ハグハグの日々 Ⅳ  ~ 南日本海人、ライダー変身

ご訪問有難うございます。南日本海人、夏山裕のブログです。家族を愛し、人生に感謝して、日々をハグしながら送っています。

南日本海人、小春日和に

2008年11月17日 | 日々(ふつうに)
 小春日和というのは秋でも言うのだろうか。晩秋であるが、良い天気の暖かい日が続いている。朝晩の冷え込みは厳しいが、日中は車の中など暑いぐらいである。外に出ると気持ちがいい。さわやかな空気を吸い込み、純粋に生きていることを幸せに感じることができる。
 特別なことは何もない。が、そのこと自体が貴重だ。どこも具合が悪くなく(実際はあってもこの瞬間苦しみ感じているというわけではなく)、息をしてここに存在しているというこの事実、それがまさに有り難しことであるという自覚、それが大切だなあと思う。
 昔、吉村昭という作家の著書で『宣告』というのを読んだことがある。死刑執行を待つ受刑者の物語である。非常に深刻で重い内容の小説で、感銘を受けた覚えがある。思えば、彼ら死刑囚の日々はなんと苦しい日々なのだろう。まさに明日がないという絶望の毎日である。
 物語の最後で刑の執行前に主人公が担当の刑務官に、タバコを吸ってもいいが、と言われて、断る場面がある。確かに、これから刑を執行されるという時に、タバコなどというまやかしもので頭の働きを鈍らせてもしようがないのだろうと解釈した。
 読んだ時、その場面の恐ろしく澄み切った印象と、自己の境遇との対比に、襟を正すような気持ちになった。
 変な話に飛んでしまったが、この何の変哲もない日常の有り難さ、それを今日のような穏やかな日には感じていたい。
 秋の好日である。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。