エイプリルマジックと混沌

　季節はついに春である。
　明日から、四月、四月、おお四月だ。サイモン＆ガーファンクルの曲にもあるだろう。『四月になれば彼女は』の四月である。
　春は、別離と出会い、そして変革の時だ。
　まさに私と、その周囲はその変化の波でどよめいている感がある。劇的な、変化。思いもよらない状況に、人はまさに試されるときだ。
　この記事を書く前に、ブログのアクセスの解析などを見てみた。すると、このブログのアクセスのキーワードの一番の語句が「去年の花にあらず」だった。
　この言葉、NHKの大河ドラマ『篤姫』の中での台詞であり、それに感銘した私は、何度かこのブログの中で取りあげて記事を書いた。
　人生は刻一刻と変わっていくものであり、去年の春と、今年の春とは、まったく異なる状況にあるということを端的に表した言葉だ。
　この変化というもの、まさにくせ者だ（笑）。変化というものは単に量的なものではない。質的、あるいは階層的、次元的、に物事が移り変わるのだ。量的な変化なら、まだずいぶん対応が易しい。問題の質そのもの、対応すべき次元が異なるもの、そういったことには人間なかなかついていくことが難しいものだ。
　いわゆる、不意打ち、想定外、アクシデント、といった言葉で代表されることがらが、起こってくるのが、その変化だ。
　こんなとき、ふっと気をゆるめていると、いつのまにか状況においてけぼりをくらってしまい、どうしていいのか皆目、見当がつかなくなったりする。だから、こんなときは、必死で、自分の中のひきだしをすべて引っ張り出して、状況に対応していかなくてはならないものだ。
　そのことだけは、直感で知っている。いわゆる、なりふりかまわず、がんばらなくてはならない時期、そういうシーズンなのだと思う。
　でないと、めくるめく変化の波に流されて、わけがわからず、道を見失ってしまうと感じる。
　混沌の中におぼれてはいけない。
　しかし、またこの変化の季節は、こうした無茶な状況に対応できるだけのエネルギーが発生する時季でもあるような気もする。名付ければ、『エイプリルマジック』だ。
　出来うる限り、エイプリルマジックを活用して、混沌の波に巻き込まれないように、自分を叱咤激励して行きたい。

　負けるものか！！

　だが、そんな自分に関係なく、外には春の気配が萌えだしている。植木の青葉も目に鮮やかである。