南日本海人、もみじマークからの妄想

　私が住んでいる南日本海地方、それはもう日本の『地方』というものを代表するような田舎である。故に、老齢化もとてもすすんでいる。
　この前車を運転していると、たまたま前の車にもみじマークが貼ってあるのに気づいた。高齢者が運転していますよということである。高齢者の人の運転は一般に運行速度が遅いので、内心あまり歓迎ではない。予想外の運転をすることもあるし、少し気を使わなければならないこともある。まあ、お年寄りであるから、しょうがないとは思っているが。
　ところが、カーブでふと見て気づいたのだが、もうひとつ前の車にももみじマークが貼ってあるのが見えた。ありゃりゃ。これは参ったなあ。
　でもそうやって注意して走る車の車体をよく見てみると、あるある、結構もみじマークの車が。考えると確かにそれは当たり前のことであるとも言える。この高齢者が多い地方でもみじマークの車の割合が多いのは自然なことである。
　そのうちもみじマークのほかにも、身障者マークとか、いろいろなステッカーの貼ってある車があるのに気づいた。例によって、それを見ながらいろいろ考えた。以下妄想である。
　そのうち、もみじマークの車ばかり走っているということになる可能性もあるなあ。みんな四〇キロぐらいで走って。もみじの年代の人がほとんどを占めるようになったら、逆に若いものが、青葉マーク（若葉マークではない）をつけるように定まったり。ちぇっ、青葉マークだ、なんて…。若いものには気をつかうから嫌だなあ、とか。
　もみじマークと若葉マークが並んで貼ってあるというのはさすがにないものだなあ。つまり、高齢者で、免許取立ての初心者ということであるが。あ、もしかしたら、もみじの人は、免許が取れないのかな？　いやそんなことはないよなあ。交通安全協会にでも聞いてみようかなあ。
　ほかにもいろいろなマークがあってもいいのではないか。「独身者（四〇代）マーク」…運転とは全く関係ないが。「この車高いです（八〇〇万円）マーク」ベンツなどの一目で高いと分かる車以外でも、注意しなければならないことがよく分かる。「わたし今いらだってますマーク」これは完全注意。でも貼ったりはがしたりのタイミングがとても難しい。
　その他、「趣味魚釣りマーク」や、「私公務員ですマーク」、「恋人募集中マーク」など、…こりゃ個人情報の露出以外の何者でもないか。
　そういえばあの、個人情報がうんぬんという件、最近よく耳にするがあれも少し変であるような気がする。もう少し論理を明確にしていつか書こうと思うが、なんだか流行でその論調を使っているような人が結構たくさんいるようだ。物事はいつもニ面性を持っている。簡単に決め付けるような態度、主張はあまり良いとは思わない。
　話が全く違う方向に進みそうであるので止めるが、車の車体というもの、運転する機会が多い人には結構気になるものである。前、アイデアとして考えたのは、車の前後に電光掲示板をつけて、前後の他の車と情報のやりとりをするというもの。
　例えば「お先にどうぞ」とか、「もうすぐ右の車線にうつります」とか、「了解」とか、便利であるような気がするがどうか。まあ、逆にそれでトラブルも発生しそうではあるが。運転中の操作が危ないとしたら、音声入力を取り入れるとか。
　まあ、いろんなことを考えてみるのである。そんな妄想ばかりして運転しているのかって？　いえそんなことはございません。運転には気を使っています。
　今日はここまで。