z6IIには、8年後でもiphoneを上回る絵を出していてほしいがどうだろうか。
Z6IIが暗所に強く、多少暗い条件でも、手持ちでがんがん撮れそうなことが分かったので、気が楽になった。久しぶりに、一眼で撮るのが楽しいと思えてきた。
以下、日が暮れて薄暗くなった公園内で、手持ちで撮影した写真を紹介する。
ツバキ。70 mm, f/4, 1/80, ISO = 1400
紅葉。33.5 mm, f/4, 1/40, ISO = 1400
紅葉。59 mm, f/4, 1/60, ISO = 3600
月(一部拡大)。70 mm, f/4, 1/160, ISO = 100
散歩道。30.5 mm, f/6.3, 1/13, ISO = 32000
パンジー。70 mm, f/4, 1/80, ISO = 32000
落ち葉の絨毯。25.5 mm, f/4, 1/13, ISO = 32000
銀杏の葉っぱ。70 mm, f/4, 1/60, ISO = 32000
状況によってはISO = 32000でも大丈夫のような気がしてきた。