今日は公休振り替えとやらで休日だったのですが、
歓送迎会があるから夕方から出かけねばなりません。
平日休みだとこういうことが起こるのですね……
読んだ本をためたままにしていました。
通勤時間はわりと長いけれど、満員電車なのは仕方ないとしても、
乗換えが多くて細切れ乗車だから本は読みにくいです。
今年はあまり読めないかもしれないです。
=========================================================
メガロマニア あるいは「覆された宝石」への旅 恩田陸
中南米(主にメキシコとペルー)の古代遺跡を巡る紀行文です。
マヤ文明、インカ帝国、マチュピチュ・・・・・・
という、あこがれの、でもたぶん一生行くことはない遺跡群を巡る旅。いいなーと思いました。
ピラミッドもたくさん登っておられます。
「上と外」が生まれた世界でした。
プークが丘の妖精パック ラドヤード・キプリング
ヴァルハラ時代の神々の歴史からイギリス史へ。
案内人はパックで、聞き手は二人の子どもたち。すごくおもしろい物語でした!!
この小説に、サトクリフがとても影響を受けたそうですが、頷けます。
中世騎士物語あり、海賊冒険譚あり。どれもすばらしく、
読みおわると満ち足りた気持ちになれました。
刑務所のカラクリ 坪山鉄兆
実際に刑務所に入ったことのある著者が、
カラクリ・・・というより「実態」を絵入りで詳細に、時にコミカルに解説した本です。
貴重なおやつは「甘シャリ」っていうんだ・・・
(そしてその甘シャリは取ったり取られたり所内のいじめに発展するほど貴重なものらしい)
などなど、豆知識が増えました&いくつか、知りたいと思っていた謎が解けました。
ハムレットQ1 ウィリアム・シェイクスピア
「生か死か、それが問題だ」って本当に言ってる~と思いながら読みました。
「Q1」というのは、「Q2」、「F」という一般的に舞台脚本の底本とされる二つのテキストよりずっと短く、
異端だ(海賊版に近いとまでいわれていたが近年見直されてきたらしい)そうです。
超有名な上記のせりふも、テキストによってその続きがずいぶん異なっているようです。
ハムレット王子は、悩むのが仕事だったんだね…。
まあ、いきなり、死んだ父が亡霊になって出てきて
「わしは謀殺されたんだ~!」などと叫びはじめたら誰だって悩むか!
ザ・万歩計 万城目学
万城目学さんのエッセイ集です。
万城目さんの作品で私が一番好きなのは「鴨川ホルモー」なのですが、
ホルモー誕生にまつわる話なども読めて満足だったし、
大学を留年して敢行したモンゴル滞在記は短編小説のようで、とても濃い一冊でした。
面白かったです。「御器齧り戦記」はただひたすら怖かった……。
平安時代にももういたんだ、御器齧り(=G)。
ワーニャ伯父さん/三人姉妹 チェーホフ
両方、人生の空虚に悩むブルジョワ階級の話で(三人姉妹のうち二人は労働したりもするけれど)、
やるせなく苦しくトホホです。
戯曲の形なのですがやたら「間」が多く、そこで読者は多くを考え読み取らなくてはいけないらしい。
わたしはお粗末なことしか考えなかったので、チェーホフを読むに値しないのかもしれないです。
さすが、チャイコフスキーでドストエフスキーの国の文学だなーと思いました。
太陽が足りてません(泣)その分重くて深いんだろうけど。
青い麦 コレット
ロシア文学と真逆のものが読みたくなったので、フランスど真ん中を読みました。
のだめにも出てきたけど「アムールの国」の男女はほんとに困った人たちです。
少年少女の愛や恋に対する苦悩は激しすぎるし、その行動も、
わたしの理解の範疇をかる~く飛び越えていました。
ブルターニュ地方の小さな島の自然の描写はすばらしいかったです。
主人公たちはそこで夏中バカンスを楽しむのですが、
読んでいるだけでも、目がくらみそうな太陽の光と花や実を付ける植物の色やその香り、
土や雨の湿り気、海と空のかがやきやそれぞれに住む生き物の息吹を感じられました。
第七官界彷徨 尾崎翠
兄たちが妹を「女の子」と呼ぶ不思議な世界ですが、なんとも含みのあるユーモアと、
少しの悲しさがあって、すてきな小説でした。白黒の喜劇映画みたいでした。
兄たちを頼って東京へ出てきた女の子が語り手です。
ぼろい借家で、精神科医の「一助」(自分の気を引く人をみんな「分裂病」と断じてしまう)と、
学者の「二助」(専門が「肥料学」で家の中で肥やしを煮詰める実験をしてばかりいる)、
そしていとこの「三五郎」(音大を目指す浪人生。いつもおなかを減らしている)の
炊事係をする女の子の日々の物語です。
謎解きはディナーのあとで 東川篤哉
地元の図書館の予約がやっと回ってきました。
本屋大賞をとったのですね。
キャラクター、事件、決めぜりふ、
何もかもがすべて計算され完成されたフィクションで、漫画のように面白く読みました。
短編集ですが、どれも事件の幕切れがスパッとしててとてもいいです。
歓送迎会があるから夕方から出かけねばなりません。
平日休みだとこういうことが起こるのですね……
読んだ本をためたままにしていました。
通勤時間はわりと長いけれど、満員電車なのは仕方ないとしても、
乗換えが多くて細切れ乗車だから本は読みにくいです。
今年はあまり読めないかもしれないです。
=========================================================
メガロマニア あるいは「覆された宝石」への旅 恩田陸
中南米(主にメキシコとペルー)の古代遺跡を巡る紀行文です。
マヤ文明、インカ帝国、マチュピチュ・・・・・・
という、あこがれの、でもたぶん一生行くことはない遺跡群を巡る旅。いいなーと思いました。
ピラミッドもたくさん登っておられます。
「上と外」が生まれた世界でした。
プークが丘の妖精パック ラドヤード・キプリング
ヴァルハラ時代の神々の歴史からイギリス史へ。
案内人はパックで、聞き手は二人の子どもたち。すごくおもしろい物語でした!!
