ねこのおなかの日記帳

日々の記録です。

テンペストなど

2010-10-31 | 読書
みどりちゃんは、ひと月ほど前から、ブランコの上に登り、
飾りのベルの中をつつきたおすのがお気に入りです。
「キャキャキャ!!」と興奮しながら激しくつついています。
気が済むまで遊べばいいや、と思ってたら、
毎日毎日飽きずにやっています。
そのうちメッキがはがれて、それを食べてしまうのではないかと思い、
少し心配になってきました…。


先週と昨日、オケの練習でたまたま打楽器に触れる機会がありました。
大所帯の中で一人異質な音を出す恐ろしさに震えました。
しかし、スネアドラムをフルート用のお掃除棒(木製)でたたいたことのある人は、
あまりいないことでしょう…。しかも一本のみ。片手奏法です。
お掃除棒一本で「ラデツキー」は無理がありすぎて…面白かったです。



「本からはじまる物語」  アンソロジー

たくさんの作家の方が書かれた、本が重要なキーワードとして出てくる短編をまとめた本です。
印刷会社の会報誌か何かに、連載されていたものらしいです。
豪華執筆陣でしたが何しろ一編が短く、「なんじゃこれ?」で終わってしまったものもありましたが、
有栖川有栖さんの「注文の多い料理店」のパロディは笑えたし、
本と猫の出てくる短編は面白かった(作者を忘れました…)。
トップバッターの恩田陸さんのは謎だったけど、
最終話の三崎亜記さんのとつなげるとなんとなく意味がわかる…ような? 


「塩の街」  有川浩

しょっぱいSFでした!近未来の東京が舞台です。
これで有川氏の自衛隊三部作とよばれるものをやっと全部読みました。
おもしろかったです。話の発端となる伝染病が恐ろしくも奇天烈で、
すごい発想だな…と思いました。


「月の扉」  石持浅海

「空前絶後の荒業炸裂!」と裏表紙に書かれていたので借りてしまったミステリーです。
ハイジャックされた完全密室の飛行機の中でさらに謎の殺人事件が起こる、
というものでした。たしかに空前絶後かもしれない。
ハイジャック犯たちの事情や人となりが綿密に語られ、
探偵役も味がある青年で「おおー」と思いながら読んだのですが、
起承転結の「結」で、「そりゃないだろ」と思ってしまいました。あんまりです。


「テンペスト(上・下)」  池上永一

最近、文庫判全四巻になって刊行されましたが、
「ハードカバーはすごく売れたのに、文庫はいまいち売れない!
読みたい人はみんなハードを買ったんだな…」と書店員のS嬢が言っていました。
納得です。面白かった!ちょっと立ち読みしてしまったら絶対続きが気になると思います。
琉球王朝末期の動乱の中で、竜の生まれ変わりとして誕生した「真鶴」の、
嵐のような半生記です。どんでん返しが百回ぐらいあるし、
爛熟した琉球文化は美しく、作中次々詠まれる「琉歌」は魅力的だし、
世紀の大恋愛もあるし、首里城版「大奥」はあるし、とにかく読ませます。
つっこみどころもかなりある…と思うけど、気にせず読めば満足です。
韓流歴史ドラマ好きなら私よりもっとハマるのではないでしょうか。


「夏への扉」  ロバート・A・ハインライン

SF傑作選などで絶対に紹介されています。古典的名作だそうです。
(今年ハヤカワから新装版が出たようで、本がとても綺麗だったから借りました。)
1950年代に書かれた、1970年代から2001年にタイムスリップする話です。
日常である舞台がすでに未来であることが前提として書かれていて、
すでに二重の未来である2001年も過ぎてしまっていますが(ややこしい)、
今読んでも面白かったです。
主人公ダニーの科学者ゆえの偏屈っぷりは愛すべきもので、
そのせいでどんどん騙され利用され駄目駄目スパイラルに陥っていく前半はイライラしますが、
後半は「ぶは!!」と時々ふきだしつつ爽快なSFドラマを心地よく楽しめました。
「文化女中器」(主人公の発明した器械)本気で欲しいです…(「ルンバ」より高性能)。
何で1970年代に完成しなかったんだろう。もう2010年なのにまだない。
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