この小説に、サトクリフがとても影響を受けたそうですが、頷けます。
中世騎士物語あり、海賊冒険譚あり。どれもすばらしく、
読みおわると満ち足りた気持ちになれました。
刑務所のカラクリ 坪山鉄兆
実際に刑務所に入ったことのある著者が、
カラクリ・・・というより「実態」を絵入りで詳細に、時にコミカルに解説した本です。
貴重なおやつは「甘シャリ」っていうんだ・・・
(そしてその甘シャリは取ったり取られたり所内のいじめに発展するほど貴重なものらしい)
などなど、豆知識が増えました&いくつか、知りたいと思っていた謎が解けました。
ハムレットQ1 ウィリアム・シェイクスピア
「生か死か、それが問題だ」って本当に言ってる~と思いながら読みました。
「Q1」というのは、「Q2」、「F」という一般的に舞台脚本の底本とされる二つのテキストよりずっと短く、
異端だ(海賊版に近いとまでいわれていたが近年見直されてきたらしい)そうです。
超有名な上記のせりふも、テキストによってその続きがずいぶん異なっているようです。
ハムレット王子は、悩むのが仕事だったんだね…。
まあ、いきなり、死んだ父が亡霊になって出てきて
「わしは謀殺されたんだ~!」などと叫びはじめたら誰だって悩むか!
ザ・万歩計 万城目学
万城目学さんのエッセイ集です。
万城目さんの作品で私が一番好きなのは「鴨川ホルモー」なのですが、
ホルモー誕生にまつわる話なども読めて満足だったし、
大学を留年して敢行したモンゴル滞在記は短編小説のようで、とても濃い一冊でした。
面白かったです。「御器齧り戦記」はただひたすら怖かった……。
平安時代にももういたんだ、御器齧り(=G)。
ワーニャ伯父さん/三人姉妹 チェーホフ
両方、人生の空虚に悩むブルジョワ階級の話で(三人姉妹のうち二人は労働したりもするけれど)、
やるせなく苦しくトホホです。
戯曲の形なのですがやたら「間」が多く、そこで読者は多くを考え読み取らなくてはいけないらしい。
わたしはお粗末なことしか考えなかったので、チェーホフを読むに値しないのかもしれないです。
さすが、チャイコフスキーでドストエフスキーの国の文学だなーと思いました。
太陽が足りてません(泣)その分重くて深いんだろうけど。
青い麦 コレット
ロシア文学と真逆のものが読みたくなったので、フランスど真ん中を読みました。
のだめにも出てきたけど「アムールの国」の男女はほんとに困った人たちです。
少年少女の愛や恋に対する苦悩は激しすぎるし、その行動も、
わたしの理解の範疇をかる~く飛び越えていました。
ブルターニュ地方の小さな島の自然の描写はすばらしいかったです。
主人公たちはそこで夏中バカンスを楽しむのですが、
読んでいるだけでも、目がくらみそうな太陽の光と花や実を付ける植物の色やその香り、
土や雨の湿り気、海と空のかがやきやそれぞれに住む生き物の息吹を感じられました。
第七官界彷徨 尾崎翠
兄たちが妹を「女の子」と呼ぶ不思議な世界ですが、なんとも含みのあるユーモアと、
少しの悲しさがあって、すてきな小説でした。白黒の喜劇映画みたいでした。
兄たちを頼って東京へ出てきた女の子が語り手です。
ぼろい借家で、精神科医の「一助」(自分の気を引く人をみんな「分裂病」と断じてしまう)と、
学者の「二助」(専門が「肥料学」で家の中で肥やしを煮詰める実験をしてばかりいる)、
そしていとこの「三五郎」(音大を目指す浪人生。いつもおなかを減らしている)の
炊事係をする女の子の日々の物語です。
謎解きはディナーのあとで 東川篤哉
地元の図書館の予約がやっと回ってきました。
本屋大賞をとったのですね。
キャラクター、事件、決めぜりふ、
何もかもがすべて計算され完成されたフィクションで、漫画のように面白く読みました。
短編集ですが、どれも事件の幕切れがスパッとしててとてもいいです。